数学ⅢA

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数学ⅢA
科目番号 012 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 システム制御情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 新版微分積分Ⅰ改訂版[実教出版],新版微分積分Ⅱ改訂版[実教出版],新版基礎数学改訂版[実教出版],新版微分積分Ⅰ 問題集改訂版[実教出版],新版微分積分Ⅱ問題集改訂版[実教出版],新版基礎数学 問題集改訂版[実教出版]
担当教員 矢不 俊文

到達目標

・定積分の応用として、面積・体積・曲線の長さを求めることができる。
・曲線の媒介変数表示と極方程式について、微分・積分ができる。
・不定形の極限を求めることができる。
・関数のべき級数展開ができる。
・広義積分を理解し、計算ができる。
・1階の微分方程式(変数分離形と線形)を解くことができる。
・偏微分法について理解し、近似式や極値を求めることができる。
・2重積分の定義を理解し,いろいろな2重積分の値を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11変数関数の定積分の計算を用いて,図形の面積や体積,曲線の長さを求めることができる。1変数関数の定積分の計算を用いて,基本的な図形の面積や体積,曲線の長さを求めることができる。1変数関数の定積分の計算を用いて,基本的な図形の面積や体積,曲線の長さを求めることができない。
評価項目21階線形微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式の解を求めることができる。変数分離形の微分方程式の解を求めることができない。
評価項目32変数関数の微分法を理解し、偏導関数を用いた計算ができる。2変数関数の微分法を理解し、偏導関数を用いた基本的な計算ができる。2変数関数の微分法を理解し、偏導関数を用いた基本的な計算ができない。
評価項目42重積分の値を様々な領域に対して計算でき,体積を求める問題などに応用できる。2重積分の値を計算できる。極座標を用いて2重積分の値を計算できる。2重積分の値を簡単な領域の場合に求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前年度のテキストを引き続き使用し、不定積分・定積分の応用として面積や体積を求める。
曲線を「媒介変数」「極座標」により表示する方法を学び、続けてさらに、関数を「べき級数」で表すことを学ぶ。
媒介変数表示および極座標で表された図形の面積や曲線の長さおよび体積を定積分によって求めることを学ぶ。
1階の微分方程式(変数分離形・線形)の解法を学ぶ。
「2変数関数」についての微分法である「偏微分法」を学び、2変数関数の極値を求める。
2重積分の定義と計算法およびその応用について学び,2重積分の計算ができる。
授業の進め方・方法:
概念の意味や具体的な例題を通して、理解をし、演習を行うことでその概念の使い方や応用のされ方等を学ぶ。
評価方法は定期試験を70%、平常点(小テスト・レポート等の課題)を30%として評価する。
注意点:
① 道具としての数学を身に付けようという積極的な学習意欲を持ち,授業に臨むこと。
② 必ずその日のうちに復習をし,演習問題の反復練習に努めること。
③ 分からない個所がある場合は,必ず自分で可能な限り考えること。それでも分からない場合は,担当教員等に尋ね,疑問を早めに解決すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
新版 微分積分Ⅰ
第3章 積分法
2節 積分法の応用
1.定積分と面積
定積分を用いて、簡単な図形の面積を求めることができる。
定積分を用いて、2曲線で囲まれた図形の面積を求めることができる。
2週 1.定積分と面積 定積分を用いて、2曲線で囲まれた図形の面積を求めることができる。
定積分を用いて、直線や曲線で囲まれた図形および軸に対称な図形の面積を求めることができる。
3週 1.定積分と面積
2.体積
定積分を用いて、直線や曲線で囲まれた図形および軸に対称な図形の面積を求めることができる。
定積分を用いて、立体の体積を求めることができる。
4週 2.体積 定積分を用いて、立体の体積を求めることができる。
回転体の体積を求めることができる。
5週 3.定積分と和の極限
新版 微分積分Ⅱ
第1章 微分法
1節 いろいろな関数表示の微分法
1.媒介変数表示の関数
区分求積法による定積分の定義を理解し、簡単な関数の定積分を計算できる。
簡単な媒介変数表示の関数のグラフをかくことができる。
6週 1.媒介変数表示の関数
2.極座標表示の関数
媒介変数表示の関数について理解し、微分を求めることができる。
極座標表示を理解し、直交座標との関係から座標を求めることができる。
7週 2.極座標表示の関数
次週、中間試験を実施する
極方程式が表す図形を図示することができる。
極座標表示の関数の微分を求めることができる。
8週 3.陰関数
2節 平均値の定理とその応用
1.連続関数の性質
陰関数表示から陰関数を求めることができる。
陰関数表示を理解し、局所的にy=f(x)の形に表されたときの導関数を求めることができる。
平均値の定理を理解し、不定形の極限値を求めることができる。
2ndQ
9週 2.平均値の定理
3.不定形の極限値
平均値の定理を理解し、不定形の極限値を求めることができる。
10週 新版 微分積分Ⅰ
第1章 数列
2節 数列の極限
3.無限等比級数
新版 微分積分Ⅱ
第1章 微分法
3節 テイラーの定理とその応用
1.関数の近似
2.テイラーの定理
無限等比級数の収束、発散を調べ、収束するものについて和を求めることができる。
簡単な関数の1次近似・2次近似によって、近似値を求めることができる。
簡単な関数のn次近似を求めることができる。
11週 2.テイラーの定理
3.テイラー展開
簡単な関数のn次近似を求めることができる。
簡単な関数のテイラー展開およびマクローリン展開を求めることができる。
12週 3.テイラー展開
第2章 積分法
1節 定積分と不定積分
3.いろいろな不定積分
簡単な関数のテイラー展開およびマクローリン展開を求めることができる。
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。
