概要:
前半は素形材の加工法,後半は除去加工(切削,研削)について学ぶ.
素形材の加工技術の鋳造,塑性加工について,その加工原理とともに,欠陥を生じた場合の影響を理解する.
ただし,基礎的な範囲は2年,3年時の実習時に学んでいるため,本授業の位置づけは加工にかかわる現象や条件,理論に焦点を当てる.
授業の進め方・方法:
・授業は教科書,スライドを使って進める.実際の製品での適用例を紹介するので,工作実習での内容を各加工法と対応させながらその特徴を理解する.単純に加工法の種類を理解するのではなく,それぞれの特徴が実際の製品の製造でどのように活かされているか考えながら学習する.
・基本的な範囲はものづくり実習や創造工学基礎演習で学習しているので,復習をしておくこと.
注意点:
・自学自習時間(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,定期試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・多くの技術,工学を総合したものとなっている加工法全体を,広い視野に立ち生産システムの観点から多角的にとらえることが必要である.
・各加工法については,その基礎的な原理を的確に理解し,工作実習での体験とも関連づけながら応用力を身につけることが重要である。特に,材料工学や材料力学とは関連が深いので,関連を意識し,必要に応じて復習すること.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ものづくりにおける加工法 鋳造① |
ものづくりにおける加工技術の位置づけについて理解し説明できる。 鋳造のプロセスと特徴,鋳造法の種類を説明できる。
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2週 |
鋳造② |
鋳造の欠陥と検査方法を説明できる。鋳物の設計において配慮すべき点を理解できる.
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3週 |
塑性加工① |
塑性加工における加工条件の影響を理解する.圧延,押出し,引き抜きにおける加工条件について説明できる.
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4週 |
塑性加工② |
プレス加工について,せん断,曲げ,深絞りの概要と特徴,加工原理を説明できる.
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5週 |
塑性加工③ |
塑性加工における材料のモデル化,形状のモデル化について理解する.初等解析による解析手法について理解する.
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6週 |
接合① |
機械的接合法,冶金的接合法について特徴を理解する.
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7週 |
接合② |
溶接による部材への影響や欠陥について理解できる.
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8週 |
中間試験
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素形材加工・接合について学んだ知識の確認ができる。
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2ndQ |
9週 |
試験返却 切削加工の基礎 |
切削加工の種類,工具,工作機械について説明できる.
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10週 |
切削のメカニズム① |
切削のしくみについて説明できる。切りくずの形態,切削による熱の発生,構成刃先,工具摩耗を説明できる。
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11週 |
切削のメカニズム② |
切削油材の作用,使用目的が説明できる。 切削工具材料の条件と種類を説明できる。
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12週 |
切削のメカニズム③ |
切削速度,送り量,切込みなどの切削条件を選定できる。切削比とせん断角の関係を説明できる。
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13週 |
切削のメカニズム④ |
切削に必要な切削力と切削振動について説明出来る
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14週 |
砥粒加工① |
研削加工の原理,円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。
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15週 |
砥粒加工② |
砥石の三要素,構成,選定,修正のしかたを説明できる。
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16週 |
学年末試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 工作 | 鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。 | 3 | |
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。 | 3 | |
鋳物の欠陥について説明できる。 | 4 | |
溶接法を分類できる。 | 3 | |
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。 | 3 | |
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。 | 3 | |
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。 | 3 | |
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。 | 3 | |
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。 | 4 | |
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 4 | |
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 3 | |
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。 | 4 | 前1 |
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 前2 |
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 前3 |
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 前4 |
切削工具材料の条件と種類を説明できる。 | 4 | 前8 |
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。 | 4 | 前2,前3,前9 |
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。 | 4 | 前1,前6,前7 |
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。 | 4 | 前12,前13 |
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。 | 4 | 前14 |
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。 | 4 | 前4,前15 |