エネルギー物理学Ⅱ(0234)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 エネルギー物理学Ⅱ(0234)
科目番号 0289 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科機械システムデザインコース 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高専テキストシリーズ 物理 上 力学・波動 (森北出版) 高専テキストシリーズ 物理 下 熱・電磁気・原子 (森北出版) 高専テキストシリーズ 物理問題集 (森北出版)
担当教員 舘野 安夫,田端 健,福地 進

到達目標

(1) 波動の基礎を理解し,光や音の現象を,エネルギーの伝播として説明できる
(2) 電気エネルギーの基礎となる,基本的な計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)波動がエネルギーの伝播を定性的に説明でき,ヤングの干渉実験や,弦・気柱の振動について,物理的な性質を定量的に求めることができる波動の基本的な性質を理解し,計算によって基本的な問題を解くことができる波動の基本的な性質を,定性的に説明することができない
到達目標(2)電場や電位をエネルギーに結びつけて定性的に説明でき,キルヒホッフの法則を用いたやや複雑な回路の電流や電圧降下を計算で求めることができる電場と電位の違いを定性的に説明でき,コンデンサを含む基本的な電気回路の計算問題を解くことができるオームの法則を用いた,電気抵抗を含むごく基本的な電気回路の問題を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 DP2 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】冬学期週4時間
物理学における最重要概念である「エネルギー」を俯瞰し,これを用いて物理現象を記述できるようになることが目標である。2年生の物理の総まとめと位置づけ,エネルギー物理学I,力学IIの知識を集約して,エネルギーの伝播の基本である振動の現象と,熱力学の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
2年生の総まとめとして,また,3年生以降の応用物理を見据え,微分や積分の概念を紹介しつつエネルギーの正体を解説する。エネルギー物理学IIで取り扱う内容は視覚化が難しく,概念でとらえる必要性が高い分野である。演習問題などを適宜行いつつ,日常生活に現れる現象とリンクさせながら議論を進める。
注意点:
1,2年生で学んだ物理と数学を理解できていることが,エネルギー物理学IIを履修する上での前提条件である。習得が不十分であれば,秋学期を利用してよく復習しておくこと。また,一度分からなくなると,理解が追いつくまでに非常に長い時間を要するため,分からなくなりかけたら,できるだけ速やかに質問したり,調査したりするスキルが要求される。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 波動の基礎① 波の性質,重ね合わせの原理,縦波と横波
2週 波動の基礎② 波の干渉と定常波,ドップラー効果
3週 波としての光ーヤングの干渉実験
4週 音波のエネルギーの活用ー弦と気柱の振動
5週 電場と電位
6週 コンデンサーの接続と静電エネルギー
7週 キルヒホッフの法則
8週 到達度試験(答案返却とまとめ)
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2後1
横波と縦波の違いについて説明できる。2後1
波の重ね合わせの原理について説明できる。2後1
波の独立性について説明できる。2後1,後2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2後2,後3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2後2
ホイヘンスの原理について説明できる。2後1
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2後1
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2後4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2後4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2後4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2後4
自然光と偏光の違いについて説明できる。2後3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2後3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2後3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2後5
電場・電位について説明できる。2後5,後6
クーロンの法則が説明できる。2後5
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2後5
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2後7
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2後7
ジュール熱や電力を求めることができる。2後7

評価割合

到達度試験小テスト・レポート等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000