エネルギー物理学Ⅱ(0234)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 エネルギー物理学Ⅱ(0234)
科目番号 2E14 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高専テキストシリーズ 物理 上 力学・波動 (森北出版) 高専テキストシリーズ 物理 下 熱・電磁気・原子 (森北出版) 高専テキストシリーズ 物理問題集 (森北出版)
担当教員 中村 美道,福地 進

到達目標

(1) 波動の基礎を理解し,光や音の現象を,エネルギーの伝播として説明できる
(2) 熱力学の基礎を理解し,基本的な問題を解くことができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)波動がエネルギーの伝播を定性的に説明でき,ヤングの干渉実験や,弦・気柱の振動について,物理的な性質を定量的に求めることができる波動の基本的な性質を理解し,計算によって基本的な問題を解くことができる波動の基本的な性質を,定性的に説明することができない
到達目標(2)熱エネルギーの活用としてのサイクルを理解し,定圧変化や定積変化など,ごく基本的な気体の性質を用いて計算をすることができる熱容量や比熱など,固体や液体での熱の移動を,熱量保存則を用いて計算で求めることができる摂氏と絶対温度の換算を計算ですることができず,1年生の化学で学んだごく簡単な計算を思い出すことができない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】冬学期週4時間
物理学における最重要概念である「エネルギー」を俯瞰し,これを用いて物理現象を記述できるようになることが目標である。2年生の物理の総まとめと位置づけ,エネルギー物理学I,力学IIの知識を集約して,エネルギーの伝播の基本である波動と,熱力学の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
2年生の総まとめとして,また,3年生以降の応用物理を見据え,微分や積分の概念を紹介しつつエネルギーの正体を解説する。エネルギー物理学IIで取り扱う内容は視覚化が難しく,概念でとらえる必要性が高い分野である。演習問題などを適宜行いつつ,日常生活に現れる現象とリンクさせながら議論を進める。
注意点:
1,2年生で学んだ物理と数学を理解できていることが,エネルギー物理学IIを履修する上での前提条件である。習得が不十分であれば,秋学期を利用してよく復習しておくこと。また,一度分からなくなると,理解が追いつくまでに非常に長い時間を要するため,分からなくなりかけたら,できるだけ速やかに質問したり,調査したりするスキルが要求される。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 波動の基礎① 波の性質,重ね合わせの原理,縦波と横波
2週 波動の基礎② 波の干渉と定常波,ドップラー効果
3週 波としての光ーヤングの干渉実験
4週 音波のエネルギーの活用ー弦と気柱の振動
5週 熱力学の基礎① 温度,熱容量と比熱,熱量保存則
6週 熱力学の基礎② ボイル=シャルルの法則,気体の状態方程式,気体の分子運動論
7週 動力(エンジン)の基本,熱力学の第一法則とサイクル,熱効率
8週 到達度試験(答案返却とまとめ)
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2

評価割合

到達度試験小テスト・レポート等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000