到達目標
1.平均情報量,結合情報量および相互情報量を計算し,その導出過程を説明することができる。
2.情報圧縮に深く関係する考え方を修得し,情報源符号化定理の意味を説明することができる。
3.情報通信に深く関係する考え方を修得し,通信路符号化定理の意味を説明することができる。
4.情報ネットワークとそれに関わるセキュリティ技術の基礎事項をすることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1(D-1,D-2) | 平均情報量,結合情報量および相互情報量を計算し,その導出過程を説明することができる。 | 平均情報量を計算し,その導出過程を説明することができる。 | 平均情報量を計算ができない。 |
評価項目2(D-1,D-2) | 情報源符号化手法を理解し,拡大情報源において符号化を行うことができる。 | 情報源符号化手法を理解し,簡単な情報源において符号化を行うことができる。 | 情報源符号化手法を用いて符号化を行うことができない。 |
評価項目3(D-1,D-2) | 通信路符号化手法を理解し,複雑な通信路における誤り訂正を行うことができる。 | 通信路符号化手法を理解し,簡単な通信路において,誤り検出を行うことができる。 | 簡単な通信路において,誤り検出を行うことができない。 |
評価項目4(D-1,D-2) | 暗号化・復号化の原理を理解し,自分で暗号化・復号化の計算を行うことができる。 | 暗号化・復号化の原理を理解し,説明することができる。 | 暗号化・復号化の原理を説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (生産システム工学専攻の教育目標)
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学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標)
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JABEE D-1
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JABEE D-2
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JABEE基準 (d)
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教育方法等
概要:
情報通信および情報圧縮に深く関係する確率論の考え方を修得し,情報源符号化定理および通信路符号化定理を用いて,ディジタル技術へ応用するための基礎力を涵養する。さらに,情報ネットワークとそれに関わるセキュリティ技術の基礎事項を身につける。
授業の進め方・方法:
教科書や配布資料を用いて,代表的な定理を説明し,それに関連する例題を通して各種手法を説明する.その定着のため,適宜,演習問題を解いてもらう。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,D-1(50%),D-2(50%)とする。
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の課題作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目をみたしたことが認められる。
・単に授業に出席するだけではなく,授業,教科書や参考書で扱っている演習問題等を積極的に自分の力で解くようにすること。これにより,種々の手法が身に付き,各種定理等の意味の理解が一層深くなる。また,単に計算方法を覚えるだけでなく,導出された値が意味していることを深く考察する姿勢が必要である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
情報セキュリティとは ベイズの定理と確率変数 |
最近のセキュリティインシデントの内容について説明できる。ベイズの定理を説明することができる。期待値,分散および標準偏差の計算ができる。
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2週 |
情報量 |
自己情報量,平均情報量および相互情報量の計算をすることができる。
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3週 |
情報源のモデル |
記憶のない情報源と記憶のある情報源の特徴を説明することができる。記憶のある情報源におけるエントロピーを求めることができる。
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4週 |
通信路のモデル |
主な2元通信路の特徴を通信路線図等を用いて説明することができる。また,それらの通信路における通信路容量を計算することができる。
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5週 |
演習 |
ここまでの学習内容を利用した演習問題を解くことができる。
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6週 |
符号化の基礎 |
クラフトの不等式が説明できる。符号化の評価方法が説明できる。
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7週 |
ハフマン符号 |
ハフマン符号の符号化手法を説明することができる。情報源符号化定理を説明することができる。
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8週 |
問題演習 次週,中間試験を実施する |
学んだ知識の確認ができる。
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2ndQ |
9週 |
拡大情報源におけるハフマン符号 |
n元のハフマン符号の符号化および拡大情報源における符号化を説明することができる。
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10週 |
誤り検出と訂正 |
通信路符号化定理が説明できる。ハミング距離の計算ができる。あやめ理検出/訂正の原理が説明できる。
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11週 |
長方形符号と三角形符号 |
長方形符号が説明できる。三角形符号が説明できる。
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12週 |
ハミング符号と巡回符号 |
ハミング符号が説明できる。符号の多項式表現が説明できる。巡回符号が説明できる。
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13週 |
情報セキュリティの基礎 |
ネットワークセキュリティにおける代表的な脅威とその対策方法について説明することができる。
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14週 |
暗号系のモデル |
暗号系のモデルを説明することができる。転置暗号等の簡単な暗号の特徴を説明することができる。対称鍵暗号と非対称鍵暗号の特徴を説明することができる。RSA暗号の暗号化,復号化および鍵の生成方法を説明することができる。
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15週 |
期末試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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16週 |
試験答案の返却と解説 |
学んだ知識の再確認と修正ができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 30 | 90 |
分野横断的能力 | 0 | 10 | 10 |