エレクトロニクス概論

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 エレクトロニクス概論
科目番号 069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 講義用プリントおよび演習用プリント配布
担当教員 吉本 健一

到達目標

1.電子や原子等の基本的性質や物性を理解できる。
2.金属や半導体の電気的特性に関する基本的な式を導き出せ,それらの計算ができる。
3.半導体の基本的性質や型を学び,pn接合の特性やダイオードの動作原理等を説明できる。                                                                                    

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子や原子等の基本的性質や物性を理解し,諸現象を説明できる。電子や原子等の基本的性質や物性を理解ができる。電子や原子等の基本的性質や物性を理解ができない。
評価項目2金属や半導体の電気的特性を説明でき,移動度や導電率の式を導き出せ,それらの計算ができる。金属や半導体の電気的特性を説明でき,移動度や導電率の計算ができる。金属や半導体の電気的特性を説明できず,移動度や導電率の計算ができない。
評価項目3半導体の基本的性質や型を学び,pn接合の特性やダイオードの動作原理等pn接合の動作原理等をエネルギーバンド図を用いて説明できる。半導体の基本的性質や型を学び,pn接合の特性やダイオードの動作原理等pn接合の動作原理等を説明できる。半導体の基本的性質や型を学び,pn接合の特性やダイオードの動作原理等pn接合の動作原理等を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

  電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半は電子に関する基本事項や物性を理解するとともに,電子の運動に関する基本的な計算ができることを目標とする。
後半は固体(金属・半導体)内の電子のエネルギーと動作を理解するために帯理論の考え方を学ぶとともに,半導体の基本的性質や型を学んで,pn接合の特性やダイオードの動作原理等を説明できることを目標とする。
授業の進め方・方法:
最初に電子の発見から,原子の構造,電子放出,真空中の電界及び磁界内における電子の運動等を学ぶ。
その後,電子のエネルギー準位の帯構造および電気伝導等に関する基礎を身につけ,pn接合の特性やダイオードの動作原理を学び,理解を深める。
注意点:
電子に関して基礎から応用という流れで学んで行くので,前後のつながりを考えながら学ぶこと。また,暗記するだけでなく,理解力を深めるために,講義だけでなく随所に演習を入れて行く。基本的な問題であるので,自力で解くように努力すること。これらの演習課題等は評価につながるものであるため,提出期限を守り,必ず提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電子とその性質① 2年生で学ぶ電子工学の概要説明。電子の発見,陰極線について学ぶ。
2週 電子とその性質② 電子の電荷と質量の測定法について説明できる。
3週 原子内の電子の状態と電子殻(原子の構造) ボーアの原子模型と理論を学び,原子半径等の簡単な計算できる。
4週 電子放出と光の粒子性 光電子放出や光量子説について学び,仕事関数を用いて光のエネルギー等を計算できる。
5週 電子の粒子性と波動性 粒子と波動の二重性について学び,物質波を理解できる。
6週 真空中の電子の運動① 電界より電子にかかる力やそれによって生じる速度等を計算できる。
7週 真空中の電子の運動②
磁界により電子にかかる力(ローレンツ力)やそれによって生じる速度等を計算できる。
8週 中間試験 学んだ知識の再確認と修正ができる。
4thQ
9週 固体中の電子のエネルギー帯構造と電子の運動① 帯理論とは何かを学び,エネルギー帯を理解する。 
10週 固体中の電子のエネルギー帯構造と電子の運動② 導体,半導体および絶縁帯のエネルギー帯構造等を説明できる。 
11週 固体中の電子のエネルギー帯構造と電子の運動③ 金属の電気伝導を学び,金属内の電流および電子運動等の現象を学び,移動度や導電率等を計算できる。
12週 半導体の基礎① 半導体とは何かを学び,真性半導体,p形・n形半導体を理解する。
13週 半導体の基礎② 半導体の電気伝導を学び,半導体内の電流および導電率等を計算できる。 
14週 半導体のPN接合の帯構造とダイオード① pn接合とは何か。接合部における空乏層やキャリヤの動きを説明できる。
15週 半導体のPN接合の帯構造とダイオード② pn接合をエネルギー準位図で図示でき,順方向・逆方向バイアスによる効果および降伏現象について説明できる。
16週 期末試験 学んだ知識の再確認と修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。2
原子の構造を説明できる。2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。2後1
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2後2,後15
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2後3,後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(演習・レポート)合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000