システム制御工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 システム制御工学
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 応用化学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は使用しない.補助教材としてプリント(参考資料および演習問題)を配布する.
担当教員 阿部 晶

到達目標

1. ブロック線図と状態方程式の関係を理解し,現代制御理論の観点から制御対象をモデル化することができる.
2. システムの可制御性および可観測性が判別できる.
3. システムを安定化するフィードバック制御を設計することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-2, D-1, D-2)ブロック線図から,状態方程式・出力方程式が導出でき,その解を求めることができる.ブロック線図から,状態方程式・出力方程式が導出できる.ブロック線図から,状態方程式・出力方程式が導出できない.
評価項目2 (A-2, D-1, D-2)複雑なシステムの可制御性および可観測性が判別できる.単純なシステムの可制御性および可観測性が判別できる.単純なシステムの可制御性および可観測性が判別できない.
評価項目3 (A-2, D-1, D-2)同値変換を用いた極配置法から,フィードバックゲインが計算できる.システムの固有値を所望の点へ配置する直接的な方法から,フィードバックゲインが計算できる.システムの固有値を所望の点へ配置する直接的な方法から,フィードバックゲインが計算できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (応用化学専攻の教育目標) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標) 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半では,機械系・電気系を具体例として,その動作を線形微分方程式としてモデル化した後に,古典制御理論の伝達関数や現代制御理論の状態方程式・出力方程式として表現する方法を学ぶ.後半では,状態方程式・出力方程式を使ってシステムの可制御性,可観測性を調べ,良好な応答が得られるように制御系を設計する方法を学ぶ.
授業の進め方・方法:
線形微分方程式としてモデル化できるシステムを状態方程式と出力方程式で表して,そのシステムの分析や制御法を修得することを目的とし,これらに関する基礎的事項の講義を行う.学んだ内容の理解を確認するために宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(50%),D-1(25%),D-2(25%)とする.
・自学自習時間(60時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
・これまでの古典制御理論で学んできたシステムの安定判別等の知識は,現代制御理論の学習に必須である.したがって,古典制御理論を充分に理解していることが望ましい.また,同値変換や極配置法による制御系の設計には,固有値解析等の線形代数の知識が不可欠である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 状態方程式と出力方程式 状態方程式・出力方程式の意味を説明できる.
2週 状態方程式と出力方程式 微分方程式から,状態方程式・出力方程式を導出できる.
3週 状態方程式と出力方程式 ブロック線図から,状態方程式・出力方程式を導出できる.
4週 状態方程式の解法 状態遷移行列を求めることができる.
5週 状態方程式の解法 状態遷移行列から状態方程式の解を求めることができる.
6週 同値変換 状態変数の正則変換である同値変換の概念を学習し,システムを対角正準系に変換できる.
7週 同値変換・次週,中間試験を実施する 対角正準系からシステムの伝達関数を求めることができる
8週 テスト返却・可制御性と可観測性 システムの可制御性の意味を理解し,その判定ができる.
2ndQ
9週 可制御性と可観測性 システムの可観測性の意味を理解し,その判定ができる.
10週 システムの安定性 微分方程式で表現されるシステムの安定性を固有値解析から判別することができる.
11週 システムの安定性 微分方程式で表現されるシステムの安定性をラウス・フルビッツ法から判別することができる.
12週 状態フィードバック制御 システムの安定化のための状態フィードバック制御が説明できる.
13週 極配置法 システムの固有値を所望の点へ配置する直接的な方法を学び,フィードバックゲインが計算できる.
14週 極配置法 同値変換による可制御正準系を利用した極配置法を学習し,フィードバックゲインの計算ができる.
15週 フィードバックゲイン システムの安定性の概念からフィードバックゲインの範囲を指定することができる.
16週 期末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力205000025
専門的能力6015000075
分野横断的能力0000000