到達目標
数学における新しい概念や原理・法則の理解を深め、計算力の向上を目指す。さらに、事象を数学的に考察し処理する能力を身につけることを目標とする。
1. ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解でき,直線や平面を表現することなどに活用できる。
2. 行列・行列式の概念や演算を理解でき,連立1次方程式の解法に活用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解でき,直線や平面を工夫して表現することなどに活用できる。 | ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解でき,直線や平面を表現することなどに活用できる。 | ベクトルの概念およびベクトルに関する演算を理解できない。 |
評価項目2 | 行列・行列式の概念やその演算を理解でき,連立1次方程式の解法に工夫して活用できる。 | 行列・行列式の概念やその演算を理解でき,連立1次方程式の解法に活用できる。 | 行列・行列式の概念やその演算を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
電気情報工学科の教育目標①
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本科の教育目標①
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教育方法等
概要:
「線形代数」の内容から,まずベクトルの概念,および演算方法を学び,平面における直線および空間における直線や平面などの方程式を学ぶ。さらに,行列・行列式の概念を導入し,それらの演算および応用例としての連立1次方程式の解法を理解する。
授業の進め方・方法:
あらかじめテキストの該当部分を読んでから授業に臨むことを前提とする。授業では概念の意味や具体的な例題を通して、理解を確実にし、演習を行うことでその概念の使い方や応用される場面等を学ぶ。
評価方法は定期試験を70%、平常点(小テスト・レポート等の課題)を30%として評価する。
注意点:
① このシラバスには各週ごとの教科書のページが目安として書いてある。該当する部分をあらかじめ読み,疑問点などをはっきりさせて授業に臨むここと。
② 道具としての数学を身に付けようという積極的な学習意欲を持ち,授業に臨むこと。
③ 必ずその週のうちに復習をし,演習問題の反復練習に努めること。
④ 分からない個所がある場合は,必ず自分で可能な限り考え,友人と議論し,それでも分からない場合は,必ず担当教員に聞き,明らかにしておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
平面ベクトルの和・差・実数倍(8-12:教科書のページ) |
ベクトルの定義を理解し,基本的な計算(和・差・実数倍)ができる。
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2週 |
ベクトルの平行と実数倍 成分表示(13-16) |
2つのベクトルが平行である条件を理解できる。ベクトルの成分表示ができ、ベクトルの大きさなどの基本的な計算ができる。
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3週 |
空間ベクトルの和・差・実数倍 成分表示(39-41) |
空間のベクトルについて,基本的な計算ができる。
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4週 |
空間ベクトルの成分表示(42-44) |
空間ベクトルの成分表示ができ、ベクトルの大きさなどの基本的な計算ができる。
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5週 |
成分表示によるベクトルの平行と実数倍 ベクトルの1次独立性(17-19,45-46) |
2つのベクトルが平行であることを数式で表現できる。ベクトルの1次独立・1次従属の概念を理解でき,ベクトルの分解などに適用できる。
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6週 |
平面ベクトルの内積(20-23) |
平面ベクトルの内積の定義を理解して,計算もできる。
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7週 |
内積の基本性質(24-26) 次週,中間試験を実施する |
平面ベクトルの内積の基本性質を理解し,内積の計算に適用できる。
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8週 |
空間ベクトルの内積(47-50) |
空間ベクトルの内積を計算できる。2つのベクトルが垂直であることを内積を用いて判定することができる。
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2ndQ |
9週 |
内積の基本性質(25-26,51)
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内積の基本性質を理解し,内積の計算に適用できる。
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10週 |
位置ベクトル(29-31)
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位置ベクトルを平面図形の問題に適用できる。
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11週 |
平面内の直線の方程式(32-35) |
平面上の直線の方程式を様々な方法で表すことができる。
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12週 |
位置ベクトル(52-54) |
位置ベクトルを立体図形の問題に適用できる。
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13週 |
空間内の直線の方程式(55-57) |
空間内の直線の方程式を求めることができる。
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14週 |
直線・平面の法線ベクトル(35,58) |
法線ベクトルを用いて直線・平面の方程式を表すことができる。
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15週 |
演習 |
ベクトルについての演習を行う。
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16週 |
前期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
円と球面(36,59) |
円・球面の方程式をベクトルを用いて表すことができる。
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2週 |
行列の定義,和・差・実数倍(68-73) |
行列の定義を理解し,行列の和・差・実数倍の計算ができる。
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3週 |
行列の積(74-77) |
行列の積の計算ができる。
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4週 |
零因子・累乗,逆行列(78-82) |
零因子が存在することを理解できる。対角行列の累乗が計算できる。逆行列の定義を理解し,2次の正方行列の逆行列を求めることができる。
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5週 |
逆行列の性質
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逆行列の性質を理解できる。
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6週 |
転置行列(83-86) |
転置行列の定義を理解し,転置行列を作ることができる。
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7週 |
演習 次週,中間試験を実施する |
行列についての演習を行う。
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8週 |
掃き出し法による連立1次方程式の解法(91-94) |
掃き出し法を用いて,連立1次方程式を解くことができる。
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4thQ |
9週 |
正則でない連立1次方程式 掃き出し法と逆行列(95-98) |
正則でない連立1次方程式の解について理解でき,不定の場合は解を求めることができる。掃き出し法を用いて,逆行列を求めることができる。
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10週 |
2次の行列式(104-106) |
2次の行列式の定義を理解し計算できる。また,その性質を理解できる。
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11週 |
行列式の図形的意味(137) |
2次の行列式を用いて,平面上の平行四辺形の面積を計算できる。
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12週 |
サラスの方法 文字を含む行列式(119-121) |
サラスの方法により,3次の行列式を計算できる。種々の行列式の値を求めることができる。
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13週 |
n次の行列式(107-113)
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n次の行列式の定義を理解し,その性質を利用して値を求めることができる。
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14週 |
積の行列式(122-124) |
積の行列式が行列式の積であることを理解できる。行列式を用いて行列の正則性を判定できる。
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15週 |
クラメルの公式(131-134,136)
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クラメルの公式を利用して連立1次方程式を解くことができる。斉次連立1次方程式が自明でない解を持つ条件を理解できる。
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 3 | 前3,前4 |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | 前6,前7,前8,前9 |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 3 | 前5,前8 |
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。 | 3 | 前11,前13,前14,後1 |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | 後2,後3 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 3 | 後4 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 3 | 後10,後12,後13 |
評価割合
| 試験 | 小テスト・課題 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 30 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |