電気情報工学基礎実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気情報工学基礎実験Ⅰ
科目番号 084 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:4
教科書/教材 特になし
担当教員 井口 傑,大島 功三,宜保 達哉,笹岡 久行,嶋田 鉄兵,篁 耕司,畑口 雅人,吉本 健一,技術職員

到達目標

1.実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を説明できる。
2.実験を通じて工学の基礎に係わる知識を説明できる。
3.実験から得られたデータについて工学的に考察でき,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を正しく説明できる。実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を説明できる。実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を説明できない。
評価項目2実験を通じて工学の基礎に係わる知識を正しく説明できる。実験を通じて工学の基礎に係わる知識を説明できる。実験を通じて工学の基礎に係わる知識を説明できない。
評価項目3実験から得られたデータについて工学的に考察でき,正しく説明できる。実験から得られたデータについて工学的に考察でき,説明できる。実験から得られたデータについて工学的に考察できず,説明できない。

学科の到達目標項目との関係

  電気情報工学科の教育目標③ 説明 閉じる
本科の教育目標② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
レポート作成技術およびデータ解析等の情報リテラシーを習得する。
授業の進め方・方法:
基礎的な電気現象を扱う実験を通して,座学の授業において習得した理論と関連づけし,体験的に学習する。実験実施の際には,クラスを小グループに分け,グループのメンバー間で協調して実験を進める。
注意点:
・電気・電子・情報の基礎的現象を,実験を通して具体的に理解すること。
・測定装置の使用法,データの処理法を習得すること。
・十分に予習に時間を割き,内容を十分に理解した上で実験に臨むこと。
・数人のグループでの実験から協力的な態度を身に付けること。
・より良いレポート(報告書)の作成方法を習得すること。
・レポートの作成は,計画的に実行し,提出期限は必ず守ること。
・「サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」により作成された教育コンテンツ(K-SEC教材)を使用する。
・「サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」により設置されたサイバーセキュリティ演習室の設備を使用する

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・安全講習 実験の進め方について理解することができる。また,実験を安全に行うための基本知識を習得できる。
2週 情報リテラシー 実験データをまとめ,考察するために必要となるツールの使い方が説明できる。
3週 レポートの書き方 1 表計算ソフトを使ってデータ整理ができる。
4週 レポートの書き方 2 ワープロソフトを用いて技術報告書を作成できる。
5週 電圧降下法による抵抗の測定法と白熱電球の電圧-電流特性実験 電圧計・電流計の内部抵抗を考慮して抵抗を測定することができる。
6週 ダイオードの電圧-電流特性と整流作用の実験 ダイオードの特性を測定でき,整流回路を作製できる。
7週 重ねの理 実験から重ねの理を理解することができる。
8週 倍率器・分流器の使い方 倍率器および分流器を用いて,電圧及び電流を測定することができる。
2ndQ
9週 実験レポートの議論 1 測定したデータを取りまとめ、考察される内容を説明することができる。
10週 論理回路の基礎実験 簡単な論理回路を作成し、論理素子の動作を理解することができる。
11週 ホイートストンブリッジの原理 ブリッジ回路の電圧・電流を測定し、ブリッジ回路の特性を理解することができる。
12週 オシロスコープを用いた交流信号の測定 1 オシロスコープを用いて交流の振幅・周波数を測定できる。
13週 オシロスコープを用いた交流信号の測定 2 オシロスコープを用いて交流の位相を測定できる。
14週 実験レポートの議論 2 測定したデータを取りまとめ、考察される内容を説明することができる。
15週 実験レポートの議論 3 測定したデータを取りまとめ、考察される内容を説明することができる。
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 後期実施する各実験テーマの目的や進め方について理解することができる。
2週 データのまとめ方 1 測定したデータのまとめ方を説明し、その考察の仕方を理解することができる。
3週 クラウドサービスを用いたネットワーク構築基礎演習 クラウドサービス上に仮想的なネットワークを構築し,そのネットワーク上に仮想マシンを起動することができる。クラウドサービスにおけるセキュリティの危険性について説明することができる。
4週 データサイエンス基礎演習 予め与えられたデータに対し,統計用ソフトウェア「R」を用いて代表的な統計量(平均,中央値,分散等)を計算することができる。また,散布図や箱ひげ図を用いてデータを可視化し,考察を行うことができる。
5週 RLC直列回路のインピーダンス測定 RLC直列回路のインピーダンスを測定することができる。
6週 キルヒホッフの法則 直流電源,テスタと抵抗を用いて回路を構成し,必要な測定を行い,キルヒホッフの法則を確かめることができる。
7週 電子工作に関する実習 電子回路を設計し、作成することができる。
8週 クラウドを利用したネットワーク演習 クラウドサービスを利用し、ユーザ登録を行うことができる。また、クラウドにて提供されている代表的なサービス内容を説明することができる。
4thQ
9週 ラズベリーパイのGPIO出力の測定 マイコン(ラズベリーパイ)を操作し,LEDの点灯や出力される様々な値を測定を行うことができる。
10週 ダイオード・LED・太陽電池・トランジスタの特性 ダイオード、LED、トランジスタの基本的な測定を通して、その特性を説明することができる。
11週 マイコンによる電子回路の制御 1 マイコンを用いた電子回路を作成することができる。
12週 マイコンによる電子回路の制御 2 マイコンを用いた電子回路を用いて、それをプログラムで制御することができる。
13週 画像処理 プログラムを用いて,デジタル画像の画素値を操作できる.
14週 コンピュータビジョン コンピュータビジョンの基礎技術を利用して,アプリケーションシステムを考案できる.
15週 データのまとめ方 2 実施した実験テーマにて測定してきたデータを取りまとめ、実際のデータから考察された内容を説明することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後3,後4,後5,後6,後9,後10
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後3,後4,後5,後6,後9,後10
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後3,後4,後5,後6,後9,後10
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後3,後4,後5,後6,後9,後10
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後3,後4,後5,後6,後9,後10
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前2
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前2
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前2
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前2
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。2
網目電流法を用いて回路の計算ができる。2
節点電位法を用いて回路の計算ができる。2
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。2
情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。3前3,前4
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3前2,前3,前4
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。2前2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。2前1
合意形成のために会話を成立させることができる。2前1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2前1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2前1
複数の情報を整理・構造化できる。2前1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2前1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2前1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2前1
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2前1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2前1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2前1

評価割合

レポート実技合計
総合評価割合7030100
基礎的能力70070
専門的能力000
分野横断的能力03030