到達目標
1. 基本的な無機元素単体および化合物について理解し、その構造や結合様式、性質について説明できる。
2. 錯体の構造、結合状態、性質について説明できる。
3. IUPACの命名法を理解し,構造から名前を,また名前から構造を誘導できる.
4. 代表的な官能基に関して,その性質を理解でき,それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法を説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 基本的な無機元素単体および化合物について理解し、その構造、結合状態、性質を正しく説明できる。 | 基本的な無機元素単体および化合物について理解し、その構造、結合状態、性質を説明できる。 | 基本的な無機元素単体および化合物の構造、結合状態、性質を説明できない。 |
評価項目2 | 錯体の構造、結合状態、性質について理解し、正しく説明できる。 | 錯体の構造、結合状態、性質について説明できる。 | 錯体の構造、結合状態、性質について説明できない。 |
評価項目3 | IUPACの命名法を正確に理解し,構造から名前を,また名前から構造を正確に誘導できる. | IUPACの命名法をほぼ理解し,構造から名前を,また名前から構造をほぼ誘導できる. | IUPACの命名法を理解できない. |
評価項目4 | 代表的な官能基に関して,その性質を正確に理解でき,それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法を正確に説明できる. | 代表的な官能基に関して,その性質をほぼ正確に理解でき,それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法をほぼ正確に説明できる. | 代表的な官能基に関して,その性質を理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
物質化学工学科の教育目標②
説明
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本科の教育目標①
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教育方法等
概要:
小寺担当A:元素単体および無機化合物の諸性質を決定する「要因」について系統的に学ぶ科目である。
津田担当B:有機化合物は1千万種類以上有り全てを覚えることは不可能である。したがって,どの様な化合物でも官能基を見極め,それが持つ性質と反応性から結果を考えることが必要である。ここでは,有機化合物の一般的な分類・順番に従い,教科書に沿って授業を行い,有機化学の一般的な知識を学ぶ。
授業の進め方・方法:
小寺担当A:前半は「元素各論」、後半は「錯体化学」の内容であるが、いずれも板書やプリント、教科書を中心にした講義に加え、小テスト等の演習を随時行うことにより理解を深める。
津田担当B:炭素原子を含む分子を扱う有機化学は我々自身や我々の身の回りのほぼ全てのものに関連し,化学の重要な一分野となっている。この科目では,2年生の有機化学IIに引き続き,有機化合物の命名法,様々な官能基の構造と性質・反応性の関係についての基礎知識を習得する。当日および次週の授業内容から,教科書の例題や問題に沿った内容の課題を与える。自宅学習帳で復習するとともに,次週の範囲の予習が必要である。
注意点:
小寺担当:原則、毎授業時に小テストを実施する。自己学習においては、ノート・プリントの内容理解に主眼を置き、教科書や参考書により肉付けを行うとよい。
津田担当B:自学自習時間(30時間)は,日常の授業のための予習復習,授業時間外の課題,定期試験の準備等の学習時間を総合したものとする。
なお、A・Bいずれも、評価については合計点数が60点以上で単位修得となる。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス A:水の特異性 B:芳香族化合物:求電子置換反応(1) |
A・Bいずれの学習内容や評価方法がわかる。 A:水の特性を、その分子構造および極性と関連づけて説明できる。 B:芳香族化合物への求電子置換反応について反応機構を説明できる。
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2週 |
A:水素単体 B:芳香族化合物:求電子置換反応(2) |
A:水素単体の性質、特異性、所在・製法・用途がわかる。 B:芳香族化合物への求電子置換反応について反応機構を説明できる。
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3週 |
A:水素の化合物 B:芳香族化合物:求電子置換反応(3) |
A:水素化合物の分類、代表的化合物の特徴がわかる。 B:芳香族化合物への求電子置換反応について反応機構を説明できる。
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4週 |
A:アルカリ金属元素単体(1) B:芳香族化合物:求電子置換反応(4) |
A:アルカリ金属元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。 B:芳香族化合物への求電子置換反応について反応機構を説明できる。
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5週 |
A:アルカリ金属元素単体(2) B:芳香族化合物:置換基効果(1) |
A:アルカリ金属元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。 B:芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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6週 |
A:アルカリ土塁金属元素単体 B:芳香族化合物:置換基効果(2) |
A:アルカリ土類金属元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。 B:芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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7週 |
A:貴ガス元素とハロゲン元素単体 B:芳香族化合物:置換基効果(3) |
A:希ガス元素およびハロゲン元素単体の性質、所在・製法・用途がわかる。 B:芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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8週 |
A:中間試験 B:中間試験 |
学んだ知識を確認できる。
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4thQ |
9週 |
A:錯体化学の専門用語 B:芳香族化合物:置換基効果(4) |
A:錯体化学分野で用いられる専門用語を正しく理解できる。 B:芳香族求電子置換反応での置換基効果について説明できる。
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10週 |
A:錯体の命名法 B:立体異性:立体配置(1) |
A:錯体の化学式および名称を定める際の約束が分かる。 B:分子の三次元的な構造がイメージでき,異性体について理解できる。
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11週 |
A:錯体の構造と異性体 B:立体異性:立体配置(2) |
A:錯体の代表的な立体構造について理解でき、幾何異性体と光学異性体について説明することができる。 B:分子の三次元的な構造がイメージでき,異性体について理解できる。
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12週 |
A:原子価結合理論 B:立体異性:立体配置(3) |
A:原子価結合理論を理解し、それにより錯体の磁性を説明できる。 B:分子の三次元的な構造がイメージでき,異性体について理解できる。
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13週 |
A:結晶場理論(1) B:立体異性:立体配置(4) |
A:結晶場理論を理解し、それにより代表的な錯体の磁性を説明できる。 B:分子の三次元的な構造がイメージでき,異性体について理解できる。
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14週 |
A:結晶場理論(2) B:立体異性:ジアステレオマー・幾何異性(1) |
A:分光化学系列や吸収スペクトルを基に、錯体の色を推測・説明できる。 B:構造異性体,幾何異性体,鏡像異性体などが説明できる。
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15週 |
A:配位子場理論 B:立体異性:ジアステレオマー・幾何異性(2) |
A:結晶場理論と配位子場理論の違いを理解し、代表的な錯体の性質について、配位子場理論を用いて説明できる。 B:化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。
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16週 |
学年末試験 |
学んだ知識を確認できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | 後2 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9 |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | 後9 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後9 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 3 | |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 3 | |
無機化学 | 配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14,後15 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | 後9 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 後10 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 後11 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14,後15 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
分析化学 | 錯体の生成について説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14,後15 |
評価割合
| 試験 | 小テスト | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
専門的能力 | 50 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |