コンピュータ工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 コンピュータ工学Ⅰ
科目番号 075 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 情報の表現とコンピュータの仕組み(青木征男、ムイスリ出版)/計算機システム(改訂版)(春日健/舘泉雄治、コロナ社)、プリント
担当教員 嶋田 鉄兵

到達目標

1. 2 進数、10 進数、16 進数などの数の体系を説明でき、基数変換や補数表現、固定小数点表示・浮動小数点表示ができる。
2. 論理式を用いた表現や論理演算を行うことができ、簡単化などの技法を用いながら論路回路を作成できる。
3. 組み合わせ回路のしくみや動作を説明できる。
4.コンピュータを構成する装置のしくみや役割について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基数変換の知識を用いて固定小数点表示や浮動小数点表示へ変換できる。また、補数表現を用いた計算ができる。2 進数、10 進数、16 進数などの基数変換や、補数表現を用いた計算ができる。基数変換や補数表現ができない。
評価項目2真理値表・論理式・論理回路図の相互の導出ができる。また、カルノー図や論理式の変形による簡単化を行うことができる。真理値表から論理式を導き出し、論理回路図を作成できる。また、カルノー図による簡単化を行うことができる。真理値表から論理式を導き出せず、論理式から論理回路図を作成できない。また、論理式の簡単化を行うことができない。
評価項目3加算器などの基本的な組み合わせ回路を、簡単化などの技法を用いて設計できる。また、回路の機能について説明できる。加算器などの基本的な組み合わせ回路を手順に沿って設計できる。組み合わせ回路を手順に沿って設計できない。
評価項目4コンピュータを構成する装置のしくみや役割について、具体的な例を挙げながら説明できる。コンピュータを構成する装置の基本的なしくみや役割について説明できる。コンピュータを構成する装置のしくみや役割について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

  電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 現在広く使用されているコンピュ-タには、さまざまな装置や技術が使われている。例えば、パソコンはキーボードやディスプレイなどの周辺装置のほか、本体内部のハードディスクやCPU、メモリなどの各種装置によってできている。これらの装置の動作には0、1の2進数によるデジタル信号が使われており、コンピュータを動かすためのプログラムやデータはすべて2進数で扱われている。一方、人間がプログラムでコンピュータに命令を与える場合は、2進数ではなく10進数や16進数といった数値を用いることが多い。よって、コンピュータの動作を理解するためには、その基本構成や回路構成、データの扱い方について学ぶ必要がある。
 この授業では、コンピュータを構成する装置や、2進数や10進数、16進数の基数表現や数値の記憶方法、あるいはコンピュータのハードウェアを構成する論理回路について学び、コンピュータの構成やデータ表現について理解することを目的とする。なお、この授業で学んだ知識をもって、3年のコンピュータ工学Ⅱでより高度な内容を学べるようにする。
授業の進め方・方法:
前半の授業では、コンピュ-タの原理や構成、データの表現方法、論理回路の基礎について学ぶ。
後半の授業では、コンピュータのハードウェアを構成する論理回路の基本的な設計方法や動作、および記憶装置やプロセッサの役割としくみについて学ぶ。
また、各授業において演習の時間を設け、学習内容の理解度の確認を行う。
注意点:
授業ではコンピュータに関する基礎的な原理・手法を広く扱うため、それらの理解に努める姿勢が求められる。
また、学習内容の理解を深めるために、演習・課題等に積極的に取り組むことが求められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 コンピュータのしくみ / 入出力装置 五大装置のそれぞれの役割と、装置間のデータ・制御の流れを説明できる。また、入出力装置のしくみや役割について説明できる。
2週 基数変換 整数と小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。また、基数が異なる数の間で相互に変換できる。
3週 負数と2の補数表現 負数をコンピュータのメモリ上でデジタル表現する方法を説明できる。
4週 固定小数点数 整数をコンピュータのメモリ上でデジタル表現する方法を説明できる。
5週 浮動小数点数 実数をコンピュータのメモリ上でデジタル表現する方法を説明できる。
6週 論理回路の基礎(1) 基本的な論理演算を行うことができる。また、論理ゲート記号を用いて論理回路図を作成できる。
7週 論理回路の基礎(2) ブール代数の基本定理について説明できる。また、真理値表から論理式(主加法標準形・主乗法標準形)を導き出せる。
8週 中間試験 学んだ知識の確認ができる。
4thQ
9週 論理回路の基礎(3) 真理値表・論理式・回路図を相互に導き出せる。また、完全系について説明できる。
10週 論理式の簡単化(1) カルノー図を用いて論理式の簡単化ができる。
11週 論理式の簡単化(2) カルノー図を用いて論理式の簡単化ができる。
12週 組み合わせ回路(1) 半加算器・全加算器・補数器などの基本的な組み合わせ回路を設計し、動作を説明できる。
13週 組み合わせ回路(2) 半加算器・全加算器・補数器などの基本的な組み合わせ回路を設計し、動作を説明できる。
14週 記憶装置 / CPU 主記憶装置と補助記憶装置、およびメモリの階層構成について説明できる。また、CPUの動作と技術について説明できる。
15週 まとめ 論理回路について学んだ内容の確認ができる。
16週 期末試験 学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3後3,後4,後5
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3後2
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3後2,後4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3後2,後5
基本的な論理演算を行うことができる。3後6,後7,後9,後10
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3後6,後7,後9,後10
論理式の簡単化の概念を説明できる。2後10,後11
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3後10,後11
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3後6,後7,後9,後12,後13
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。2後12,後13
組合せ論理回路を設計することができる。2後12,後13
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3後1
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2後14
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2後14
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2後1
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。2後7
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。2後7
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。2後7
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。2後7
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。2後3,後4,後5

評価割合

試験演習・課題・小テスト等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力402060
専門的能力301040