数学ⅢB

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数学ⅢB
科目番号 013 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:『新版基礎数学 改訂版』(実教出版),『新版確率統計 改訂版』(実教出版),『新版線形代数 改訂版』(実教出版) 問題集:『新版基礎数学演習 改訂版』(実教出版),『新版確率統計演習 改訂版』(実教出版),『新版線形代数演習 改訂版』(実教出版)
担当教員 冨永 徳雄

到達目標

1.順列・組合せの定義を理解し,基本的な「場合の数」を求めることができる。
2.確率の定義を理解し,余事象・和事象、排反事象および条件つき確率などの基本的な確率を求めることができる。
3.1次元および2次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差・相関係数・回帰曲線を求めることができる。
4.1次変換の基本的性質を理解し,行列を用いた計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1順列・組合せの定義を理解し,場合の数の計算を適切に用いて,様々な場面に活用できる。順列・組合せの定義を理解し,場合の数の基本的計算を具体的場面において活用できる。順列・組合せの定義を理解して基本的な問題に活用することができない。
評価項目2確率の加法定理,余事象の確率および条件つき確率を用いて,様々な確率の計算に応用することができる。また確率の乗法定理,独立事象の確率について深く理解できる。確率の加法定理,余事象の確率および条件つき確率を用いて,基本的な確率を求めることができる。また確率の乗法定理,独立事象の確率についての基本が理解できる。確率の加法定理,余事象の確率および条件つき確率を用いた基本的な確率を求めることができない。また確率の乗法定理や独立事象の確率についての基本的理解が足りない。
評価項目31次元および2次元のデータについて,その平均,分散,標準偏差,相関係数および回帰曲線を求めることができる。1次元および2次元の簡単なデータについて,その平均,分散,標準偏差,相関係数および回帰曲線を求めることができる。1次元および2次元の簡単なデータについて,その平均,分散,標準偏差,相関係数および回帰曲線を求めることができない。
評価項目41次変換の基本的性質について理解し,行列を用いて様々な計算に応用できる。1次変換の基本的性質について理解し,行列を用いた簡単な計算に応用できる。1次変換の基本的性質について理解することや,行列を用いた計算に応用することができない。

学科の到達目標項目との関係

  物質化学工学科の教育目標① 説明 閉じる
  本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
はじめに,確率・統計に関する基礎的な事柄を扱う。最初に,確率を求める上で必要となる「場合の数」について扱う。そしてこれを用いて確率を定義し,基本性質を学んだ後,独立試行,反復試行の確率および条件付き確率について扱う。次に,「統計」の初歩として,まず1次元のデータの整理のしかたに触れ,そこで平均値などの代表値,分散や標準偏差などの散布度について扱う。そのあと,2次元のデータの相関関係の調べ方を扱う。
そのあと,「数学ⅡB」で扱った行列を用いて,座標平面上の点を同じ平面上に移す1次変換について扱う。これは第4学年の「応用数学」にもつながる内容である。
授業の進め方・方法:
「場合の数」「確率・統計」「1次変換」のいずれも,概念および用語を正しく理解し,できるだけ多くの問題演習をこなすことで定着を図る。
評価方法は定期試験を70%,平常点(課題・レポート)を30%として評価する。
注意点:
新たな概念に対する理解を深め,基本的技能の定着を図るよう努めることが大切である。疑問点は授業の中で解決するように努めると共に,授業以外での問題演習を数多くこなすようにする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「新版基礎数学 改訂版」
8章 集合・場合の数・命題
2節 場合の数・順列・組合せ
1.場合の数
積の法則と和の法則を利用して,場合の数を求めることができる。
2週 2.順列 順列の意味について理解し,階乗を用いた計算ができる。
3週 3.組合せ 組合せの意味について理解し,計算ができる。
4週 4.二項定理 二項定理について理解し,これを用いた計算ができる。
5週 「新版確率統計 改訂版」
1章 確率
1節 確率とその基本性質
1.事象と確率
試行や事象など,確率特有の用語について理解できる。根元事象の数え上げにより,確率を求めることができる。
6週 2.確率の基本性質 和事象,積事象,排反事象および余事象について理解し,それらの確率を計算できる。
7週 2節 いろいろな確率の計算
1.独立試行とその確率
2.反復試行とその確率
次週,中間試験を実施する
独立な試行の確率および反復試行の確率を求めることができる。
8週 3.条件付き確率
4.いろいろな確率の計算
条件付確率の意味を理解し,乗法定理を用いた確率の計算ができる。いろいろな確率を求めることができる。
2ndQ
9週 2章 データの整理
1節 1次元のデータ
1.データの整理
2.代表値
1次元のデータを整理し,度数分布表などにまとめることができる。またデータの代表値としての平均値,中央値および最頻値について理解し,これらを求めることができる。
10週 3.四分位数と箱ひげ図
4.分散と標準偏差
1次元のデータの散らばりについて理解し,四分位数を利用した箱ひげ図の作成や,計算により分散および標準偏差を求めることができる。
11週 2節 2次元のデータ
1.相関係数
2次元データから散布図を作成することができる。共分散について理解し,与えられたデータから共分散を求めることができる。
12週 1.相関係数(続き) 2次元のデータの相関係数および回帰直線を求めることができる。
13週 「新版線形代数 改訂版」
4章 行列の応用
1節 1次変換
1.1次変換の定義
座標平面上の1次変換について理解し,簡単なものについて,その変換を表す行列を求められる。
14週 2.回転を表す1次変換 原点を中心とした回転移動が行列で表されることを理解し,簡単なものについて,その回転を表す行列を求めることができる。
15週 3.合成変換と逆変換 合成変換と逆変換の意味を理解し,簡単なものについて,それらを行列で表すことができる。
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3前1
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3前2,前3,前4
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3前13
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3前15
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3前14
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前5,前6,前7
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前8
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前9,前10
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前11,前12

評価割合

試験小テスト・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000