到達目標
1. 遺伝子組み換え技術の原理を理解することができる。
2. タンパク質の精製方法を理解することができる。さらにバイオテクノロジー技術を用いることで,従来の蛋白質精製技術よりも高度・効率的に精製することができることを説明できる。
3. タンパク質の結晶化の方法を理解することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 遺伝子組み換え技術の原理を用いて,応用技術を自ら考え出すことができる。 | 遺伝子組み換え技術の原理を説明することができる。 | 遺伝子組み換え技術の原理を説明することができない。 |
評価項目2 | 高度かつ効率的な蛋白質の精製方法を自ら考え計画することができる. | タンパク質の精製方法を理解することができる。 | タンパク質の精製方法を理解することができない。 |
評価項目3 | タンパク質の結晶化実験を計画実行することができる。 | タンパク質の結晶化の原理を理解している。 | タンパク質の結晶化を理解することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (応用化学専攻の教育目標)
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学習・教育到達度目標 (専攻科の教育目標)
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教育方法等
概要:
有用なタンパク質製品を生産する上で、タンパク質工学は重要な分野の一つである。本講義では、(1)タンパク質の性質を知った上で、微生物によるタンパク質の生産、抽出、精製方法、(2)蛋白質の立体構造解析の導入部分であるタンパク質の結晶化方法、(3)タンパク質の機能を改良するための遺伝子変異方法などを講義していく。
授業の進め方・方法:
教科書だけでなく,教員が配付するプリントの内容についても予習,復習を行なう。講義中に分らないことがあれば,必ず質問をすること。また,提出期限を越えたレポート課題は評価しない.
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,D-1,D-2 とする。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)のための予習・復習,理解を深めるための演習課題の考察・まとめ,および定期試験のための学習を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
遺伝子からタンパク質へ |
Molecular biology of the Cellなどを参考に、DNAからタンパク質が生合成されるメカニズムを説明できる。
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2週 |
遺伝子からタンパク質へ:パワーポイントによる発表 |
Molecular biology of the Cellなどを参考に、DNAからタンパク質が生合成されるメカニズムを説明できる。
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3週 |
タンパク質について:パワーポイントによる発表 |
タンパク質の構造を維持する因子について理解し、説明することができる。
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4週 |
DNAの改変技術 その1 |
様々なプラスミドの特性・利用方法を理解することができる。 遺伝子組換えで使用する試薬の働きを理解し、実験を計画することができる。
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5週 |
DNAの改変技術 その2 |
様々なプラスミドの特性・利用方法を理解することができる。 遺伝子組換えで使用する試薬の働きを理解し、実験を計画することができる。
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6週 |
DNAの改変技術 その3 |
バイオインフォマティクスを用いて、 ・目的のDNA配列を探し出す ・目的のDNAの働きを推測する ・目的のタンパク質にとって重要な領域を推測するなど 以上を行うことができる。
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7週 |
DNAの改変技術 その4 |
PCRを用いたクローニング PCRを用いた部位特異的変異法 の原理を理解し、実験を計画することができる。
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8週 |
大腸菌によるタンパク質の発現、精製 その1 |
大腸菌に遺伝子導入し、タンパク質を発現させる方法を理解し、問題解決することができる。
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2ndQ |
9週 |
大腸菌によるタンパク質の発現、精製 その2 |
細胞からタンパク質を抽出する原理・操作を理解し、サンプルにあわせた実験計画を考えることができる。 初期段階の精製操作原理を理解することができる。
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10週 |
大腸菌によるタンパク質の発現、精製 その3 |
カラムクロマトグラフィー(イオン交換、ゲル濾過、疎水、アフィニティなど)の原理を理解し、タンパク質の精製条件を検討することができる。
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11週 |
大腸菌によるタンパク質の発現、精製 その4 |
カラムクロマトグラフィー(イオン交換、ゲル濾過、疎水、アフィニティなど)の原理を理解し、タンパク質の精製条件を検討することができる。
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12週 |
大腸菌によるタンパク質の発現、精製 その5 |
カラムクロマトグラフィー(イオン交換、ゲル濾過、疎水、アフィニティなど)の原理を理解し、タンパク質の精製条件を検討することができる。
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13週 |
大腸菌によるタンパク質の発現、精製 その6 |
クロマトグラフィーを行う上で必要な操作(濃縮、脱塩、透析など)の原理を理解し、実際に行うことができる。 HPLCおよびカラムのカタログに記載されている情報を理解することができる。
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14週 |
タンパク質の結晶化 その1 |
タンパク質の結晶化の原理を理解し、タンパク質の結晶化実験を計画することができる。
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15週 |
タンパク質の結晶化 その2 次週、定期試験を行う。 |
タンパク質の結晶化の原理を理解し、タンパク質の結晶化実験を計画することができる。
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16週 |
定期試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 5 | 前1,前2,前6 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 5 | 前1,前2,前6 |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 5 | 前1,前2,前6 |
生物化学 | ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 5 | |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 5 | |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 5 | |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 5 | |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 5 | |
生物工学 | 遺伝子組換え技術の原理について理解している。 | 5 | 前4,前5,前7,前8 |
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。 | 5 | 前9 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 発表 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 25 | 15 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 5 | 5 | 20 |
専門的能力 | 50 | 20 | 10 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |