生化学実験

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生化学実験
科目番号 087 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 各テーマの実験テキスト(プリント配布またはweb配付)、実験に関する動画
担当教員 杉本 敬祐,松浦 裕志,辻 雅晴,技術職員

到達目標

1. 生物化学分野の基礎的な実験方法と機器の使用法を習得するとともに、実験を通して、生物化学,生物学,微生物学の知識を習得する。
2. バイオ分野におけるデータベースの利用等情報リテラシーを身に付ける。
3. 実験結果をまとめて正確に記述するとともにそれらを基に論理的に考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各テーマの内容を正確に理解し,正確な段取りで,各種機器を正確に使用して,実験することができる。各テーマの内容の概要を理解し,正しい手順で各種機器を使いこなして実験ができる。 左記に達していない
評価項目2バイオ分野の各種データベースを使いこなして,様々な情報を得ることができる。バイオ分野の指定されたデータベースを用いて,適切な情報を得ることができる。左記に達していない
評価項目3実験結果を正確にまとめ,評価すると共に,適切な文献等を参照し,充分な考察を記述することができる。実験結果を正確にまとめ,ほぼ妥当な考察をすることができる。左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

  物質化学工学科の教育目標③ 説明 閉じる
  本科の教育目標② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物関連物質の性質についての理解を深め,生物試料の調製・取扱・分析法やパソコンによるデータ処理等の基礎的技術を習得する。
授業の進め方・方法:
授業内容に示した実験を行い,自学学習時間を用いてレポートを作成する。また,実験前日には,実験を効率よく進めるために,操作手順などを事前に作成しておく。
注意点:
各回の実験テーマについて,生化学の講義での関連分野を良く復習するとともに,テキストおよびホームページ*の指示に従って事前レポートを作成した上で実験に臨むこと。実験終了の1週間後までにレポートを作成し提出する。なお、テスト期間に実施するテストは、各実験テーマに関する技術・技術の定着を確認する内容で、レポート評価点に組み込まれる。
*初回ガイダンス時に連絡するアドレスに実験操作を動画にしたコンテンツを用意した(杉本担当)。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 実験の取り組み方について理解している。正しい濃度の溶液の作成方法を理解している。
2週 マイクロピペットの使用法と検定・レポート作成法 マイクロピペットを使用する事ができる。データを正しく扱い、実験レポートを記載する事ができる。
3週 生体高分子の構造 タンパク質の立体構造を分子表示ソフトで表示し,タンパク質の高次構造を支える相互作用について説明できる。
4週 顕微鏡操作
光学顕微鏡の基本的操作が実施できる。様々な生物試料を観察し、スケッチ等を通して細胞や組織の構造を理解することができる。
5週 タンパク質の定量 分光光度計を使ってタンパク質の濃度測定ができる。
6週 糖の定性反応 各種の糖の性質の違いを利用して,未知の糖を同定できる。
7週 返却レポートの修正1 指示に従い適切にレポートを修正できる。
8週 生体物質の精製
ゲル濾過の分離メカニズムを理解し,カラムクロマトグラフィーの操作を行うことができる。
4thQ
9週 酵素反応 条件を変えて酵素活性(唾液アミラーゼ)を測定することにより,酵素の性質を理解することができる。
10週 返却レポートの修正2
指示に従い適切にレポートを修正できる。
11週 寒天培地の作製 培地を作成し,微生物を純粋培養する事ができる。
12週 植物色素の分離 TLC の分離メカニズムを理解し、抽出した光合成色素を分離する事ができる。クロマトグラフィーの操作を行うことができる。
13週 返却レポートの修正3
指示に従い適切にレポートを修正できる。
14週 DNAホモロジー検索 生物情報データベースにアクセスしてタンパク質の情報を検索する事ができる。
15週 返却レポートの修正4・実験室片付け清掃 指示に従い適切にレポートを修正できる。
16週 学年末試験 様々な実験の理論的背景や実験手技の理論を説明出来る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4後4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4後11
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4後12
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4後5
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4後8,後12
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4後9
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3

評価割合

レポート実験技能と取組度試験合計
総合評価割合60355100
基礎的能力155020
専門的能力3520560
分野横断的能力1010020