基礎電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 基礎電気回路Ⅱ
科目番号 058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 堀浩雄:「例題で学ぶやさしい電気回路[交流編]」(新装版),森北出版,2004
担当教員 井口 傑

到達目標

1. キルヒホッフの法則,網目電流法,節点電位法等,重ねの理,テブナンの定理を説明し,電気回路の計算に用いることができる。
2. 相互誘導回路,直列・並列共振回路の計算ができる。
3. 交流電力と力率を説明し,計算することができる。
4. 三相交流における電圧・電流(相電圧,線間電圧,線電流)を説明でき,対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1キルヒホッフの法則,網目電流法,節点電位法等,重ねの理,テブナンの定理を説明でき,応用レベルの問題を解くことができる。キルヒホッフの法則,網目電流法,節点電位法等,重ねの理,テブナンの定理を説明でき,公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。キルヒホッフの法則,網目電流法,節点電位法等,重ねの理,テブナンの定理を説明でき,公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができない。
評価項目2相互誘導回路,直列・並列共振を説明でき,応用レベルの問題を解くことができる。相互誘導回路,直列・並列共振を説明でき,公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。相互誘導回路,直列・並列共振を説明でき,公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができない。
評価項目3交流電力と力率を説明でき,応用レベルの問題を解くことができる。交流電力と力率を説明でき,公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。交流電力と力率を説明でき,公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

  電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
交流回路に対して,1)キルヒホッフの法則,2)網目法,3)節点法,4)重ねの理,5)テブナンの定理を用いた電流,電圧の計算方法を学ぶ。
 直列共振回路と並列共振回路の共振条件・周波数等を計算方法を学ぶ。
 磁気的に結合している回路の電圧,電流の関係を学ぶ。
 電力エネルギーである交流電力の概念と計算する方法を学ぶ。
 三相交流について学び,電源と負荷との接続方法(Δ,Y 結線)の違いによる電圧,電流,電力を計算する方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
〇授業において,演習課題のプリントを配布する。期限内に必ず提出すること。提出した演習課題等の採点結果は評定の40 点分として評価する。
〇基礎電気回路I と数学で修得した知識が必要であるため,十分に復習しておくことが必要である。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの第1 法則,第2 法則を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
2週 網目法 網目法を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
3週 網目法(2) 網目法を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
4週 網目法(3) 網目法を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
5週 接続点法 接続点を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
6週 接続点法(2) 接続点を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
7週 接続点法(3) 接続点を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 重ねの理 重ねの理を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
10週 重ねの理(2) 重ねの理を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
11週 テブナンの定理 テブナンの理を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
12週 テブナンの定理(2) テブナンの理を用いて,回路の電圧・電流を計算できる。
13週 結合回路 相互インダクタンスで結合された回路に対して,適切なT型等価回路を使うことができる。
14週 結合回路(2) 相互インダクタンスで結合された回路に対して,理想変成器を用いて電圧・電流を計算できる。
15週 結合回路(3) 相互インダクタンスで結合された回路に対して,理想変成器を用いて電圧・電流を計算できる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 共振回路 直列・並列共振回路において,共振条件,周波数,電圧/電流を計算できる。
2週 共振回路(2) 直列・並列共振回路において,共振条件,周波数,電圧/電流を計算できる。
3週 共振回路(3) 直列・並列共振回路において,共振条件,周波数,電圧/電流を計算できる。
4週 交流電力 交流電力と力率,皮相電力,有効電力,無効電力を計算できる。
5週 交流電力(2) 交流電力と力率,皮相電力,有効電力,無効電力を計算できる。
6週 交流電力(3) 交流電力と力率,皮相電力,有効電力,無効電力を計算できる。
7週 交流電力(4) 複素電力から力率,皮相電力,有効電力,無効電力を計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 三相交流 三相回路の利点を答えることができる。
三相回路の電圧、電流を適切に答えることができる。
10週 三相交流(2) 三相回路のY結線の線間電圧と相電圧を求めることができる。
11週 三相交流(3) 三相回路のΔ結線の相電流と線電流を求めることができる。
12週 三相交流(4) 三相交流の三相電力(皮相,有効,無効)を計算できる。
13週 三相交流(5) 三相交流の三相電力(皮相,有効,無効)を計算できる。
14週 三相交流(6) 対称平衡三相交流の電圧・電流(相電圧,線間電圧,線電流),電力を計算できる。
15週 三相交流(7) 対称平衡三相交流の電圧・電流(相電圧,線間電圧,線電流),電力を計算できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前1
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3前1
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前1
簡単な連立方程式を解くことができる。3前1
恒等式と方程式の違いを区別できる。3前1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3前1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前2
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3前2
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前12
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前12
合成関数の導関数を求めることができる。3前12
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前12
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3後8
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前1,後8
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前1
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前1
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3後8
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3前2,前5,前8,前10
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3前2,前5,前8,前10
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前1
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前8,前9
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4後1,後2,後3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3前12,前13
理想変成器を説明できる。3前14,前15
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後4,後5,後6,後7
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3前8
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3前2
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3前5
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3前10

評価割合

試験その他合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050
分野横断的能力000