ロボティクス(1095)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 ロボティクス(1095)
科目番号 5M32 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業システム工学科機械システムデザインコース 対象学年 5
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2
教科書/教材 イラストで学ぶ ロボット工学,木野 仁,講談社/教員作成プリント
担当教員 北川 広大

到達目標

(1)ロボット工学の概要、マニピュレータの構成要素、ロボットの制御方法が説明できる。
(2)順運動学と逆運動学を用いてマニピュレータの手先位置や関節角度を計算できる。
(3)ヤコビ行列を用いて、マニピュレータの速度、力、手先位置を制御できる。
(4)動力学や運動方程式によって、マニピュレータの軌道制御ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1冗長マニピュレータについて,自由度と座標系の説明ができ,順運動学と逆運動学の計算ができる.非冗長マニピュレータについて,自由度と座標系の説明ができ,順運動学と逆運動学の計算ができる.マニピュレータについて,自由度と座標系の説明ができず,順運動学と逆運動学の計算ができない.
評価項目2関節座標系での位置制御を応用して,簡易的な軌道制御ができる.関節座標系でのマニピュレータの位置制御ができる.関節座標系でのマニピュレータの位置制御ができない.
評価項目3ヤコビ行列を用いて,マニピュレータの速度制御,力制御,手先座標系での位置制御ができる.ヤコビ行列を用いて,マニピュレータの速度制御ができる.ヤコビ行列を用いたマニピュレータの制御ができない.

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春学期2時間,夏学期2時間
・現在,様々な形態・機能を有するロボットが稼働している.本講義では生産現場など幅広い環境で稼働している腕型ロボット(マニピュレータ)をとりあげ,講義を通して1本のマニピュレータを制御できるようになることを目標とする.
授業の進め方・方法:
・授業はパワーポイントを活用し,講義を中心に行う.理解を深めるために適宜,演習を取り入れる.
・到達度試験80%,自学自習課題(レポート)など20%として,100点満点で総合的に評価し,60点以上を合格とする.
注意点:
・ロボティクスを学ぶためには,数学と物理学(力学)の知識が必要となるので,数学(特に,線形代数,微分積分),物理学(基礎力学,応用物理)は十分に復習しておくこと.必要に応じて,これらの教科書などを持ち込んでも良い.
・電卓,定規を使用するので,毎回持参すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,ロボット工学の基礎知識、フィードフォワード制御、フィードバック制御、 ロボット工学の概要、制御の種類、マニピュレータの構成要素を説明できる。
2週 基本的な制御(並進運動におけるPD制御,回転運動におけるPD制御) 並進運動と回転運動の定義及び並進運動におけるPD制御,回転運動におけるPD制御の制御方法を説明できる。微分と積分を用いて、位置、速度、加速度、力、角度、角速度、角加速度、トルクを計算できる。
3週 自由度と座標系(手先自由度と関節自由度,非冗長と冗長,手先座標系と関節座標系) 並進系と回転系の自由度と座標系および非冗長と冗長の定義を説明できる。マニピュレータの自由度を算出できる。
4週 順運動学と逆運動学①(順運動学と逆運動学の関係) 順運動学と逆運動学の定義と関係を説明できる。
5週 順運動学と逆運動学②(手先位置や関節角度の算出) 順運動学と逆運動学によって手先位置や関節角度を計算できる。
6週 関節座標系での位置制御(PD制御を用いたPTP制御) PTP制御と軌道制御の定義を理解し、説明できる。PD制御を用いた2リンク2関節システムのPTP制御を説明できる。関節トルクを求めることができる。
2リンク2関節システムの逆運動学の計算ができる。
7週 関節座標系での位置制御(重力補償,軌道制御) 重力補償を理解し、説明できる。マニピュレータの重力補償を計算できる。
PTP制御を用いた軌道制御を説明できる。
8週 到達度試験
2ndQ
9週 速度制御(手先速度と関節角速度の関係,ヤコビ行列) 手先速度を計算できる。ヤコビ行列の定義を説明し、算出できる。
10週 速度制御(分解速度法による軌道制御,特異姿勢) 分解速度法による軌道制御と特異姿勢の定義を説明できる。マニピュレータの特異姿勢を算出できる。
11週 力制御(仮想仕事の原理と力制御) 仮想仕事の原理により手先の力と関節トルクの関係を導出できる。
12週 手先座標系での位置制御(手先座標系におけるPD制御) 作業座標系のPD制御方法を説明できる。作業座標と力のハイブリッド制御ができる。
13週 解析力学の基礎(静力学と動力学) 静力学と動力学の定義を説明できる。
ラグランジュ法を用いて運動方程式を導出できる。
14週 動力学(順動力学と逆動力学) 順動力学と逆動力学および計算トルク法による軌道制御を説明できる。
15週 到達度試験
16週 答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000