物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 016 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 総合物理1,2(啓林館),/ 新課程 リードα物理基礎・物理(数研出版),プリント
担当教員 岡島 吉俊

到達目標

物理学を学ぶことにより,物事の本質を見抜き抽出する力,論理的に考え説明する力を養う。先人が明らかにした物理法則を文字式を用いて理解し,その法則を用いて身近な現象を定量的に理解することや,定性的に直感的に理解し説明する力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物体の様々な運動を関連づけて考え,式を正しく立てて計算をすることができる。物体の運動に関する基礎的な計算をすることができる。物体の運動に関する基礎的な計算をすることができない。
評価項目2波動に関する様々な現象を関連づけて考え,式を正しく立てて計算をすることができる。波動に関する基礎的な計算をすることができる。波動に関する基礎的な計算をすることができない。
評価項目3電界・電流に関する様々な現象を関連づけて考え,式を正しく立てて計算をすることができる。電界・電流に関する基礎的な計算をすることができる。電界・電流に関する基礎的な計算をすることができない。

学科の到達目標項目との関係

電気情報工学科の教育目標① 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
まずは,力学の基礎を習得する。1学年で学習した物体の運動や力に関する内容を発展させた運動法則,円運動と単振動といった周期的な運動について学ぶ。次に,波動の範囲に入り,波の性質について学ぶ。最後に,電気の範囲に入り,静電気力・電界・電位について学習する。
授業の進め方・方法:
教科書と配布したプリントを用いて授業を進める。物理法則を教えた後,それに関する問題演習をしてもらう。必要に応じて補習をおこなう。
注意点:
基本的物理量の概念が次々に定義され,新しい物理法則が導出されるので,物理法則を単に暗記するのではなく,一つ一つを直感的に理解し,それを用いて物理現象を“理解”すること。法則を使う練習・努力を怠らないこと。一つの公式に数値を当てはめるだけで満足せず,物理的イメージを持ち,それを元に考えることが重要である。わからない場合は,まず自分なりに理解する努力をし,それでも解決できない場合は遠慮せず教員に質問すること。
前期90分16回目の授業および後期45分16,17回目の授業については,補講日または時間割空き時間に実施する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
[総合物理1] 第1部・第1章 物体の運動
1 速度
 B 変位と速度
・平面内での運動を位置ベクトルの変化として理解している。
・平面内での運動を垂直な2方向の運動の組合せとして扱うことができる。
2週 [総合物理1] 第1部・第1章 物体の運動
1 速度
 E 相対速度
・直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。
3週 [総合物理1] 第1部・第3章 剛体のつり合い
1 剛体のつり合い(1)
・力のモーメントの概念を理解し、求めることができる。
4週 [総合物理1] 第1部・第3章 剛体のつり合い
1 剛体のつり合い(2)
・剛体のつり合いの条件を理解し、求めることができる。
5週 [総合物理1] 第1部・第3章 剛体のつり合い
1 剛体のつり合い(3)
・剛体の重心を求めることができる。
6週 [総合物理1] 第1部・第5章 運動量と力積
1 運動量の保存(1)
・物体の質量と速度から運動量を求めることができる。
・力積を運動量の差から求めることができる。
7週 [総合物理1] 第1部・第5章 運動量と力積
1 運動量の保存(2)
・運動量保存の法則を式で表すことができる。
・力積・運動量・運動量保存の法則を用いて,物体の運動を扱うことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却
[総合物理1] 第1部・第5章 運動量と力積
2 反発係数
・物体の衝突について,反発係数を求めることができる。
・物体の衝突を,運動量保存の法則やエネルギー保存の法則を用いて扱うことができる。
10週 [総合物理1] 第1部・第6章 円運動と単振動
1 等速円運動(1)
・等速円運動について,周期・回転数・角速度・向心力・向心加速度などを求めることができる。
11週 [総合物理1] 第1部・第6章 円運動と単振動
1 等速円運動(2)
・等速円運動を,半径方向と接線方向に分けて考え,向心加速度と向心力について説明できる。
12週 [総合物理1] 第1部・第6章 円運動と単振動
1 等速円運動(3)
・等速円運動を,半径方向と接線方向に分けて考え,向心加速度と向心力について説明できる。
13週 [総合物理1] 第1部・第6章 円運動と単振動
3 単振動(1)
・単振動について,周期・振動数などを求めることができる。
・単振動について,どのような運動か理解し,速度・加速度・力の関係を説明できる。
14週 [総合物理1] 第1部・第6章 円運動と単振動
3 単振動(2)
・単振動を運動方程式を用いて扱うことができる。
・ばね振り子・単振り子を力学的エネルギー保存の法則を用いて扱うことができる。
15週 [総合物理1] 第1部・第7章 万有引力
1 万有引力
・万有引力について説明できる。
・物体間にはたらく万有引力を求めることができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 試験答案返却
[総合物理1] 第3部・第1章 波の性質
1 波の伝わり方(1)
・波動とはどのようなものか,定性的に説明できる。
・横波と縦波,連続波とパルス波など,波の種類とその違いについて,定性的に説明できる。
2週 [総合物理1] 第3部・第1章 波の性質
1 波の伝わり方(2)
・波を表す量が波のどの部分を指すのか説明できる。
・波をグラフに表し,グラフから波を表す量を読み取ることができる。
