加工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 加工学
科目番号 063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 生産加工入門(古閑他,コロナ社)
担当教員 堀川 紀孝

到達目標

1. 鋳造法の種類と特徴,鋳造特有の欠陥の影響について理解し,説明できる.
2. 塑性加工の種類と特徴,塑性加工のメカニズムについて理解し,説明できる.
3. 接合法の種類と特徴について理解し,説明できる.
4. 切削加工法および工作機械の基礎的な事項を理解し、説明できる。
5. 切削現象について理解し、説明できる。
6. 砥粒加工法および工作機械の基礎的な事項を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 鋳造法の種類と特徴について理解し,説明できるとともに,用途に応じた選択ができる.鋳造法の種類と特徴について理解し,説明できる.鋳造法の種類と特徴について理解できない.
評価項目2 塑性加工の種類と特徴,塑性加工のメカニズムについて理解し,説明できる.塑性加工の種類と特徴,塑性加工のメカニズムについて理解できる.塑性加工の特徴について理解できない.
評価項目3 接合法の種類と特徴,欠陥の影響について理解し,説明できる.接合法の種類と特徴について理解しできる.接合法の種類と特徴について理解できない.
評価項目4 切削加工法および工作機械の基礎的な事項を理解し,説明できる切削加工法および工作機械の基礎的な事項を理解できる。切削加工法および工作機械の基礎的な事項について説明できない。
評価項目5切削現象について理解し,説明できる。切削現象について理解できる。切削現象について説明できない。
評価項目6砥粒加工法および工作機械の基礎的な事項を理解し,説明できる。砥粒加工法および工作機械の基礎的な事項を理解できる。砥粒加工法および工作機械の基礎的な事項について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

  システム制御情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半は素形材の加工法,後半は除去加工(切削,研削)について学ぶ.
素形材の加工技術の鋳造,塑性加工について,その加工原理とともに,欠陥を生じた場合の影響を理解する.
ただし,基礎的な範囲は2年,3年時の実習時に学んでいるため,本授業の位置づけは加工にかかわる現象や条件,理論に焦点を当てる.
授業の進め方・方法:
・授業は教科書,スライドを使って進める.実際の製品での適用例を紹介するので,工作実習での内容を各加工法と対応させながらその特徴を理解する.単純に加工法の種類を理解するのではなく,それぞれの特徴が実際の製品の製造でどのように活かされているか考えながら学習する.
・基本的な範囲はものづくり実習や創造工学基礎演習で学習しているので,復習をしておくこと.
注意点:
・自学自習時間(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,定期試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・多くの技術,工学を総合したものとなっている加工法全体を,広い視野に立ち生産システムの観点から多角的にとらえることが必要である.
・各加工法については,その基礎的な原理を的確に理解し,工作実習での体験とも関連づけながら応用力を身につけることが重要である。特に,材料工学や材料力学とは関連が深いので,関連を意識し,必要に応じて復習すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ものづくりにおける加工法
鋳造①
ものづくりにおける加工技術の位置づけについて理解し説明できる。
鋳造のプロセスと特徴,鋳造法の種類を説明できる。
2週 鋳造② 鋳造の欠陥と検査方法を説明できる。鋳物の設計において配慮すべき点を理解できる.
3週 塑性加工① 塑性加工における加工条件の影響を理解する.圧延,押出し,引き抜きにおける加工条件について説明できる.
4週 塑性加工② プレス加工について,せん断,曲げ,深絞りの概要と特徴,加工原理を説明できる.
5週 塑性加工③ 塑性加工における材料のモデル化,形状のモデル化について理解する.初等解析による解析手法について理解する.
6週 接合① 機械的接合法,冶金的接合法について特徴を理解する.
7週 接合② 溶接による部材への影響や欠陥について理解できる.
8週 中間試験
素形材加工・接合について学んだ知識の確認ができる。
2ndQ
9週 試験返却
切削加工の基礎
切削加工の種類,工具,工作機械について説明できる.
10週 切削のメカニズム① 切削のしくみについて説明できる。切りくずの形態,切削による熱の発生,構成刃先,工具摩耗を説明できる。
11週 切削のメカニズム② 切削油材の作用,使用目的が説明できる。
切削工具材料の条件と種類を説明できる。
12週 切削のメカニズム③ 切削速度,送り量,切込みなどの切削条件を選定できる。切削比とせん断角の関係を説明できる。
13週 切削のメカニズム④ 切削に必要な切削力と切削振動について説明出来る
14週 砥粒加工① 研削加工の原理,円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。
15週 砥粒加工② 砥石の三要素,構成,選定,修正のしかたを説明できる。
16週 学年末試験 学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3
鋳物の欠陥について説明できる。4
溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。3
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4前1
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4前2
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4前3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4前4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4前8
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4前2,前3,前9
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4前1,前6,前7
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4前12,前13
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4前14
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4前4,前15

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7525100
基礎的能力10515
専門的能力651580
分野横断的能力055