概要:
生体がどのような物質で構成されているか,およびそれらの生体分子の化学的性質や構造を理解する。さらに生命活動における異化・同化経路や、遺伝情報の保存・発現の仕組みについても習得する。
授業の進め方・方法:
・授業範囲が広いため、授業スピードをやや速める必要がある。このため、講義ではプロジェクターを用いて授業を行い、学生は板書をノートではなく、教科書に書き込むことで書き写す時間を短縮する。その後、自学自習時間を利用し、講義内容をノートにまとめ上げるようにすることを勧める。もちろん、授業スピードが速すぎる場合は、遠慮無く申し出ること。
注意点:
・履修にあたっては,化学、生物,分析・無機化学,有機化学の内容を適宜復習することが望ましい。また教科書およびハート「基礎有機化学」を使って,毎回の予習復習を行うと共に,日常的に農業,水産業,工業分野でのバイオ関係のニュース,および医療問題などに関心をもつこと,さらに生物である自分の身体に関心を持ち講義に臨むこと。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
・ガイダンス ・生化学とは ・生物の分類 ・真核・原核生物(細胞)について |
・生化学の意義を理解することができる。 ・生物が7つの階層で分類されていることを理解することができる。 ・真核・原核細胞の違いを理解することができる。
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2週 |
・アミノ酸について ・pKaと等電点について その1 |
・タンパク質を構成するアミノ酸の化学構造をすべて覚え,それらアミノ酸の性質を説明することができる。 ・アミノ酸とpHの関係をpKaを用いて考えることができる。
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3週 |
・pKaと等電点について その2 ・緩衝溶液について |
・アミノ酸とpHの関係をpKaを用いて考えることができる。 ・アミノ酸、タンパク質における等電点について考えることができる。 ・生化学実験で緩衝溶液を調製するための基本的考え方を身につけることができる。
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4週 |
・ペプチド結合 ・ジスルフィド結合 ・非共有結合(水素結合、静電相互作用、疎水性相互作用、van der Waals相互作用) |
タンパク質の立体構造を構成する結合・相互作用について理解することができる。
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5週 |
タンパク質について その1 |
一次構造から四次構造までを理解することができる。
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6週 |
タンパク質について その2 |
・一次構造から四次構造までを理解することができる。 ・球状、繊維状タンパク質や抗体などタンパク質の実例からその構造を理解することができる。 ・ヘモグロビンにおけるアロステリックを理解することができる。
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7週 |
タンパク質の分析・解析法 その1 次週、中間試験を実施する。 |
・クロマトグラフィーを理解し、生化学実験で活用することができる。 ・ゲル電気泳動について理解することができる。
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8週 |
中間試験 |
・中間試験を通して、これまでの修得した範囲を改めて理解することができる。
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2ndQ |
9週 |
タンパク質の分析・解析法 その2 |
・ゲル電気泳動について理解することができる。 ・超遠心の利用方法を理解することができる。 ・タンパク質の一次構造を解析する方法の概要を理解することができる。 ・タンパク質の立体構造解析の概要を理解することができる。
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10週 |
単糖 その1 |
・単糖の基本的な化学構造を理解することができる。 ・単糖の異性体の種類を理解することができる。
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11週 |
単糖 その2 |
・単糖の異性体の種類を理解することができる。
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12週 |
単糖 その3 多糖 その1 |
・環状化反応とα、β表記を理解することができる。 ・修飾糖の分類をすることができる。 ・多糖の概要を理解することができる。
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13週 |
多糖 その2 |
・多糖の化学的構造を理解することができる。 ・多糖の働きを理解することができる。
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14週 |
脂質と細胞膜 その1
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脂質の構造と機構を理解することができる。
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15週 |
脂質と細胞膜 その2 |
脂質の構造と機構を理解することができる。
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16週 |
期末試験
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後期 |
3rdQ |
1週 |
答案返却&解説 核酸の構造と機能 その1 |
核酸の構造を理解することができる。 DNAやRNAの性質を理解することができる。
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2週 |
核酸の構造と機能 その2 ゲノムと遺伝子 |
・DNAと遺伝情報を結びつけて理解することができる。 ・ゲノムと遺伝子の関係を理解することができる。
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3週 |
細胞周期、体細胞分裂、DNAの複製の関係 減数分裂と染色体の分配 |
・DNAの複製と細胞周期の関係を理解することができる。 ・減数分裂の仕組みを理解することができる。
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4週 |
DNAの複製 その1 |
DNAの複製の概要を理解することができる。
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5週 |
DNAの複製 その2 転写 |
・DNAの複製の概要を理解することができる。 ・転写の概要を理解することができる。
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6週 |
翻訳 その1 |
翻訳の概要を理解することができる。
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7週 |
翻訳 その2 次週、中間試験を実施する。 |
翻訳の概要を理解することができる。 翻訳後の修飾についても理解することができる。
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8週 |
中間試験
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・中間試験を通して、これまでの修得した範囲を改めて理解することができる。
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4thQ |
9週 |
酵素 その1 |
酵素とは何か説明することができる。 補酵素について説明することができる。
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10週 |
酵素 その2 |
・ミカエリス定数をラインウィーバー・バーグプロットから求めることができる。 ・酵素の阻害様式(拮抗、非拮抗、不拮抗阻害)について理解することができる。
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11週 |
解糖系 その1 |
解糖系の概要を説明することができる。 解糖系のその後として、好気・嫌気呼吸について概要を説明することができる。
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12週 |
解糖系 その2 糖新生 |
糖新生の概要を説明し、解糖系の関係を説明することができる。 グリコーゲン代謝やその制御(グルカゴン、アドレナリン、インスリン)の概要を説明することができる。
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13週 |
クエン酸回路
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クエン酸回路の概要を説明することができる。
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14週 |
電子伝達系と酸化的リン酸化1
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電子伝達系と酸化的リン酸化の概要を説明することができる。
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15週 |
電子伝達系と酸化的リン酸化2 |
電子伝達系と酸化的リン酸化の概要を説明することができる。
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16週 |
学年末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 3 | |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 3 | |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 3 | |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 4 | |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 3 | |
細胞周期について説明できる。 | 4 | |
分化について説明できる。 | 4 | |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 4 | |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 3 | |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 3 | |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 3 | |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 3 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 4 | |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 4 | |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | |
多糖の例を説明できる。 | 4 | |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 4 | |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 4 | |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | |