到達目標
1. 制御系の時間特性(過渡特性,定常特性)を計算できる。また,時間特性のグラフから関係する特性値を求められる。
2. 制御系の周波数伝達関数から,その周波数特性を各種の線図で図式表示できる。また,図示されている線図から制御系の周波数伝達関数を逆算できる。
3. 制御系の安定性を複数方法で計算に基づき判別できる。た,各種安定判別法を用いて安定となる条件を計算できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
| システムの過渡特性を説明でき,様々なシステムについて具体的に計算して,グラフ表示できる。 | システムの過渡特性を説明でき,代表的なシステムについて具体的に計算して,グラフ表示できる。 | システムの過渡特性を説明できず,簡単なシステムについても具体的な計算や,グラフ表示ができない。 |
評価項目2
| システムの周波数特性を説明でき,様々なシステムについて具体的に計算して,図式表示できる。 | システムの周波数特性を説明でき,代表的なシステムについて具体的に計算して,図式表示できる。 | システムの周波数特性を説明できず,簡単なシステムについても具体的な計算や,図式表示ができない。 |
評価項目3
| 様々なフィードバックシステムの安定性を3つの安定判別法を用いて判別できる。 | 基本的なフィードバックシステムの安定性を3つの安定判別法を用いて判別できる。 | 基本的なフィードバックシステムの安定性を何れかの安定判別法を用いて判別できない。 |
学科の到達目標項目との関係
システム制御情報工学科の教育目標②
説明
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本科の教育目標①
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教育方法等
概要:
これまでに学習したシステム制御情報工学科の専門科目と関連づけて,制御工学の基礎を学習する。具体的には,前期に講義した「制御工学Ⅰ」の内容に引き続き,授業計画に示す教科書「自動制御理論」第4章~第7章に該当する内容を順次学習する。
授業の進め方・方法:
日常生活における制御の重要性と技術者としての倫理観等を理解し,工学的見地から制御をどのように取り扱い社会に反映させるかを学習する。制御工学Ⅱでは,制御工学を定量的に取り扱う際に必須となる時間特性(過渡特性,定常特性),周波数特性,安定判別の取り扱いを中心に学習する。研究室管理のeラーニングに学習内容・演習等を掲載するので,自学自習用として主体的且つ効果的に活用する。講義時間の最後に適宜演習を実施すると共に,状況に応じて課題レポートを課す。
注意点:
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習(15時間)については,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間および演習や定期試験の準備のための勉強時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる。
・講義時間最後の演習は,基本的に前回または前々回学習内容範囲であるので,日頃からeラーニング等を活用して学習内容を復習する習慣付けを要する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバス説明 制御工学Ⅰの振り返り 4 伝達関数 (2) 伝達関数の分類 |
伝達関数の分類を説明でき,具体的な伝達関数とその要素名称を説明できる。
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2週 |
5 基本的伝達関数の過渡特性 (1) 制御系の応答 (2) 過渡特性の特性値 (3) 一次遅れ要素
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制御系の過渡特性について説明できる。 制御系の過渡特性について、ステップ応答を用いてその特性値を説明できる。 一次遅れ要素の過渡特性について,具体的に計算できる。 一次遅れ要素が持つ過渡特性の特性について説明できる。
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3週 |
(4) 積分要素 (5) 微分要素 |
積分要素の過渡特性について,具体的に計算できる。 積分要素が持つ過渡特性の特性について説明できる。 微分要素の過渡特性について,具体的に計算できる。
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4週 |
(6) 二次遅れ要素 (7) 任意の入力に対する応答 |
二次遅れ要素の過渡特性について,減衰率に応じた時間応答波形を描ける。 任意の入力に対する過渡特性の計算方法を説明できる。
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5週 |
6 基本的伝達関数の周波数特性 (1) 周波数応答 (2) 周波数伝達関数 (3) 周波数特性の図式表示 |
制御系の周波数応答について説明できる。 伝達関数と周波数伝達関数の関係を説明できる。 周波数特性の図式表示の種類とその特徴を説明できる。
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6週 |
(4) 比例要素 (5) 積分要素・微分要素 (6) 一次遅れ要素 |
比比例要素の周波数特性図を描け,特性図からその周波数伝達関数を推定できる。 微分・積分要素の周波数特性図を描け,特性図からその周波数伝達関数を推定できる。 一次遅れ要素の周波数特性図を描け,特性図からその周波数伝達関数を推定できる。
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7週 |
(6) 一次遅れ要素 (7) 一次進み要素 (8) 結合要素 |
一次進み要素の周波数特性図を描け,特性図からその周波数伝達関数を推定できる。 基本的な制御要素を結合要素についてボード線図を描け,ボード線図からその周波数伝達関数を推定できる。 次週,中間試験を実施する。
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8週 |
中間試験 |
これまでの学習内容の理解度を試験により確認する(試験時間90分)。
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4thQ |
9週 |
試験答案の確認・解説 (8) 結合要素
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試験結果から自らの理解状況を把握して,今後の学習に反映できる。 結合要素のボード線図が描け,ボード線図からその周波数伝達関数を推定できる。
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10週 |
7 安定性 (0) 安定条件 (1) ラウスの安定判別法 |
制御系の安定について説明できる。 フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 ラウスの安定判別法を持ちて,制御系を安定判別できる。
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11週 |
(1) ラウスの安定判別法 (2) フルヴィッツの安定判別法 |
ラウスの安定判別法を持ちて,制御系を安定判別できる。 フルヴィッツの安定判別法を持ちて,制御系を安定判別できる。
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12週 |
(2) フルヴィッツの安定判別法 (3) ナイキストの安定判別法 |
フルヴィッツの安定判別法を持ちて,制御系を安定判別できる。 簡易化されたナイキストの安定判別法,一般化されたナイキストの安定判別法を用いて,制御系を安定判別できる。
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13週 |
(3) ナイキストの安定判別法 |
簡易化されたナイキストの安定判別法,一般化されたナイキストの安定判別法を用いて,制御系を安定判別できる。
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14週 |
(4) 安定度 |
安定度について説明できる。 ベクトル軌跡,ナイキスト線図,ボード線図から安定度を算出できる。
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15週 |
8 速応性と定常偏差 (1) 速応性 (2) 定常偏差 |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
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16週 |
期末試験 |
これまでの学習内容の理解度を試験により確認する(試験時間90分)。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 制御系の過渡特性について説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後15 |
制御系の定常特性について説明できる。 | 4 | 後2,後15 |
制御系の周波数特性について説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9 |
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
電気・電子系分野 | 制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 4 | 後1,後2,後5 |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 4 | 後1,後2,後5 |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後15 |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 4 | 後15 |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9,後13,後14 |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
評価割合
| 試験 | 演習・課題 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 |
専門的能力 | 60 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 85 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |