応用微生物学特論

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用微生物学特論
科目番号 0029 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 応用化学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント/視聴覚資料
担当教員 辻 雅晴

到達目標

1. 微生物の活動が原因で引き起こされる「微生物災害」を理解し,説明できる。
2. 微生物災害を防ぐ「微生物制御技術」とその必要性を理解し,説明できる。
3. 抗菌剤・抗菌製品(抗カビ含む)の性能評価法を理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「微生物災害」を正確に理解し,正確に説明できる。「微生物災害」をほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明ができる。「微生物災害」を理解できない。
評価項目2 「微生物制御技術」とその必要性を正確に理解し,正確に説明できる。「微生物制御技術」とその必要性をほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明できる。「微生物制御技術」とその必要性を理解できない。
評価項目3抗菌剤・抗菌製品(抗カビ含む)の性能評価法を正確に理解し,正確に説明できる。抗菌剤・抗菌製品(抗カビ含む)の性能評価法をほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明できる。抗菌剤・抗菌製品(抗カビ含む)の性能評価法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (応用化学専攻の教育目標) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科で学んだ微生物の特性・特徴を確認し,微生物によって引き起こされる微生物災害を学習することで微生物制御の役割と化学の関わりを習得する。また,微生物災害と微生物制御への理解を深めるために,受講生に解説課題を課し,その内容について講義体験および質疑対応を行なう。
授業の進め方・方法:
目に見えない微生物が人々の日常生活や産業活動に与える影響を考えながら予習・復習を行い,講義を聴講すること。より深い知識を得るために興味を持った微生物災害例と微生物制御技術例に関して調査を行い,そのための講義体験の準備に励むこと。
注意点:
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)の予習・復習,講義体験の準備・まとめ,および定期試験のための学習を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.
・講義体験を行うために、パソコンが必要な場合もある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
微生物・ウイルスの種類,微生物災害
微生物等の種類について理解し,説明できる。各種の微生物災害について理解し,説明できる。
2週 微生物の分布,微生物の増殖因子,微生物の顕微鏡観察,食中毒菌見分け方,滅菌・殺菌・消毒・除菌・抗菌の違い 各種微生物の分布と増殖因子について理解し,説明できる。人の常在菌ついて理解し,説明できる。各種顕微鏡の利用と微生物観察,食中毒菌を見分ける技術を理解し,説明できる。滅菌・殺菌・消毒・除菌・抗菌の違いを理解し,説明できる。
3週 菌とカビの功罪(1) 食品加工に利用する微生物,世界一の猛毒を作る食中毒菌,およびO-157等の感染症対策を理解し,説明できる。
4週 菌とカビの功罪(2) 金属腐食をもたらす微生物,極限環境で生息する微生物,ペンキ・インクを食する微生物の生理・生態を理解し,説明できる。
5週 意外な環境を好む微生物と微生物災害 乾燥状態を好むカビ,放射線に強い細菌,酸素なしで生息するカビと微生物災害の関わりを理解し,説明できる。
6週 バイオフルムの功罪,家電品・自動車の微生物災害,文化財の微生物災害 虫歯と微生物,排水溝のヌメリと微生物,電子回路の劣化と微生物,加湿器と微生物,壁画とカビ汚染について理解し,説明できる。
7週 食中毒と微生物の関わり 食中毒と微生物の関わり,その対策について理解し,説明できる。
8週 缶詰・レトルトパックの安全性,抗生物質の利用と耐性菌の発現,化粧品の防腐,コンタクトレンズと微生物汚染対策 保存食品の微生物汚染対策,抗生物質の使い方,人の常在菌と化粧品・コンタクトレンズの微生物汚染対策について理解し,説明できる。
2ndQ
9週 カビ毒・輸入食品のカビ汚染,院内感染症,温泉と微生物の関わり,菌を使った微生物制御,人獣共通感染症 マイコトキシンとアフラトキシンの関わり,院内感染症と日和見菌,温泉とレジオネラ菌,ペットからの感染症について理解し,説明できる。
10週 微生物災害例&各種の微生物制御についての講義体験(1) 各受講生が種々の微生物災害例を調査し,その内容を講義体験すると共に全員での質疑・討論を行なう。
11週 住環境のカビ汚染とその対策(1) 住宅内部の各微生物汚染対策(壁,水回り,冷蔵庫など)について理解し,説明できる。
12週 住環境のカビ汚染とその対策(2) 住宅内部の各微生物汚染対策(洗濯機,トイレなど)について理解し,説明できる。洗濯ものの臭い,住宅内部のカビ臭,エアコンのカビ汚染について理解し,説明できる。
13週 微生物制御技術(1) 薬剤や熱による微生物汚染防除,抗菌グッズの効果について理解し,説明できる。
14週 微生物災害例&各種の微生物制御についての講義体験(2) 各受講生が種々の微生物制御技術例を調査し,その内容を講義体験すると共に全員での質疑・討論を行なう。
15週 微生物制御技術(2) 洗浄と殺菌の関わり,5Sと7Sについて理解し,説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験講義体験相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2010000030
専門的能力4010000050
分野横断的能力020000020