到達目標
酸化還元反応の定義、電子の授受や酸化数の変化を説明でき、酸化剤・還元剤の反応の知識を身につける。金属のイオン化傾向を理解し、具体的な金属の反応性の知識を身につける。酸化還元反応を利用した電池と電気分解を理解し、電池の構造や電気分解での反応についての知識を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 酸化還元反応の定義、電子の授受や酸化数の変化を十分に理解していて、酸化剤・還元剤の反応の知識を身に付けている。 | 酸化還元反応の定義、電子の授受や酸化数の変化を知っている。また、酸化剤・還元剤の反応の知識を身に付けている。 | 酸化還元反応の定義、電子の授受や酸化数の変化を知らない。また、酸化剤・還元剤の反応の知識を身に付けていない。 |
評価項目2 | 金属のイオン化傾向を十分に理解していて、具体的な金属の反応性の知識を身に付けている。 | 金属のイオン化傾向を知っている。また、具体的な金属の反応性の知識を身に付けている。 | 金属のイオン化傾向を知らない。また、具体的な金属の反応性の知識を身に付けていない。 |
評価項目3 | 酸化還元反応を利用した電池と電気分解を十分に理解しており、電池の構造や電気分解での反応についての知識を身につけている。 | 酸化還元反応を利用した電池と電気分解を知っており、電池の構造や電気分解での反応についての知識を身につけている。 | 酸化還元反応を利用した電池と電気分解を知らない。また、電池の構造や電気分解での反応についての知識を身につけていない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
酸化還元反応の定義を理解・習得し、電子の授受や酸化数の変化による説明や具体的な酸化剤・還元剤の反応に関する基本的な知識を身につける。金属のイオン化傾向について理解・習得し、具体的な金属の反応性について基本的な知識を身につける。酸化還元反応の利用としての電池、電気分解を理解し、具体的な電池の構造や電気分解での反応について基本的な知識を身につける。さらに実験を通じて化学の理解度を深め、実験レポートを作成できること。
【開講学期】秋学期週4時間(高専単位1単位)
授業の進め方・方法:
酸化還元反応の定義と酸化数の定義の有効性を基に,具体的な酸化剤や還元剤の反応にあてはめ、事物・現象の中の共通性について考察できるようにする。それらに基づき酸化還元反応を論理的に考察できるようにする。金属のイオン化傾向を基に、いろいろな金属の反応性について考察できるようにする。酸化還元反応の利用としての電池と電気分解を具体例として、酸化還元反応としての規則性や共通性を見出し論理的に考察できるようにする。
【評価方法】到達度テスト80%、小テストおよび課題提出20%として評価を行い、総合評価を100点満点として60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
授業では複数回の小テストや課題を行うが、普段から授業にしっかりと取り組み、これらに取り組むこと。実験の際は指示に従って安全に気をつけながら行う。実験報告書は、理論に基づいた結果となっているか良く考察して作成し、必ず提出すること。実験は秋学期の間に行う。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
酸化と還元(水素の授受、酸素の授受、電子の授受) |
酸化と還元(水素の授受、酸素の授受、電子の授受)が分かる
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2週 |
酸化還元を電子の授受で表した半反応式、酸化数 |
酸化還元を電子の授受で表した半反応式、酸化数を理解できる
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3週 |
酸化還元反応と酸化数の変化 |
酸化還元反応と酸化数の変化を理解できる
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4週 |
酸化剤と還元剤(定義と種類) |
酸化剤と還元剤(定義と種類)が分かる
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5週 |
おもな酸化剤と還元剤の反応、電子の授受と反応式 |
おもな酸化剤と還元剤の反応、および、電子の授受と反応式(半反応式からイオン反応式および化学反応式の誘導)が分かる
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6週 |
酸化剤と還元剤のはたらきの強さ |
酸化剤と還元剤のはたらきの強さを理解できる
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7週 |
金属のイオン化傾向、金属イオンと金属単体の反応 |
金属のイオン化傾向、金属イオンと金属単体の反応が分かる
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8週 |
金属単体の反応性 |
金属単体の反応性が分かる
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4thQ |
9週 |
ダニエル電池の仕組み、実用電池とそれらの分類 |
ダニエル電池の仕組み、実用電池とそれらの分類が分かる
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10週 |
実用電池の仕組み(鉛蓄電池、燃料電池) |
実用電池の仕組み(鉛蓄電池、燃料電池)を理解できる
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11週 |
電気分解、ファラデーの電気分解の法則 |
電気分解、ファラデーの電気分解の法則が分かる
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12週 |
電気分解の応用例
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電気分解の応用例として、銅の電解精錬、およびアルミニウムの溶融塩電解が分かる
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13週 |
電池の原理の実験方法、無機化合物の合成と分離の実験方法 |
金属のイオン化傾向の違いを利用した電池の原理、および、無機化合物の合成と分離の実験方法が分かる
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14週 |
実験(電池の原理、無機化合物の合成と分離) |
実験(電池の原理、および無機化合物の合成と分離)を行い、報告書が書ける
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15週 |
到達度試験 |
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16週 |
答案返却とまとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 酸化還元反応について説明できる。 | 3 | |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 3 | |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 3 | |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | |
化学実験 | 化学実験 | レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 小テスト・課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |