機械工作法Ⅰ(1085)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 機械工作法Ⅰ(1085)
科目番号 3M34 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業システム工学科機械システムデザインコース 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 新機械工作1,2/吉川昌範監修/実教出版,教員作成プリント
担当教員 赤垣 友治

到達目標

(1)切削加工・研削加工・精密仕上げ・特殊加工等を理解し,簡単なモデル図を描いて説明できること.
(2)加工に関する専門用語を説明でき、加工に関する計算ができること.
(3)課題を自分で調べ,まとめることができること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1切削加工・研削加工・精密仕上げ・特殊加工等の原理、特徴を理解し,モデル図を描いて説明できる。切削加工・研削加工・精密仕上げ・特殊加工等の原理、特徴を概ね理解し,モデル図を描いて簡単に説明できる。切削加工・研削加工・精密仕上げ・特殊加工等の原理、特徴を理解し,モデル図を描いて説明できない。
評価項目2加工に関する計算問題(切削速度、送り速度、切削抵抗、切削動力、切削比、せん断ひずみとせん断角の関係、理論的表面粗さ、ホーニング速度、交差角、工具寿命と切削速度の関係式など)ができる。加工に関する簡単な計算問題(切削速度、送り速度、切削抵抗、切削動力、切削比、せん断ひずみとせん断角の関係、理論的表面粗さ、ホーニング速度、交差角、工具寿命と切削速度の関係式など)ができる。加工に関する計算問題(切削速度、送り速度、切削抵抗、切削動力、切削比、せん断ひずみとせん断角の関係、理論的表面粗さ、ホーニング速度、交差角、工具寿命と切削速度の関係式など)ができない。
評価項目3精密仕上げ法、放電加工について原理、特徴を説明できる。精密仕上げ法、放電加工について原理、特徴を簡単に説明できる。精密仕上げ法、放電加工について原理、特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
 機械工学とは,有用な機械システムを設計し製作することである.この意味において,機械加工技術は現代の機械工業を支える重要な柱の一つと言える.機械システムの性能及び精度向上のためには,高精度な機械加工技術が必要不可欠である.従って,本講義は,機械工学を専攻する学生にとって重要な科目で必修科目である.本講義は学習教育目標である『得意とする専門分野の知識と技術の修得』を目指している.具体的な授業目標は,切削加工,研削加工,特殊加工法等の原理や特徴を理解し,高精度加工に関する考え方を育成することである.
授業の進め方・方法:
 履修学生は,工作実習の経験を通して切削加工・研削加工・特殊加工とはどんなものかを理解している.本講義では各々の加工の仕組み(メカニズム)を講義し,よい加工,高精度加工のための原理・原則とその考え方を学ぶ.
 週2時間の講義で春・夏学期に各々15時間開講する(到達度試験1時間含む).到達度試験は春・夏学期末に各1回、計2回実施する.
注意点:
 学修単位です。1単位(45時間)は、15時間授業+30時間自学自習です。春・夏学期に各々30時間の自学自習(到達度試験準備のための勉強時間含む)が必要です。関連する内容に関する自学自習課題として,演習問題(レポート)を課す。必ず60時間の自学自習を行い,レポートを提出すること。 自学自習の成果は提出されたレポートによって評価する。定期試験70%,提出レポート等30%で評価し,60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 切削加工①(機械工作法の概要,切削工具と工作機械,工具材料の具備すべき条件,工具材料:炭素工具鋼,合金工具鋼,高速度工具鋼) 正確な加工をするために工作機械、工具に求められる3つの運動及び条件を説明できる。工作機械の種類、構造、工具について説明できる。
2週 切削加工②(工具材料:粉末成形法,超合金,セラミックス,サーメット,焼結ダイヤモンド,cBN, 硬質皮膜) 工具材料の具備すべき条件、種類、特徴を説明できる。
3週 切削加工③(主運動が回転及び直線運動における切削速度・送り速度・切込み,工具刃部の形状,理論的表面粗さ),練習問題 旋削、フライス加工において、切削速度、送り速度、加工時間を計算できる。理論的な表面粗さの表示式を導出できる。
4週 切削加工④(切りくずの生成機構,切削による熱の発生機構と切削温度,切削異常:構成刃先,びびり振動) 切りくずの生成メカニズムを説明できる。熱の発生メカニズム、構成刃先、びびり振動について説明できる。
5週 切削加工⑤(切削比とは,切削比,せん断ひずみ,せん断角の関係) 切削比の物理的意味、せん断ひずみ、せん断角との関係を計算できる。
6週 切削加工⑥(切削抵抗,切削動力,機械効率),練習問題 切削抵抗の定義、3分力を理解し、切削動力、機械効率を計算できる。
7週 切削加工⑦(工具寿命の定義と判定基準,Taylorの式,工具の摩耗形態,切削油剤の3作用,鉱物油,乳化油),練習問題 工具寿命の定義、判定基準を説明できる。Taylorの式を導出し、その式を使って寿命を計算できる。工具の摩耗形態、切削油剤の3作用、乳化油について説明できる。
8週 春学期到達度試、答案返却及び解説
2ndQ
9週 研削加工①(あらまし,研削砥石の三要素,砥石の性能を決める五大要素,自生作用 等) 砥石の3要素、性能を決める5大因子、自生作用、研削の特徴を説明できる。
10週 研削加工②(平面研削、円筒研削、内面研削、切り屑の最大厚さ) 平面、円筒、内面研削について特徴を説明できる。円筒研削における砥粒の最大切込深さ(切屑の最大厚さ)の理論式を理解し説明できる。
11週 研削加工③(研削抵抗,研削熱,研削液 等) 研削抵抗、研削熱のメカニズム、研削液の作用について説明できる。
12週 研削加工④(研削状態の分類と研削面の品質 等) 4つの研削状態の特徴、原因を説明できる。また研削における加工変質層、塑性流動層について説明できる。
13週 精密仕上げ①(ホーニング,ラッピング,超仕上げ) 精密仕上げが必要な理由を説明できる。ホーニング,ラッピング,超仕上げについて加工原理、特徴を説明できる。
14週 精密仕上げ②(ホーニング,ラッピング,超仕上げ) ホーニング,ラッピング,超仕上げについて加工原理、特徴を説明できる
15週 特殊加工(放電加工 等) 放電加工(型彫り、ワイヤー)について原理、特徴を説明できる。
16週 夏学期到達度試験、答案返却及び解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000