材料力学演習

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料力学演習
科目番号 065 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 基礎から学ぶ材料力学(森北出版) / 適宜印刷物を配布する
担当教員 堀川 紀孝,中川 佑貴

到達目標

1. はりの曲げ応力とたわみが計算できる
2. 不静定はりの反力,反モーメントおよびたわみが計算できる
3. カスティリアノの定理を理解し,各種部材の変位が計算できる
4. モールの応力円を適用し,主応力と最大せん断応力が計算できる.
5. 荷重条件,境界条件を設定して有限要素法解析を実行できる.
6. 有限要素法解析の結果を材料力学による理論計算と比較し,材料力学の計算モデルとの違いを考察できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種はりに作用する応力,反力,モーメントおよびたわみが計算できる各種はりに作用する反力は計算できるが,モーメントおよびたわみが計算できない各種はりに作用する力について計算ができない
評価項目2カスティリアノの定理が説明ができ,部材の変位が計算できるカスティリアノの定理を利用して,部材の変位が計算できるカスティリアノの定理が適用できない
評価項目3モールの応力円について説明ができ,主応力と最大せん断応力が計算できるモールの応力円を利用して,主応力と最大せん断応力が計算できるモールの応力円が計算に利用できない
評価項目4適切な荷重条件,境界条件を自ら設定して有限要素法解析を実行できる.与えられた荷重条件,境界条件を設定して有限要素法解析を実行できる.荷重条件,境界条件を設定して有限要素法解析を実行できる.
評価項目5有限要素法解析の結果を材料力学による理論計算と比較し,材料力学の計算モデルとの違いを考察できる.有限要素法解析の結果を材料力学による理論計算と比較し,一致する点,異なる点を指摘できる.有限要素法解析の結果と材料力学による理論計算の比較ができない.

学科の到達目標項目との関係

  システム制御情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種はりに作用する応力や反力の求め方を学ぶ.その後ひずみエネルギーについて学習し,カスティリアノの定理の成り立ちおよび適用について理解する.またモールの応力円の意味について学習し,これを利用して主応力と最大せん断応力を求める方法を学ぶ.
その後,前期に学んだ範囲を含め,材料力学で学んだ形状・荷重条件について,有限要素法による解析を行う.解析におけるメッシュや境界条件の重要性を学ぶとともに,材料力学で求められる値の持つ意味を考える.
授業の進め方・方法:
授業は10週目まで以下の構成で進める.

・初めに前週までの理解度および予習の度合いを測る小テストの実施
・各週における重要事項の説明および演習.演習中には理解度を評価するために口頭試問を実施する.
・各週における理解度評価のための小テストの実施
・ポートフォリオ(学習成果物)のまとめ

小テストや演習の記録を自らポートフォリオに記入することで,何が分からずに問題が解けなかったのかを自覚する必要がある.
その結果を基に教員から学習のアドバイスを行い,理解を深めることを狙いとしている.

11週以降の有限要素法解析では既知の形状をベースとした応力解析を行い,コンピュータによる解析手法を習得するとともに,材料力学による計算の持つ意味を再認識する.解析にはSolidworksの応力解析を用いる.
注意点:
事前に講義資料および説明の動画を配信するので予習をすること.
有限要素法解析では,ここまでの材料力学で学んだモデルについての解析を行い,理論計算との比較を行うため,前期の範囲も含めて復習をしておくこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンスおよび講義前習熟度評価 講義の進め方が分かる
本講義を学ぶにあたって不足している知識について自ら把握できる
2週 たわみの微分方程式 たわみの微分方程式から集中荷重および分布荷重を受けるはりのたわみ曲線を求めることが出来る
3週 重ね合わせの原理 重ね合わせの原理を用いてたわみを計算できる
4週 不静定はり1 たわみの微分方程式から不静定はりの反力と反モーメントが計算できる
5週 不静定はり2 重ね合わせの原理を用いて不静定はりの反力と反モーメントが計算できる
6週 ひずみエネルギー 引張,ねじり,曲げを受ける部材のひずみエネルギーが計算できる
7週 カスティリアノの定理 カスティリアノの定理を理解し適用することでトラス部材の変位が計算できる
8週 カスティリアノの定理 カスティリアノの定理が説明でき,はりの変位が計算できる
4thQ
9週 平面応力 平面応力状態の任意の面の垂直応力とせん断応力が計算できる
10週 モールの応力円 モールの応力円が説明でき,主応力と最大せん断応力が計算できる
11週 有限要素法解析の基礎 有限要素法がどのように計算を行っているか理解できる.有限要素法のモデルを作成し,解析結果から応力やひずみを読み取れる
12週 引張荷重による応力・ひずみの解析と,切欠きの影響の評価 引張荷重を受ける部材の解析を行い,応力・ひずみの分布を求めることができる.切欠きを有する部材のモデルに対するメッシュを設定できる.
13週 ねじりを受ける部材の解析 ねじりを受ける部材の解析を行い,理論計算結果と比較する.また,断面形状の効果を検証できる.
14週 曲げを受けるはりの解析 曲げをうけるはりの解析を行う.荷重条件,固定条件による応力分布の違いを理論計算と比較する.また,断面形状の効果を検証できる.
15週 組み合わせ荷重,組み合わせ部材の解析 曲げとねじりの組み合わせ荷重や,複数の部材により構成されている構造における解析を行い,理論計算の結果と比較できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4後11
応力とひずみを説明できる。4後11
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4後11
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4後12
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4後12
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4後13
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4後13
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4後14
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4後14
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4後14
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4後2,後3,後14
多軸応力の意味を説明できる。4後10
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4後10
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後6
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後6
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4後7,後8

評価割合

課題レポート小テストポートフォリオ合計
総合評価割合503812100
基礎的能力1510530
専門的能力3528770
分野横断的能力0000