応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 システム制御情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 総合物理2(啓林館),原康夫著 「物理学基礎」(第5版) 学術図書出版社 / プリント
担当教員 阿部 修

到達目標

1. 熱に関する様々な現象を、物理法則と関連づけて考えることができる。
2. 熱力学の法則を理解し、熱力学的現象を説明することができる。
3. 質点の運動を、微分積分を含む数式を活用して説明することができる。
4. 剛体の運動を、微分積分を含む数式を活用して説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱に関する様々な現象を、直観的に物理法則と関連づけて考えることができる。熱に関する様々な現象を、物理法則と関連づけて考えることができる。熱に関する様々な現象を、物理法則と関連づけて考えることができない。
評価項目2質点の運動を文字式/微分積分を活用して直観的に理解し、説明することができる。質点の運動を文字式/微分積分を活用して理解することができる。質点の運動を文字式/微分積分を活用して理解することができない。
評価項目3剛体の運動を文字式/微分積分を活用して直観的に理解し、説明することができる。剛体の運動を文字式/微分積分を活用して理解することができる。剛体の運動を文字式/微分積分を活用して理解することができない。
評価項目4熱力学の法則を深く理解し、熱力学的現象を定量的かつ定性的に説明することができる。熱力学の法則を理解し、熱力学的現象を定性的に説明することができる。熱力学の法則が理解できず、熱力学的現象を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
はじめに2年生の物理でやり残した電磁気学の電流について学んだあと,熱力学,力学を学ぶ。熱力学では、まず熱の概念について学んだあと、熱力学の法則を学び、種々の問題に適用する。力学では、まず微分積分を用いた質点の力学を学んだあと、剛体の力学を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書の内容に沿った座学の授業を中心とするが,物理現象のイメージや実感を持ってもらうために,演示実験を行うこともある。また,課題のプリントを配布して問題演習を行ってもらうことがある。
注意点:
はじめて知る物理量や物理法則が次々に登場するので,一つ一つを確実に理解し,それを用いて現象を説明できるようにすること。問題を解く練習・努力を怠らないこと。式に数値を当てはめて答えを得るだけで満足せず,物理現象全体を理解し,それを数式を用いて説明できること, 他の問題に応用できることが重要である。
1、2学年で学んだ物理をより体系的に理解するため、ベクトルの概念や微分積分を含む数式を使う。これらの数学の学力が十分でない場合、復習しておくことが必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
[総合物理2]
第2章 電流(1)
・オームの法則を用いて電圧・電流・抵抗に関する計算ができる。
・ジュール熱や電力の計算ができる。
2週 第2章 電流(2)
・オームの法則をもとに,抵抗を直列接続・並列接続したときの合成抵抗を計算できる。
・物質に固有な物理量である抵抗率について説明できる。
3週 第2章 電流(3)

・回路中の電流を,キルヒホッフの法則を用いて計算できる。
4週 第2章 電流(4)
・コンデンサーを含む回路に流れる電流の時間変化について説明できる。
5週 [物理学基礎]
第14章 熱(1)
・時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。
・原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について理解している。
・物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。
6週 第14章 熱(2) ・ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
7週 第14章 熱(3)
次週、中間試験を実施する。
・気体の内部エネルギーについて説明できる。
・気体分子の運動と圧力の関係を説明できる。
8週 試験答案返却
第15章 熱力学(1)

・気体が状態変化する過程において、気体が外部にした仕事を求めることができる。
2ndQ
9週
第15章 熱力学(2)
・熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。
10週 第15章 熱力学(3) ・熱機関の熱効率に関する計算ができる。
11週 第15章 熱力学(4) ・不可逆変化について具体例を挙げることができる。
・動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを理解している。
・エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。
12週 第1章 運動(1) ・速度と加速度の概念を説明できる。
・平均の速度、平均の加速度を計算することができる。
・平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。
・物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。
13週 第1章 運動(2) ・等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。
14週 第2章 運動の法則(1) ・慣性の法則について説明できる。
・運動の法則について説明できる。
・作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。
15週 第2章 運動の法則(2)
・運動方程式を用いた計算ができる。
16週 前期末試験 学んだ内容の理解度を確認できる。
後期
3rdQ
1週 試験返却
第3章 力と運動(1)
・速度や加速度を微分を用いて扱うことができる。
2週 第3章 力と運動(2) ・運動方程式を微分方程式の形で扱うことができる。
3週 第3章 力と運動(3) ・静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。
・最大摩擦力に関する計算ができる。
・動摩擦力に関する計算ができる。
4週 第4章 振動(1) ・簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
5週 第4章 振動(2) ・周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。
・単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。
6週 第4章 振動(3) ・ばねやにつながれた物体や、振り子の運動の運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
7週 第4章 振動(4)
次週、中間試験を実施する。
・強制振動と共鳴について理解し、説明できる。
8週 第5章 仕事とエネルギー(1)
試験返却
・仕事と仕事率に関する計算ができる。
・物体の運動エネルギーに関する計算ができる。
・重力による位置エネルギーに関する計算ができる。
4thQ
9週 第5章 仕事とエネルギー(2)

・保存力がする仕事とポテンシャルエネルギーとの関係について理解し、説明できる。
・弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。
・重力による位置エネルギーに関する計算ができる。
10週 第5章 仕事とエネルギー(3) ・力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。
11週 第5章 質点の回転運動(1) ・力のモーメントを求めることができる。
12週 第6章 質点の回転運動(2) ・角運動量を求めることができる。
・角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。
13週 第7章 質点系の重心と全運動量 ・重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。
・剛体における力のつり合いに関する計算ができる。
14週 第8章 剛体の力学(1) ・一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。
15週 第8章 剛体の力学(2) ・剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前12,前15
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前12
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前12,前15
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後7
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後7
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後8
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後9
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後4,後5,後6
力のモーメントを求めることができる。3後10
角運動量を求めることができる。3後11
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3後11
重心に関する計算ができる。3後12,後13
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後14
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後15
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前5,前7
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前5
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前5
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前5
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前11
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前6
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前7
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前8,前9
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前11
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前11
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前10
電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前3
ジュール熱や電力を求めることができる。3前3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000