1. 熱に関する様々な現象を、物理法則と関連づけて考えることができる。
2. 熱力学の法則を理解し、熱力学的現象を説明することができる。
3. 質点の運動を、微分積分を含む数式を活用して説明することができる。
4. 剛体の運動を、微分積分を含む数式を活用して説明することができる。
概要:
はじめに2年生の物理でやり残した電磁気学の電流について学んだあと,熱力学,力学を学ぶ。熱力学では、まず熱の概念について学んだあと、熱力学の法則を学び、種々の問題に適用する。力学では、まず微分積分を用いた質点の力学を学んだあと、剛体の力学を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容に沿った座学の授業を中心とするが,物理現象のイメージや実感を持ってもらうために,演示実験を行うこともある。また,課題のプリントを配布して問題演習を行ってもらうことがある。
注意点:
はじめて知る物理量や物理法則が次々に登場するので,一つ一つを確実に理解し,それを用いて現象を説明できるようにすること。問題を解く練習・努力を怠らないこと。式に数値を当てはめて答えを得るだけで満足せず,物理現象全体を理解し,それを数式を用いて説明できること, 他の問題に応用できることが重要である。
1、2学年で学んだ物理をより体系的に理解するため、ベクトルの概念や微分積分を含む数式を使う。これらの数学の学力が十分でない場合、復習しておくことが必要である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス [総合物理2] 第1部 電気と磁気 第1章 電場 1 静電気力 2 電場(1)
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・静電気に関する現象で,電荷の役割を説明できる。 ・電荷間に働く力を,クーロンの法則を用いて計算できる。 ・電荷間に働く力を,電界の中にある電荷が電界から受ける力として理解できる。
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2週 |
第1章 電場 2 電場(2) 3 電位(1) |
・電荷に働く力を,電荷の大きさと電界の大きさを用いて計算できる。 ・電界の中を電荷が移動するとき,位置エネルギーが変化することを説明できる。 ・電荷が持つ位置エネルギーを、電荷の大きさと電位を用いて理解することができる。
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3週 |
[総合物理2] 第1章 電場 3 電位(2) |
・電荷が持つ位置エネルギーを、電荷の大きさと電位を用いて計算することができる。 ・電界,電位差,電位を理解し,その関係を説明できる。
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4週 |
[総合物理2] 第1章 電場 4 物質と電場 5 コンデンサー |
・電場が導体や不導体に及ぼす影響を理解し,物質が示す振る舞いを電子の移動と関係付けて定性的に説明することができる。 ・コンデンサーが電荷を蓄える仕組みを説明できる。
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5週 |
[総合物理2] 第2章 電流(1) |
・オームの法則を用いて電圧・電流・抵抗に関する計算ができる。 ・ジュール熱や電力の計算ができる。
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6週 |
第2章 電流(2) |
・オームの法則をもとに,抵抗を直列接続・並列接続したときの合成抵抗を計算できる。 ・物質に固有な物理量である抵抗率について説明できる。
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7週 |
第2章 電流(3) 次週、中間試験を実施する。 |
・回路中の電流を,キルヒホッフの法則を用いて計算できる。
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8週 |
試験答案返却 [物理学基礎] 第14章 熱(1) |
・時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 ・原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について理解している。
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2ndQ |
9週 |
第14章 熱(2) |
・物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 ・熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。
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10週 |
第14章 熱(3) |
・ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
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11週 |
第14章 熱(4) |
・気体の内部エネルギーについて説明できる。 ・気体分子の運動と圧力の関係を説明できる。
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12週 |
第15章 熱力学(1)
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・気体が状態変化する過程において、気体が外部にした仕事を求めることができる。
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13週 |
第15章 熱力学(2) |
・熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。
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14週 |
第15章 熱力学(3) |
・熱機関の熱効率に関する計算ができる。
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15週 |
第15章 熱力学(4) |
・不可逆変化について具体例を挙げることができる。 ・動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを理解している。 ・エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。
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16週 |
前期末試験
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学んだ内容の理解度を確認できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
第1章 運動 |
・速度と加速度の概念を説明できる。 ・平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 ・平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 ・物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。
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2週 |
第2章 運動の法則(1) |
・等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 ・慣性の法則について説明できる。 ・運動の法則について説明できる。 ・作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。
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3週 |
第2章 運動の法則(2)
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・運動方程式を用いた計算ができる。
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4週 |
第3章 力と運動(1) |
・速度や加速度を微分を用いて扱うことができる。
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5週 |
第3章 力と運動(2) |
・運動方程式を微分方程式の形で扱うことができる。
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6週 |
第3章 力と運動(3) |
・静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 ・最大摩擦力に関する計算ができる。 ・動摩擦力に関する計算ができる。
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7週 |
第4章 振動(1) 次週、中間試験を実施する。 |
・周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。
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8週 |
試験返却 第4章 振動(2) |
・単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。
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4thQ |
9週 |
第4章 振動(3)
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・ばねにつながれた物体や、振り子の運動の運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
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10週 |
第5章 仕事とエネルギー(1) |
・仕事と仕事率に関する計算ができる。 ・物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 ・重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 ・弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 ・重力による位置エネルギーに関する計算ができる。
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11週 |
第5章 仕事とエネルギー(2) |
・保存力がする仕事とポテンシャルエネルギーとの関係について理解し、説明できる。
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12週 |
第5章 仕事とエネルギー(3) |
・力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。
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13週 |
第6章 質点の回転運動 |
・力のモーメントを求めることができる。 ・角運動量を求めることができる。 ・角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。
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14週 |
第7章 質点系の力学 |
・重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。 ・剛体における力のつり合いに関する計算ができる。
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15週 |
第8章 剛体の力学
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・一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 ・剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
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16週 |
学年末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 前12 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前12 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 前12 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | |
角運動量を求めることができる。 | 3 | |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | |
重心に関する計算ができる。 | 3 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前5,前7 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前5 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前5 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前5 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 前11 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 前7 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前8,前9 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前11 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 前11 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前10 |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | |
電場・電位について説明できる。 | 3 | |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | 前3 |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | 前3 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | 前3 |