材料力学Ⅰ(1047)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料力学Ⅰ(1047)
科目番号 3M47 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位B: 2
開設学科 産業システム工学科機械・医工学コース 対象学年 3
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q),秋学期(3rd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2 3rd-Q:2
教科書/教材 材料力学Ⅰ/渥美・三ケ田・鈴木著/森北出版
担当教員 森 大祐

到達目標

1.応力とひずみの定義、フックの法則の意味を理解し、引張・圧縮の場合の応力や伸びを求められること。
2.組合せ棒や熱応力などの簡単な不静定問題が解けること。
3.丸軸のねじり応力の求め方を理解し、簡単な動力軸の強度計算ができること。
4.はりに作用するせん断力・曲げモーメントを求められること。
5.各種の荷重が作用するはりのせん断力図・曲げモーメント図を作成できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1応力とひずみの定義、フックの法則の意味を理解し、引張・圧縮を受ける一様断面棒の設計に応用できる。応力とひずみの定義、フックの法則を知り、引張・圧縮の場合の応力や伸びを計算できる。応力とひずみの定義、フックの法則の意味を理解していない。
評価項目2組合せ棒や熱応力などの不静定問題について応力や変位を計算できる。不静定問題について力のつりあい式と変形条件式を基に解く方法を理解している。不静定問題について、力のつりあい式と変形条件式を求められない。
評価項目3丸軸のねじりについての計算方法を理解し、設計に応用できる。ねじりを受ける丸軸について、ねじり応力及びねじれ角を計算できる。丸軸のねじりについて、ねじり応力及びねじれ角の計算方法を理解していない。
評価項目4複数の荷重を受けるはりに作用するせん断力・曲げモーメントを求められる。基本的なはりについてせん断力・曲げモーメントを求められる。荷重を受けることによってはりの断面にせん断力・曲げモーメントが生じることを理解していない。
荷重、せん断力、曲げモーメントの関係を理解し、比較的複雑な荷重を受けるはりのせん断力図・曲げ複数の荷重を受けるはりのせん断力図・曲げモーメント図を作成できる。せん断力図・曲げモーメント図を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春学期週2時間・夏学期週2時間・秋学期週2時間
材料力学は機械や構造物の設計において欠くことのできない学問であり、機械工学の中でも重要な柱の一つである。機械システムデザインコースでは、3学年および4学年で材料力学を学ぶことになる。この授業では、春学期および夏学期に、材料力学の考え方に関する重要な基礎を身に付けることを目的とする。その後、秋学期においては、それらの基礎を土台として、機械・構造物の主要な構成部材である「はり」の強度・設計を考える上で重要な基礎を身に付けることを目的とする。また主要なテクニカルタームについては英語表記も身に付ける。
授業の進め方・方法:
機械や構造物を設計する場合、部材が十分な強さを持つことは勿論だが、必要以上に強大な材料を使用すれば不経済なばかりか機能が低下する場合もある。したがって部材内に生じる力や変形を考察し材料自体の強さと合わせて合理的な形状・寸法を決定することは、安全で機能的な設計をするうえで不可欠である。この授業では様々な外力を受ける部材内部に生じる力や変形を求める方法について学ぶ。授業では新たな項目の考え方を説明し、例題を解いて導かれた式の理解を深める。さらに自分で演習問題を解き、式の使い方や応用力を身に付ける。
到達度試験(80%)、演習課題(20%)を総合評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
本講義は学修単位講義科目であり、自学自習が義務付けられている。与えられた課題のみならず、自分で一つでも多くの演習問題を解いて理解度をチェックすること。常に「もの」をイメージし、考え方や式の意味を実際の現象と結び付けて理解するように心がけること。公式や解法を暗記するのではなく、考え方を理解すること。到達度試験前に具体的な項目に対する達成度調査を行うので、自分の達成度を率直に評価し学習に役立てて欲しい。試験の答案は採点後に返却するので、未達成部分を自己学習によって解決すること。事故や故障など身近な材料強度に関する話題に関心を持ち、その原因や安全対策を考えてみる姿勢を持って欲しい。自学自習の成果は宿題及び試験によって評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 荷重と応力 荷重の種類及び荷重による材料の変形を理解できる。
垂直応力・せん断応力の定義を理解できる。
2週 ひずみ 垂直ひずみ・せん断ひずみの定義を理解できる。
3週 応力-ひずみ線図 応力-ひずみ線図を説明できる。
4週 弾性係数とフックの法則 フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。
5週 安全率と許容応力、応力集中 許容応力と安全率、応力集中の意味を説明できる。
6週 直線棒における応力状態 軸荷重を受ける一様部材について、任意の傾きの断面に作用する垂直応力・せん断応力を求められる。
7週 棒の自重による応力 棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できる。
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる。
8週 到達度試験
2ndQ
9週 組合せ棒の応力 両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。
10週 熱応力 線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。
11週 簡単なトラス 簡単なトラスについて、部材に生じる応力と節点変位を計算できる。
12週 内圧を受ける薄肉かく 内圧を受ける薄肉円筒、薄肉球かくの応力を計算できる。
13週 丸軸のねじり ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。
14週 中空軸のねじり 丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。
15週 動力軸のねじり 動力を伝達する軸に生じるトルクを計算できる。
16週 到達度試験
後期
3rdQ
1週 断面一次モーメントと図心 各種断面の図心を求められる。
2週 断面二次モーメント 各種断面の断面二次モーメントを計算できる。
3週 せん断力と曲げモーメント はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。
4週 はりのせん断力図と曲げモーメント図
片持はりの線図
集中荷重が作用する片持はりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
5週 分布荷重,モーメント荷重を受けるはりの線図 各種の荷重が作用する片持はりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
6週 両端支持はりの線図 各種の荷重が作用する両端支持はりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
7週 荷重,せん断力,曲げモーメントの関係 荷重、せん断力、および、曲げモーメントの間に成り立つ相互関係を説明できる。
8週 到達度試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4前5
力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前3,前4
応力とひずみを説明できる。4前1,前2,前3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前3,前4
許容応力と安全率を説明できる。4前5
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4前9
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4前10
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4前3,前4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前13
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前14
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前13,前14
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4後3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4後3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4後4,後5,後6,後7
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4後1,後2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000