材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎材料力学[改訂版] (小泉堯監修、養賢堂)
担当教員 安田 洋平

到達目標

1. 機械構造物の部材に作用する力と部材の変形を説明でき、それらを計算できる。
2. 機械構造物を合理的かつ安全に設計するための計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械構造物の部材に作用する力と部材の変形を説明でき、それらを導き出すことができる。機械構造物の部材に作用する力と部材の変形を説明でき、それらを計算できる機械構造物の部材に作用する力と部材の変形を説明でき、それらを計算できない。
評価項目2機械構造物を合理的かつ安全に設計できる。機械構造物を合理的かつ安全に設計するための計算ができる。機械構造物を合理的かつ安全に設計するための計算ができない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

  機械システム工学科の教育目標② 説明 閉じる
  本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械構造物の安全性・信頼性を確保した設計には、機械構造物の部材に作用する力と部材の変形を正確に知る必要がある。ここでは、単純化した構造部材に働く各種外力・モーメントに対して発生する応力とひずみを求めるために必要な知識並びに考え方を学ぶ。各種機械構造物の設計手法について、企業で自動車の車体設計を担当していた教員が、その経験を活かして講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
各種応力とひずみの定義と、それらを関係付けるフックの法則を学ぶ。その後、棒の引張りと圧縮、軸のねじり、はりの曲げについて、静定問題の解析法を習得して行く。公式の背後に有る理論と公式導入の過程を理解することが大切である。
注意点:
評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.材料力学とは 材料力学とはどのような学問であるか理解できる。
2週 2.基本の条件 力の性質、静的つり合い条件について説明できる。
3週 3.応力とひずみ  (1) 応力とひずみ 応力とひずみがどのようなものであるかが理解できる。
4週 (2)フックの法則 垂直応力とせん断応力の違いや応力とひずみの間に成り立つ関係(フックの法則)を説明できる。
5週 (3)材料試験 材料試験から求められる応力―ひずみ線図を説明できる。
6週 4.引張と圧縮   (1)引張と圧縮 引張または圧縮が作用する棒の変形状態とどのような応力が発生するかが理解できる。
7週 中間試験
8週 (2)組合せ棒 静定問題と不静定問題の違いが理解できる。組合せ棒の不静定問題を解くことができる。
2ndQ
9週 (3)熱応力 熱応力の不静定問題を解くことができる。
10週 (4)骨組み構造 骨組み構造の変形や応力を求めることができる。
11週 (5)問題演習 組合せ棒、熱応力、骨組み構造に関する演習問題を解くことができる。
12週 5.ねじり
(1)丸棒のねじり
ねじりが作用する丸軸の変形状態とどのような応力が発生するかが理解できる。
13週   丸棒のねじり ねじりが作用する丸軸の変形状態とどのような応力が発生するかが理解できる。
14週 (2)伝導軸 ねじりが作用する丸軸のねじれ角や応力を求めることができる。
15週 (3)問題演習 ねじりに関する演習問題を解くことができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 6.組合せ応力
(1)応力状態
多軸応力状態について説明できる。
2週 (2)斜面上の応力 二軸応力状態のとき、任意の斜面上に作用する垂直応力やせん断応力を求めることができる。
3週 (3)主応力と主せん断応力 二軸応力状態のとき、主応力や主せん断応力を求めることができる。
4週 (4)モールの応力円 図式解法としてのモールの応力円が説明できる。
5週 (5)応力とひずみの関係 二軸、三軸の場合の応力とひずみの関係を説明できる。
6週 (6)弾性係数間の関係 弾性係数の間に成り立つ関係式を説明できる。
7週 中間試験
8週 7.はりの曲げ
(1)基礎事項
はりの定義や種類、荷重の種類を説明できる。
4thQ
9週 (2)反力、せん断力、曲げモーメント 支点反力や任意断面のせん断力、曲げモーメントを求めることができる。
10週   反力、せん断力、曲げモーメント 支点反力や任意断面のせん断力、曲げモーメントを求めることができる。
11週 (3)せん断力と曲げモーメントの関係 せん断力と曲げモーメントの関係が説明できる。
12週 (4)片持ちはり 各種荷重が作用する片持ちはりのせん断力図と曲げモーメント図を描くことができる。
13週 (5)両端支持はり 各種荷重が作用する両端支持はりのせん断力図と曲げモーメント図を描くことができる。
14週 (6)突出しはり 各種荷重が作用する突出しはりのせん断力図と曲げモーメント図を描くことができる。
15週 (7)問題演習 はりの曲げに関する演習問題を解くことができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3前1,前2
応力とひずみを説明できる。4前1,前2
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前3,前4
許容応力と安全率を説明できる。4前4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。3前5,前6,前8
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4前9
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。3前5,前7,前10,前11
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前12,前13
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前14
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前15
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4後8
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4後9,後10
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4後11,後12,後13,後14
多軸応力の意味を説明できる。4後1,後2
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4後2,後3,後4,後5,後6

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000