分子生物学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 分子生物学
科目番号 083 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:新・大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学(ブルーバックス)
担当教員 杉本 敬祐

到達目標

以下の生命現象について、分子レベルで理解することができる。
1.細胞周期の制御メカニズムを分子レベルで理解することができる。
2.原核生物におけるDNA複製メカニズムを分子レベルで理解することができる。
3.原核生物における転写、転写制御について分子レベルで理解することができる。
4.原核生物と真核生物における転写の違いを理解することができる。
5.原核生物における翻訳メカニズムを分子レベルで理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標項目1~5に関する知識を、バイオテクノロジーに応用することができる。到達目標項目1~5に関する知識がバイオテクノロジーに適用している例を理解することができる。到達目標1~5の項目に関する知識が、バイオテクノロジーに関連付ることができない。

学科の到達目標項目との関係

  物質化学工学科の教育目標② 説明 閉じる
  本科の教育目標① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生命現象を分子レベルで理解させることを目的としている。また学んだ知識が、バイオテクノロジーに発展できる論理的思考も修得する。
授業の進め方・方法:
講義は対話方式で行うため,頻繁に学生に質問する.また,講義中わかりにくいところがあれば,気軽に質問すること.
注意点:
・総時間数45時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)のための予習・復習,理解を深めるための演習課題の考察・まとめ,および定期試験のための学習を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
細胞の活動と遺伝情報(1)
・原核生物と真核生物の違いについて説明できる
・核,ミトコンドリアや葉緑体の進化説について理解できる
2週 細胞の活動と遺伝情報(2) ・染色体の構造と遺伝情報の分配について理解している
・細胞周期について説明できる
3週 遺伝子とDNAの関係 ・歴史的なDNAに関する実験を学び,遺伝子の実体がDNAであることがわかる
・ヌクレオチドの構造について理解し遺伝子組換え技術へ応用することができる
・DNAの2重らせん構造,塩基の相補的結合を理解し,遺伝子組換え技術へ応用することができる
・DNAの半保存的複製を理解し,遺伝子組換え技術へ応用することができる
4週 DNAの複製(1) ・原核生物における複製の概要を理解し、開始メカニズムを理解することができる
5週 DNAの複製(2) ・原核生物におけるDNAポリメラーゼの働きを理解し,リーディング鎖における複製機構を理解し,遺伝子組換え技術へ応用することができる
6週 DNAの複製(3) ・原核生物におけるDNAポリメラーゼの働きを理解し,ラギング鎖における複製機構を理解し,遺伝子組換え技術へ応用することができる
・線状DNAにおける末端問題を説明することができる
7週 DNA、RNA、タンパク質の検出技術
*「次週、中間試験を実施する」
・DNAとRNAの化学的構造・性質について理解し,Tmなどを測定する原理を理解することができる
・ハイブリダイゼーションについて理解することができる
・放射性同位元素や蛍光物質を用いたラベルを理解し、生物系実験に応用することができる
8週 「中間試験」 学んだ知識の確認ができる
2ndQ
9週 セントラルドグマ&RNAの構造 ・DNAのから蛋白質への流れを理解できる
・RNAについて理解し,バイオテクノロジーへ応用することができる
10週 RNAの転写機構(1) ・原核細胞におけるRNAポリメラーゼの働き,構造について理解することができる
・転写反応の開始・伸長方法についても理解できる
・これらの知識を遺伝子組換技術として応用することができる
11週 RNAの転写機構(2)&真核生物のm−RNAの合成方法 ・転写反応の終結方法について理解できる
・イントロン・エキソンなどを含むDNAから,成熟したm-RNAができるまでのプロセスを理解できる.これらの知識を遺伝子組換技術として応用することができる
12週 遺伝子の制御・ラクトースオペロンとトリプトファンオペロン ・ラクトースオペロンとトリプトファンオペロンのメカニズムについて理解し,遺伝子組換技術として応用することができる
13週 生物工学に関わる最新研究紹介 バイオテクノロジーに関わる最新研究についての紹介を聴講し、今まで修得した知識がどのように活かされているのかを理解できる
14週 翻訳 ・翻訳の分子メカニズムを理解できる
・“ゆらぎ説“について理解できる
これらの知識を遺伝子組換技術として応用することができる
15週 総復習 学んだ知識の確認ができる
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前1
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4前2,前3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4前9,前12,前14
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4前2
細胞周期について説明できる。4前2
分化について説明できる。4前2
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4前2,前3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前4,前7
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前4,前7,前14
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前14
タンパク質の高次構造について説明できる。4前10,前14
ヌクレオチドの構造を説明できる。4前3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4前3,前4,前5,前6
DNAの半保存的複製を説明できる。4前3,前4,前5,前6
RNAの種類と働きを列記できる。4前9,前11,前12
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4前10,前11,前12,前14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力030000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000