応用化学特別実験

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用化学特別実験
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 応用化学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:4
教科書/教材 教科書:実験テーマごとに各テキストが配布される。
担当教員 梅田 哲,小寺 史浩,堺井 亮介,杉本 敬祐,千葉 誠,津田 勝幸,兵野 篤,古崎 睦,松浦 裕志,宮越 昭彦,辻 雅晴

到達目標

1. 目的応じた分析方法の選択,分析条件の設定,一連のプロセスを理解し,データをもとに考察ができる。
2. 目的達成のために他者と協調・協働して行動する意義を理解し,かつその行動できる。
3. 体裁等が整い,他者が理解できる記述内容のレポートを作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1分析方法の選択,分析条件の設定,一連のプロセスを正しく理解し,データをもとにした考察が良好である。分析方法の選択,分析条件の設定,一連のプロセスの理解,データをもとした考察をほぼ正確にできる。分析方法の選択,分析条件の設定,一連のプロセスの理解,データをもとした考察ができない。
評価項目2状況判断しながら目的達成のために他者と協調・協働した行動ができる。目的達成のために他者と協調・協働しての行動がほぼできる。目的達成のために他者と協調・協働した行動ができない。
評価項目3体裁等が整い,他者が理解しやすい記述内容のレポートを作成できる。体裁等がほぼ整い,他者が理解できる記述内容のレポートを作成できる。体裁等が不十分であり,他者が理解できる記述内容のレポートを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (応用化学専攻の教育目標) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
様々な専門分野の実験を通して,応用化学の固有技術や総合技術を習得する。また,様々なコンピュータソフトを利用してデータ解析やレポート作成を遂行できる能力を養う。
数名からなる小グループに分割した上で,授業内容に示した実験を行い,自学学習時間を用いてレポートを作成する。また,実験前には,実験を効率よく進めるために内容を理解し,操作手順・背景などを予習しておく。
授業の進め方・方法:
実験日の1週間前までに各担当教員のもとへ赴き,事前レポート等の指示をうけること。実験レポートは実験テーマ終了後1週間以内に提出する。
実験への取り組み,および提出されたレポートに対し,以下の注意点の記載等に基づいて評価を行う。但し,全てのレポートが受理されていなければ単位を取得できない。
注意点:
・総時間数180時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(120時間)に係わる理論についての予習復習時間,実験装置・方法の理解を深め正しい計測を行なうための予習復習時間,実験結果を検討し報告書をまとめる時間等を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・小寺教員については後期のみ担当

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
実験準備(1)
実験スケジュールが理解できる。レポートの作成に関して記載すべき項目,提出締切について理解できる。成績の評価方法が理解できる。安全な実験の取り組みが理解できる。
実験の準備ができる。
2週 異なる炭素化合物の同定法の探索と評価(1) 複数の未知炭化物試料について分析手法をグループで検討し,各自で分析・測定を実施した上で未知炭化物の同定を行うことができる。
実験の準備ができる。
3週 異なる炭素化合物の同定法の探索と評価(2) 複数の未知炭化物試料について分析手法をグループで検討し,各自で分析・測定を実施した上で未知炭化物の同定を行うことができる。
4週 未知課題の解決(1) 以下のような課題の中から一つを選択し,実験指針を立て,遂行し,得られたデータを解析して結論を導くことができる(課題は年度により異なる)。
・接着剤の硬化過程を定量的に評価せよ。
・繊維片の主成分を特定し,混合物である場合には組成比を決定せよ。
5週 未知課題の解決(2) 以下のような課題の中から一つを選択し,実験指針を立て,遂行し,得られたデータを解析して結論を導くことができる(課題は年度により異なる)。
・接着剤の硬化過程を定量的に評価せよ。
・繊維片の主成分を特定し,混合物である場合には組成比を決定せよ。
6週 実験準備(2)
レポート点検(1)
実験の準備ができる。
レポートの記載内容の点検・再点検・見直しができる。
7週 担子菌類・不完全菌類など糸状菌の取り扱い(1) 担子菌類(主にキノコ)や不完全菌類(カビの仲間)を取り扱うための基本技術(培養・観察手法,防菌防黴剤の利用効果の確認手法など)を扱うことができる。
8週 担子菌類・不完全菌類など糸状菌の取り扱い(2) 担子菌類(主にキノコ)や不完全菌類(カビの仲間)を取り扱うための基本技術(培養・観察手法,防菌防黴剤の利用効果の確認手法など)を扱うことができる。
2ndQ
9週 PVDF膜に転写したタンパク質の特異的検出(1) 電気泳動後のタンパク質をPVDF膜に電気転写し,抗体等を用いて特異的な検出を実施することができる。
10週 PVDF膜に転写したタンパク質の特異的検出(2) 電気泳動後のタンパク質をPVDF膜に電気転写し,抗体等を用いて特異的な検出を実施することができる。
11週 実験準備(3)
レポート点検(2)
実験の準備ができる。
レポートの記載内容の点検・再点検・見直しができる。
12週 スチレン,メタクリル酸メチルの精製とラジカル共重合(1) モノマーの精製,ラジカル共重合ができる。
13週 スチレン,メタクリル酸メチルの精製とラジカル共重合(2) モノマーの精製,ラジカル共重合ができる。
14週 共重合体の精製とGPCによる分子量測定(1) 上記共重合体を精製し,生成物の分子量をゲル浸透クロマトグラフィーにより測定できる。
15週 共重合体の精製とGPCによる分子量測定(2) 上記共重合体を精製し,生成物の分子量をゲル浸透クロマトグラフィーにより測定できる。
16週
後期
3rdQ
1週 共重合体のNMRによる共重合体組成比の検討(1) 上記共重合体の組成比を核磁気共鳴装置により測定できる。
2週 共重合体のNMRによる共重合体組成比の検討(2) 上記共重合体の組成比を核磁気共鳴装置により測定できる。
3週 遺伝子組換えした大腸菌の培養と蛋白質の発現(1) 遺伝子組み換えした大腸菌を培養し、蛋白質を発現させることができる。
4週 遺伝子組換えした大腸菌の培養と蛋白質の発現(2) 遺伝子組み換えした大腸菌を培養し、蛋白質を発現させることができる。
5週 実験準備(4)
レポート点検(3)
実験の準備ができる。
レポートの記載内容の点検・再点検・見直しができる。
6週 金属表面での反応について(1) 金属表面で進行する化学反応およびこれに影響を及ぼす因子を理解できる。
7週 金属表面での反応について(2) 金属表面で進行する化学反応およびこれに影響を及ぼす因子を理解できる。
8週 実験準備(5)
レポート点検(4)
実験の準備ができる。
レポートの記載内容の点検・再点検・見直しができる。
4thQ
9週 酵素電極を用いるグルコースの定量(1) グルコースオキシダーゼを用い酵素電極を作製し,グルコースの定量分析に応用できる。
10週 酵素電極を用いるグルコースの定量(2) グルコースオキシダーゼを用い酵素電極を作製し,グルコースの定量分析に応用できる。
11週 微細藻類由来の代謝産物の分析(1) 高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)等を用いて代謝産物の分析・同定ができる。
12週 微細藻類由来の代謝産物の分析(2) 高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)等を用いて代謝産物の分析・同定ができる。
13週 実験準備(6)
レポート点検(5)
実験の準備ができる。
レポートの記載内容の点検・再点検・見直しができる。
14週 液相還元法による金属微粒子合成(1) 液相還元法を用いた金属微粒子合成法を理解し、合成条件と生成微粒子との相関を理解できる。
15週 液相還元法による金属微粒子合成(1) 液相還元法を用いた金属微粒子合成法を理解し、合成条件と生成微粒子との相関を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。5
吸引ろ過ができる。5
収率の計算ができる。5
分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。5
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。5
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。5
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。5
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。5
生物工学実験滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。5前7,前8
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。5

評価割合

技術・知識習得度分析能力達成度積極性・協調性ポートフォリオその他合計
総合評価割合2020303000100
基礎的能力10101050035
専門的能力10101050035
分野横断的能力0010200030