コンピュータ工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 コンピュータ工学Ⅱ
科目番号 076 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 参考書:「図解 論理回路入門」 堀 桂太郎 著 森北出版、「図解 コンピュータアーキテクチャ入門 第3版」 堀 桂太郎 著 森北出版、「ディジタル画像処理 改訂第2版」 ディジタル画像処理編集委員会 著 画像情報教育振興会 など
担当教員 蛭田 雄也

到達目標

1.論理回路の役割を説明し,論理式を簡単化できる。
2.組み合わせ回路や順序回路を設計できる。
3.計算機の構成要素を説明できる。
4.情報処理技術の応用例をプログラムで作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理回路の役割を説明できる。また,与えられた条件から適切な方法を選択し,論理式を簡単化できる。論理回路の役割を説明できる。また,カルノー図やQM法を用いて論理式を簡単化できる。論理回路の役割を説明できない。また,論理式を簡単化できない。
評価項目2初見の条件に基づき,組み合わせ回路や順序回路を設計できる。学習済みの組み合わせ回路や順序回路を設計できる。組み合わせ回路や順序回路を設計できない。
評価項目3計算機の構成要素を説明できる。計算機の構成要素を部分的に説明できる。計算機の構成要素を説明できない。
評価項目4情報処理技術の応用例をプログラムで作成できる。簡単な情報処理技術をプログラムで作成できる。簡単な情報処理技術をプログラムで作成できない。

学科の到達目標項目との関係

  電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
計算機の構成要素と論理回路を理解するとともに,応用方法について学ぶ。また,計算機を中心とした情報処理技術が社会において応用されている例を解説し、その簡単な例をコンピュータプログラミングにより再現する。
授業の進め方・方法:
授業の前半は知識や技術の解説に用いる。また,授業の後半は,前半で説明した知識・技術の理解度を確かめるために,演習を実施する。
後期後半の授業では、コンピュータビジョン分野に関するプログラムを主に学ぶ。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
コンピュータ上での数値表現
本科目の教育目標と概要などを説明できる。
2進数,10進数,16進数の構成を説明できる。各基数を相互に変換できる。
各基数の小数部表記を用いて数値を表現できる。
補数を説明できる。補数を用いて負の数を表現できる。
2週 論理回路の基礎と論理式の導出 各種論理演算について説明できる。
真理値表やベン図を用いて論理回路を表現できる。
ブール代数と論理演算の関係を説明することができる。諸定理を用いて論理関数を簡単化できる。
真理値表から加法標準形と乗法標準形の論理式を導出できる。
3週 論理回路の設計 カルノー図を用いて論理式を簡単化できる。
クワイン・マクラスキー法を用いて論理式を簡単化できる。
4週 ディジタルIC ディジタルICの構成や特徴について説明できる。
5週 組み合わせ回路(1) 組み合わせ回路の概要を説明できる。
演算回路について説明できる。
演算回路を設計できる。
6週 組み合わせ回路(2) データ変換回路について説明できる。
データ変換回路を設計できる。
7週 組み合わせ回路(3) データ選択回路について説明できる。
データ選択回路を設計できる。
8週 中間試験 学んだ知識を確認できる。
2ndQ
9週 オートマトン オートマトンの概念を説明できる。
状態遷移図や状態遷移表を用いて順序回路を表現できる。
10週 フリップフロップ(1) フリップフロップの概念を説明できる。
RS、JKフリップフロップについて説明できる。
RS、JKフリップフロップを設計できる。
11週 フリップフロップ(2) T、Dフリップフロップについて説明できる。
T、Dフリップフロップを設計できる。
12週 非同期式カウンタ カウンタの概念を説明できる。
非同期式カウンタについて説明できる。
非同期式カウンタを設計できる。
13週 同期式カウンタ(1) 同期式カウンタについて説明できる。
同期式カウンタを設計できる。
14週 同期式カウンタ(2) シフトレジスタについて説明できる。
シフトレジスタを設計できる。
15週 まとめ(1) 学習してきた内容を系統的にまとめることができる。
16週 期末試験 学んだ知識を確認できる。
後期
3rdQ
1週 コンピュータアーキテクチャ コンピュータアーキテクチャについて説明できる。
ノイマン型コンピュータの基本構造と基本動作について説明できる。
2週 命令アーキテクチャ 命令形式について説明できる。
アドレッシング方式について説明できる。
3週 ハーバードアーキテクチャ ハーバードアーキテクチャについて説明できる。
RISCとCISCについて説明できる。
4週 制御アーキテクチャ コンピュータの制御方式について説明できる。
5週 メモリアーキテクチャ キャッシュメモリについて説明できる。
仮想メモリについて説明できる。
6週 キャッシュメモリと仮想メモリ メモリ装置の基礎について説明できる。
ICメモリについて説明できる。
補助記憶装置について説明できる。
7週 入出力アーキテクチャ 入出力装置の制御方式について説明できる。
入出力装置について説明できる。
8週 中間試験 学んだ知識を確認できる。
4thQ
9週 ディジタル画像の基礎
Pythonによるディジタル画像操作
ディジタル画像の構造が説明できる。
ディジタル画像をPythonを用いて操作ができる。
10週 画像の統計量 画像の統計量を取得することができる。
11週 幾何学的変換(1) 画像の線形変換ができる。
12週 幾何学的変換(2) 画像の射影変換ができる。
13週 再標本化と補間 画像の再標本化ができる。
14週 平滑化処理 画像に滑らかな濃淡変化を与える処理ができる。
15週 エッジ抽出 画像中から明るさが急に変化するエッジ部分が取り出せる。
16週 まとめ(3) 学習してきた内容を系統的にまとめることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3前1
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3前1
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3前1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3前1
基本的な論理演算を行うことができる。3前2
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3前2
論理式の簡単化の概念を説明できる。3前2
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3前2,前3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3前2,前4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3前5,前6,前7
組合せ論理回路を設計することができる。3前5,前6,前7
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3前9,前10,前11
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3前12,前13,前14
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3前10,前11,前12,前13,前14
順序回路を設計することができる。3前10,前11,前12,前13,前14
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3後1,後3
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後2,後4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後5,後6
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後7

評価割合

試験演習合計
総合評価割合6040100
基礎的能力101020
専門的能力502070
分野横断的能力01010