・波の速さ・波長・振動数・周期の間の関係を,文字式を用いて定量的に扱うことができる。
3週 [総合物理1] 第3部・第1章 波の性質
1 波の性質(1)
・波の重ね合わせの原理や波の独立性を説明できる。
・ひもに生じる定常波について,特徴を理解している。
・波の干渉を定性的に説明することができ,強め合い弱め合いの条件を,式を用いて定量的に扱うことができる。
4週 [総合物理1] 第3部・第1章 波の性質
1 波の性質(2)
・波の回折,反射,屈折をホイヘンスの原理から説明できる。
・反射の法則,屈折の法則を説明することができる。
5週 [総合物理1] 第3部・第2章 音
1 音の性質
・音波の基本的な性質や特徴を説明することができる。
6週 [総合物理1] 第3部・第2章 音
2 音源の振動
・弦を伝わる波について理解し,弦の長さと弦を伝わる波の速さから固有振動数を求めることができる。
・気柱の振動について理解し,気柱の長さと音速から,開管と閉管の固有振動数を求めることができる。
7週 [総合物理1] 第3部・第2章 音
3 ドップラー効果
次週,後期中間試験を実施する
・ドップラー効果を説明でき,振動数変化を計算できる。
8週 試験答案返却
[総合物理1] 第3部・第3章 光の性質(1)
・自然光と偏光の違いについて説明できる。
4thQ
9週 [総合物理1] 第3部・第3章
光の性質(2)
・光の反射角、屈折角に関する計算ができる。
10週 [総合物理1] 第3部・第3章
光の性質(3)
・波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることが説明できる。
11週 [総合物理2] 第1部 電気と磁気
第1章 電場
1 静電気力
・静電気に関する現象で,電荷の役割を説明できる。
・電荷間に働く力を,クーロンの法則を用い計算できる。
12週 [総合物理2]
第1章 電場
2 電場
・電界の中を電荷が移動するとき,位置エネルギーが変化することを説明できる。
・電界,電位差,電位を理解し,その関係を説明できる。
13週 [総合物理2]
第1章 電場
3 電位
・電界の中を電荷が移動するとき,位置エネルギーが変化することを説明できる。
・電界,電位差,電位を理解し,その関係を説明できる。
14週 [総合物理2]
第1章 電場
4 物質と電場
5 コンデンサー
・電場が導体や不導体に及ぼす影響を理解し,物質が示す振る舞いを電子の移動と関係付けて定性的に説明することができる。
・コンデンサーが電荷を蓄える仕組みを説明できる。
15週 [総合物理2]
第1章 電場
5 コンデンサー
・電気容量や合成容量,静電エネルギーを計算できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3
平均の速度、平均の加速度に関する計算ができる。3
直線及び平面運動において、速度をベクトルとして捉え、速度の合成・分解及び相対速度に関する計算ができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の変位、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体に作用する力を図示できる。3
力の合成と分解ができる。3
質点にはたらく力のつりあいに関する計算ができる。3
重力、弾性力、抗力、張力の概念を理解し、それぞれの力に関する計算ができる。3
物体の質量と速度を用いて、運動量を求めることができる。3前6
物体の運動量変化が力積に等しいことを用いて、力積の大きさ、速度変化及び加わる平均の力などを求めることができる。3前5,前6
運動量保存の法則について説明でき、その法則や反発係数を用いて、物体の衝突、分裂及び合体に関して、速度変化などを求めることができる。3前7,前9
等速円運動をする物体の速度、角速度、周期、加速度、向心力に関する計算ができる。3前13
単振動における変位、速度、加速度、復元力の関係を説明できる。3前14
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前10,前11,前12
力のモーメントに関する計算ができる。3前3,前4
剛体のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
波の振幅、波長、周期、振動数、速さに関する計算ができる。3
横波と縦波の伝わり方について説明できる。3
時刻と位置に対応した媒質の変位を正弦波の式で表現できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
二つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について説明できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動の様子など)について説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則及び回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さを用いて、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速を用いて、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
うなり及び共振、共鳴現象について具体例を挙げて説明できる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を用いて、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
電場、電位について説明でき、点電荷や単純な形状の帯電体の周りに作られる電場や電位に関する計算ができる。3
コンデンサの性質を理解し、電気容量などを求めることができる。3

評価割合

試験小テスト課題取り組み態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力70030000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000