やや複雑な有理関数の不定積分を割り算や部分分数分解を利用して求めることができる。
13週 3.いろいろな不定積分 やや複雑な有理関数の不定積分を割り算や部分分数分解を利用して求めることができる。
特殊な三角関数の不定積分を求めることができる。
14週 3.いろいろな不定積分
2節 定積分の応用
1.図形の面積
特殊な無理関数の不定積分を求めることができる。
媒介変数表示の図形の面積を求めることができる。
極座標表示の図形の面積を求めることができる。
15週 1.図形の面積 極座標表示の図形の面積を求めることができる。
直交座標による曲線の長さを求めることができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 2.曲線の長さ 媒介変数表示の曲線の長さを求めることができる。
極座標表示の曲線の長さを求めることができる。
2週 4.広義積分 広義積分の定義を理解し、広義積分を求めることができる。
3週 第5章 微分方程式
1節 微分方程式と解
1.微分方程式
2.微分方程式の解
3.初期値問題と境界値問題
与えられた関数が微分方程式の解であることを確かめることができる。
初期値問題と境界値問題に取り組むことができる。
4週 2節 1階微分方程式
1.変数分離形
3.線形微分方程式
変数分離形および線形の微分方程式の一般解を求めることができる。
5週 第3章 偏微分
1節 2変数関数と偏微分
1.2変数関数とそのグラフ
2.極限値と偏導関数
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。
2変数関数の極限値を求めることができる。2変数関数の連続性を調べることができる。
6週 2.極限値と偏導関数 偏微分係数・偏導関数の定義を理解し、簡単な関数の偏微分係数・偏導関数を求めることができる。
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。
7週 2.極限値と偏導関数
3.合成関数の微分法
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。
8週 3.合成関数の微分法
4.全微分と接平面
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。
全微分の定義を理解し、近似値を求めることができる。
簡単な2変数関数のある点における接平面の方程式を求めることができる。
4thQ
9週 2節 偏微分の応用
1.極値問題
簡単な2変数関数の極値を求めることができる。
10週 1.極値問題 簡単な2変数関数の極値を求めることができる。
11週 1.極値問題 条件付き極値問題を解くことができる。
12週 新版 基礎数学
第7章 図形と方程式
3節 不等式と領域
1.不等式の表す領域
新版 微分積分Ⅱ
第4章 2重積分
1節 重積分
1 2重積分の定義
2 累次積分
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。
2重積分の定義を理解できる。
累次積分により2重積分の値を計算できる(長方形領域および一般の領域)。
13週 2 累次積分
3 累次積分と順序交換
累次積分により2重積分の値を計算できる(長方形領域および一般の領域)。
累次積分の順序を変更できる。
14週 2 累次積分
3 累次積分と順序交換
4 2重積分と変数変換
累次積分の順序を変更できる。
極座標を用いて2重積分の値を計算できる。
15週 4 2重積分と変数変換
2節 重積分の応用
1.体積
極座標を用いて2重積分の値を計算できる。
2重積分を応用して立体の体積を求めることができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3後10
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前5,前6
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前13
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前13,前14
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前1,前2,前3,前5,前14,前15
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前15,後1
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前3,前4
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後5
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後6,後7,後8
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後7,後9,後10
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後9,後10,後11
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後12,後13,後14,後15
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後14,後15
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後15
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後3,後4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後4
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前10
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前11,前12
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前12

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000