1. 2 進数、10 進数、16 進数などの数の体系を説明でき、基数変換や補数表現、固定小数点表示・浮動小数点表示ができる。
2. 論理式を用いた表現や論理演算を行うことができ、論理回路を作成できる。
3. 簡単化などの技法を用いながら論路回路を作成できる。
4. 組み合わせ回路を手順に沿って設計できる。
5.コンピュータを構成する装置のしくみや役割について説明できる。
概要:
現在広く使用されているコンピュ-タには、さまざまな装置や技術が使われている。例えば、パソコンはキーボードやディスプレイなどの周辺装置のほか、本体内部のハードディスクやCPU、メモリなどの各種装置によってできている。これらの装置の動作には0、1の2進数によるデジタル信号が使われており、コンピュータを動かすためのプログラムやデータはすべて2進数で扱われている。一方、人間がプログラムでコンピュータに命令を与える場合は、2進数ではなく10進数や16進数といった数値を用いることが多い。よって、コンピュータの動作を理解するためには、その基本構成や回路構成、データの扱い方について学ぶ必要がある。
この授業では、コンピュータを構成する装置や、2進数や10進数、16進数の基数表現や数値の記憶方法、あるいはコンピュータのハードウェアを構成する論理回路について学び、コンピュータの構成やデータ表現について理解することを目的とする。なお、この授業で学んだ知識をもって、3年のコンピュータ工学Ⅱでより高度な内容を学べるようにする。
授業の進め方・方法:
前半の授業では、コンピュ-タの原理や構成、データの表現方法、論理回路の基礎について学ぶ。
後半の授業では、コンピュータのハードウェアを構成する論理回路の基本的な設計方法や動作、および記憶装置やプロセッサの役割としくみについて学ぶ。
また、各授業において演習の時間を設け、学習内容の理解度の確認を行う。
注意点:
授業ではコンピュータに関する基礎的な原理・手法を広く扱うため、それらの理解に努める姿勢が求められる。
また、学習内容の理解を深めるために、演習・課題等に積極的に取り組むことが求められる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
コンピュータのしくみ / 入出力装置 |
五大装置のそれぞれの役割と、装置間のデータ・制御の流れを説明できる。また、入出力装置のしくみや役割について説明できる。
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2週 |
基数変換 |
整数と小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。また、基数が異なる数の間で相互に変換できる。
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3週 |
負数と2の補数表現 |
負数をコンピュータのメモリ上でデジタル表現する方法を説明できる。
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4週 |
固定小数点数 |
整数をコンピュータのメモリ上でデジタル表現する方法を説明できる。
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5週 |
浮動小数点数 |
実数をコンピュータのメモリ上でデジタル表現する方法を説明できる。
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6週 |
論理回路の基礎(1) |
基本的な論理演算を行うことができ、論理ゲート記号を用いて論理回路図を作成できる。また、ブール代数の基本定理について説明できる。
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7週 |
論理回路の基礎(2) |
真理値表・論理式・回路図を相互に導き出せる。また、完全系について説明できる。
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8週 |
中間試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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4thQ |
9週 |
論理回路の基礎(3) |
真理値表から論理式(主加法標準形・主乗法標準形)を導き出せる。
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10週 |
論理式の簡単化(1) |
カルノー図を用いて論理式の簡単化ができる。
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11週 |
論理式の簡単化(2) |
カルノー図を用いて論理式の簡単化ができる。
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12週 |
論理式の簡単化(3) |
カルノー図を用いて論理式の簡単化ができる。
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13週 |
組み合わせ回路(1) |
基本的な組み合わせ回路を設計し、動作を説明できる。
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14週 |
組み合わせ回路(2) |
基本的な組み合わせ回路を設計し、動作を説明できる。
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15週 |
記憶装置 / CPU |
主記憶装置と補助記憶装置、およびメモリの階層構成について説明できる。また、CPUの動作と技術について説明できる。
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16週 |
期末試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | 後2,後4 |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | 後2,後5 |
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | 後2 |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | 後6,後7,後9 |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | 後6,後7,後9 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 2 | 後10,後11,後12 |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 3 | 後10,後11,後12 |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | 後6,後7,後9,後13,後14 |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 2 | 後13,後14 |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 2 | 後13,後14 |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 3 | 後1 |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 2 | 後15 |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 2 | 後15 |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 2 | 後1 |
情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 2 | 後6 |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 2 | 後6,後7 |
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 2 | 後6,後7 |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 2 | 後6 |
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 2 | 後3,後4,後5 |