分析化学実験

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 分析化学実験
科目番号 085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質化学工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 新版 分析化学実験(東京教学社)/補助プリント
担当教員 古崎 睦,宮越 昭彦,兵野 篤,小寺 史浩,技術職員

到達目標

1. 薬品や火気、代表的な実験器具を正しく取り扱い、基本的な実験操作を行うことができる。
2. 得られた実験データを基に必要な計算や考察をして、実験レポートを作成できる。
3. 与えられた実験課題に対して、学んだ知識・技術を活用しながら、実験指針を立案し、実験を進め、データを解析し、成果を報告できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1薬品や火気、代表的な実験器具を正しく取り扱い、基本的な実験操作を正確且つ迅速に行うことができる。薬品や火気、代表的な実験器具を正しく取り扱い、基本的な実験操作を行うことができる。薬品や火気、代表的な実験器具を正しく取り扱えず、基本的な実験操作を行うことができない。
評価項目2得られた実験データを基に必要な計算や考察をして、適切な実験レポートを作成できる。得られた実験データを基に必要な計算や考察をして、実験レポートを作成できる。得られた実験データを基に必要な計算や考察をして、実験レポートを作成することができない。
評価項目3与えられた実験課題に対して、適切な実験指針を立案し、実験を進め、データを解析し、成果を報告できる。与えられた実験課題に対して、実験指針を立案し、実験を進め、データを解析し、成果を報告できる。与えられた実験課題に対して、適切な実験指針を立案し、実験を進め、データを解析し、成果を報告できない。

