電気基礎Ⅱ(2086)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気基礎Ⅱ(2086)
科目番号 2E33 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気・電子計測  阿部 武雄, 村山 実 (著) 森北出版; 第3版。入門 電磁気学 東京電機大学(編集) 東京電機大学出版会。 教員作成テキスト(スライド)、配布資料
担当教員 中ノ 勇人,角館 俊行

到達目標

計測の分類法、計器精度や測定誤差の定義、単位の成立ち等、計測の基礎について説明できる。
電圧、電流、抵抗、電力の測定原理を説明できる。
任意の位相、実効値をもつ正弦波電圧(電流)のフェーザ表示ができる。その逆もできる。
簡単なL,C,Rを含む回路における電流・電圧の計算を。フェーザ表示を用いて実行できる。
電荷と電界の関係、電流と磁界の関係の概略を説明できる。
クーロンの法則を用いた簡単な電界の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
計測・計器計測方法(計器)について説明でき、実践することができる。計測方法(計器)について説明できる。計測方法(計器)について説明できない。
電圧、電流、抵抗、電力の測定原理電圧、電流、抵抗、電力の測定原理について説明でき、実践することができる。電圧、電流、抵抗、電力の測定原理について説明できる。電圧、電流、抵抗、電力の測定原理について説明できない。
フェーザ表示任意の位相、実効値をもつ正弦波電圧(電流)のフェーザ表示、およびその逆がまちがうことなくできる。任意の位相、実効値をもつ正弦波電圧(電流)のフェーザ表示、もしくはその逆のどちらかはまちがうことなくできる。任意の位相、実効値をもつ正弦波電圧(電流)のフェーザ表示、もしくはその逆のどちらも確実にはできない。
L,C,R回路L,C,Rすべてを含む直列、並列回路の電圧、電流をフェーザ表示を用いて計算できる。L,C,Rを含む直列、並列回路のうち、特定のものは電圧、電流をフェーザ表示を用いて計算できる。L,C,Rを含む直列、並列回路のうち、ごく限られたものしか、電圧、電流をフェーザ表示を用いて計算できない。
電荷、電流、電界、磁界電荷と電界の関係、電流と磁界の関係の概略を説明できる。 電荷と電界の関係、電流と磁界の関係のどちらかならその概略を説明できる。電荷と電界の関係、電流と磁界の関係のどちらもその概略を説明できない。
クーロンの法則クーロンの法則を用いた簡単な電界の計算ができる。クーロンの法則は理解しているが、電界の計算ができないこともある。クーロンの法則を雰囲気でしか理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
電気情報工学コースの教育目標の一つは、電気工学の専門基礎に関する知識を身に付けることである。本科目では、3つの話題について学ぶ。
1:電気計測、単位系、アナログ計測法について学び、正しい測定法、データ処理法を身につけることを目標とする。
2:交流回路の基礎知識として、正弦波の回路における電圧、電流の振る舞いについて記述するためのフェーザ表示とその簡単な応用技術を身に着けることを目標とする。
3:電磁気学の初歩の入門として、電荷、電流、と電界、磁界の関係についての知識を獲得し、クーロンの法則など初歩的な法則を用いて計算する技術を習得することを目標とする。
【開講学期】夏学期週2時間、秋学期週2時間、冬学期週4時間
授業の進め方・方法:
電気計測の手法や単位系について学習する。正弦波交流回路のフェーザ表示による扱いを学習する。電磁気の初歩の概念を学習する。理解度を確かめるために簡単な演習問題(小テスト)を行う。
上の1,2,3の題目3つについて、それぞれ、
到達度試験80%、小テスト・演習・課題など20%として評価を行い、総合評価は100点満点として、評価する。補充試験の場合は、試験の点数のみで60点以上を60点とする。
3つの題目についての平均点をこの科目の評価とする。
注意点:
電気回路(オームの法則)や三角関数、複素数について、よく復習しておくこと。
関数電卓を持参してくること。
与えられた問題を解くだけでなく、自主的にさまざまな問題に取り組むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
2週
3週  
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
正弦波交流回路(直流と交流、正弦波、周波数、周期、角周波数)

10週 複素数の復習 1
11週 正弦波電圧、電流(初期位相、位相差、最大値、瞬時値、実効値)
12週 複素数の復習 2
13週 周期変量の平均値と実効値
正弦波関数のフェーザ形式による表現、複素数
14週 単一回路素子(抵抗素子、インダクタンス素子、静電容量素子、電源) 、電圧と電流の関係
正弦波交流に対する複数の回路素子での電圧と電流の関係
15週 演習
16週 指数関数形式と単位長フェーザ、フェーザ指数関数形式と単位長フェーザ、
後期
3rdQ
1週 フェーザ表示された正弦波関数の微分と積分
2週 オームの法則、キルヒホッフの法則、復習
3週 フェーザ表示を用いた、
単一回路素子(抵抗素子、インダクタンス素子、静電容量素子、電源) 、電圧と電流の関係
4週 演習
5週 キルヒホッフの方程式を用いた、フェーザ表示による回路網のインピーダンス計算
6週 共振回路 1
7週 共振回路 2
8週 交流回路:到達度試験(答案返却とまとめ)
4thQ
9週 計測:計測概念
電磁気: 電荷
10週 計測:各種計器
電磁気: 電荷と電界
11週 計測:単位系
電磁気: 電流と磁界
12週 計測:電圧・電流の測定方法
電磁気: クーロンの法則
13週 計測:倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法
電磁気: アンペールの法則
14週 計測:抵抗・インピーダンスの測定方法
電磁気: 電気と磁気の関係
15週 計測:電力・電力量の測定方法
電磁気: 電磁誘導と電磁波
16週 計測:到達度試験(答案返却とまとめ)
電磁気:到達度試験(答案返却とまとめ)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気クーロンの法則が説明できる。4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前5,前6
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験小テスト・演習・課題など合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000