センシング工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 センシング工学
科目番号 0110 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 : 2
開設学科 システム制御情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 なし
担当教員 池田 啓

到達目標

本講義では、リモートセンシングおよび地理情報システム(GIS)の基本的な仕組みや活用方法を理解し、環境モニタリングや災害対応など実社会への応用力を身につけることを目指す。
衛星画像や空間データを扱う上で必要な処理・解析の基礎的な技術を習得するとともに、GISソフト(QGIS等)を用いた実習を通じて、空間情報の活用方法を体験的に学ぶ。
最終的には、学生自身が設定した課題に対して、収集・解析・発表まで一連のプロセスを遂行する力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1GIS・リモートセンシングの仕組みを理解し、QGIS等のツールを使いこなして実践的な分析ができる。基本的な概念を理解し、指示があればGISツールでの作図やデータ処理ができる。用語や操作手順が曖昧で、説明や基本操作が困難。
評価項目2データ分析を通じて地域やテーマに即した課題を自ら設定し、適切な分析と考察を行える。与えられた課題に対して、基本的な分析と説明ができる。指示された内容の再現に留まり、分析・考察に不備がある。
評価項目3分析内容を的確に整理し、視覚資料とともに明快にプレゼンできる。質問にも的確に応答できる。一通りのプレゼンができ、図や説明も概ね伝わるが、やや不明瞭な点もある。発表内容が不明確または構成が整理されておらず、伝達力に乏しい。

学科の到達目標項目との関係

  システム制御情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
センシング工学では、リモートセンシングおよび地理情報システム(GIS)に関する基本的な理論と応用技術について学ぶ。リモートセンシング画像の種類や解析手法、GISにおける空間データの構造や処理、解析技術の基礎を習得する。さらに、QGISなどのツールを用いた演習を通じて、環境モニタリングや災害管理など実社会への応用を実体験する。
授業の進め方・方法:
講義形式で基礎概念を説明し、その後QGISや公開衛星データなどを活用した演習を行う。各回の演習後に課題レポートを提出し、理解度を確認する。講義終盤では、学生自身が選定したテーマに基づいて簡易な分析プロジェクトを実施し、最終的にプレゼンテーションを行う。
注意点:
評価は課題とプレゼンテーションにより行い、総合得点が60点以上かつ各到達目標項目の基準を満たしている場合に単位修得となる。

リモートセンシングやGISに関する基本的な空間情報・物理の知識、ならびに地理や環境分野に対する関心が求められる。

演習ではフリーソフトウェア(例:QGIS)を使用するため、基本的なPC操作およびマニュアルに基づいた自己学習が望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 センシング工学とは/GIS・リモートセンシングの概要 センシング工学とGIS・リモートセンシングの基本的な違いと役割を理解する
2週 GISの基本構造とデータモデル(ラスタ・ベクタ) GISの構成要素、ラスタ・ベクタデータの特徴を説明できる
3週 空間データの収集方法(GPS,デジタイジング等) 位置情報の取得方法とGISへの取り込み方法を理解する
4週 リモートセンシングの基礎(電磁波、センサの種類) 電磁波の性質と代表的なリモートセンシングセンサを説明できる
5週 画像データの前処理(幾何補正、フィルタ等) リモートセンシング画像の前処理手法の基本を理解する
6週 GISソフトの基本操作(QGIS等) GISソフトウェアの操作を通じて基本的な地図作成ができる
7週 空間解析(バッファ、オーバーレイ) GISの空間解析機能の代表的な手法を理解し使えるようにする
8週 リモートセンシング画像の分類(教師あり・なし分類) 土地利用分類の基本と分類精度の評価方法を理解する
4thQ
9週 GISとリモートセンシングの統合事例 両技術の統合による実応用(例:環境・災害・農業)を知る
10週 環境モニタリングへの応用 植生・水資源など環境分野への応用事例を理解する
11週 都市・地域分析への応用 土地利用変遷や都市構造分析におけるGIS・RSの活用を説明できる
12週 災害管理とリスク評価への応用 ハザードマップや被害予測におけるGIS・RSの実例を理解する
13週 個人・グループプロジェクト作成(発表準備) 収集したデータをもとにGIS/RSを活用した簡易分析・資料作成ができる
14週 プレゼンテーション準備・個別フィードバック 発表内容の整理とプレゼンテーションスキルの確認を行う
15週 最終発表・振り返り プロジェクト発表と相互評価を通じて学習内容を総括する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート発表合計
総合評価割合000
基礎的能力000
専門的能力000