学科の到達目標項目との関係

  物質化学工学科の教育目標③ 説明 閉じる
  本科の教育目標② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では、基本的な化学分析の操作法を身につけると共に、化学反応における定性・定量的な考え方を体得する。また、汎用的な能力となる実験報告書(レポート)の作成方法を習得する。
授業の進め方・方法:
・重量分析、容量分析、機器分析/定性分析/分離分析、および自由研究の順に展開する。最終の自由研究では、提示された複数の実験課題の中から一つを選択し、それまでに学んだ知識・技術を活用して、実験指針の立案・分析・解析・成果報告を行う。
・概ね実験テーマの終了毎にレポート作成の時間を設定し、必要な計算や結果の整理・考察に関する指導・助言を行う。
・授業の流れは、ガイダンス→実験(→ノートチェック)→片付け(→小テスト解答送信)を基本とする。
注意点:
・中間試験、期末・学年末試験は実施しない。
・評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、実験安全講習、実験準備 本科目の目標、内容、予定、評価法および実験ノートの書き方などがわかる。また、実験遂行上の注意点、器具の名称や使用目的がわかる。
2週 重量分析①、試薬調製①
ジメチルグリオキシム法の原理を理解し、正しい操作に則って目的沈殿物を形成させることができる。また、所定の試薬を正しく調製できる。
3週 重量分析②、試薬調製② 生成した沈殿の恒量値から、試薬中のニッケル含有率を求めることができる。また、所定の試薬を正しく調製できる。
4週 重量分析③(レポート作成)
スライド実験Iに関するガイダンス
結果の整理、計算、考察等を進め、レポートをおおかた作成することができる。
スライド実験Iの進め方や内容について理解できる。
5週 スライド実験I①
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
6週 スライド実験I②
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
7週 スライド実験I③
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
8週 スライド実験I④
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
2ndQ
9週 スライド実験I⑤(レポート作成) 結果の整理、作図、考察等を進め、レポートをおおかた作成することができる。
10週 スライド実験I⑥
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
11週 スライド実験I⑦
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
12週 スライド実験I⑧
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
13週 スライド実験I⑨
強酸-強塩基中和滴定 / 弱酸-強塩基中和滴定 / 沈殿滴定 / キレート滴定
・中和滴定により、強酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・中和滴定により、乳酸菌飲料中の酸濃度を求め、弱酸-強塩基の滴定曲線を作成できる。
・沈殿滴定により、食塩中に含まれる塩化物イオンを定量することができる。
・キレート滴定により、検水の硬度を求めることができる。
14週 スライド実験I⑩(レポート作成) 結果の整理、作図、考察等を進め、レポートをおおかた作成することができる。
15週 スライド実験IIに関するガイダンス スライド実験IIの進め方や内容について理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 スライド実験II①
吸光光度法 /酸化還元滴定 / 系統分析 / 分離分析
・吸光光度法により、モール塩中の鉄を定量できる。
・酸化還元滴定により、モール塩中の鉄を定量できる。
・分属試薬を用いて、検水中の金属イオンについて分離・定性できる。
・ペーパークロマトグラフ法により、検水中の金属イオンを分離分析できる。
2週 スライド実験II②
吸光光度法 /酸化還元滴定 / 系統分析 / 分離分析
・吸光光度法により、モール塩中の鉄を定量できる。
・酸化還元滴定により、モール塩中の鉄を定量できる。
・分属試薬を用いて、検水中の金属イオンについて分離・定性できる。
・ペーパークロマトグラフ法により、検水中の金属イオンを分離分析できる。
3週 スライド実験II③(レポート作成) 結果の整理、計算、作図、考察等を進め、レポートをおおかた作成することができる。
4週 スライド実験II④
吸光光度法 / 酸化還元滴定/ 系統分析 / 分離分析
・吸光光度法により、モール塩中の鉄を定量できる。
・酸化還元滴定により、モール塩中の鉄を定量できる。
・分属試薬を用いて、検水中の金属イオンについて分離・定性できる。
・ペーパークロマトグラフ法により、検水中の金属イオンを分離分析できる。
5週 スライド実験II⑤
吸光光度法 / 酸化還元滴定 / 系統分析 / 分離分析
・吸光光度法により、モール塩中の鉄を定量できる。
・酸化還元滴定により、モール塩中の鉄を定量できる。
・分属試薬を用いて、検水中の金属イオンについて分離・定性できる。
・ペーパークロマトグラフ法により、検水中の金属イオンを分離分析できる。
6週 スライド実験II⑥(レポート作成) 結果の整理、計算、作図、考察等を進め、レポートをおおかた作成することができる。
7週 自由研究に関するガイダンス 自由研究の進め方や内容について理解できる。
8週 自由研究① 選択した実験課題について、班員と協力しながら実験指針を立案し、分析を行い、結果を解析することができる。
4thQ
9週 自由研究② 選択した実験課題について、班員と協力しながら実験指針を立案し、分析を行い、結果を解析することができる。
10週 自由研究③ 選択した実験課題について、班員と協力しながら実験指針を立案し、分析を行い、結果を解析することができる。
11週 自由研究④ 選択した実験課題について、班員と協力しながら実験指針を立案し、分析を行い、結果を解析することができる。
12週 自由研究⑤ 選択した実験課題について、班員と協力しながら実験指針を立案し、分析を行い、結果を解析することができる。
13週 自由研究⑥ 選択した実験課題について、班員と協力しながら実験指針を立案し、分析を行い、結果を解析し、発表用資料を作成することができる。
14週 自由研究⑦(成果発表会) 選択した実験課題について、班員と協力しながら得られた結果を整理し、資料を作成し、口頭発表することができる。
15週 自由研究⑧(レポート作成)
実験室片付け
自由研究について結果の整理、計算、作図、考察等を進め、レポートをおおかた作成することができる。また、実験器具の確認、整理ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前4,前9,後3,後6,後15
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前4,前9,前14,後3,後6,後15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前4,前9,前14,後3,後6,後15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前4,前9,前14,後3,後6,後15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後14
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前4,前9,前14,後3,後6,後14,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前4,前9,前14,後3,後6,後14,後15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前4,前9,前14,後3,後6,後14,後15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

レポート器具・薬品の取扱等発表小テスト合計
総合評価割合6015151000100
基礎的能力155550030
専門的能力405550055
分野横断的能力55500015