概要:
【開講学期】春学期週4時間(機械実習)・夏学期週2時間(電気基礎実験実習)・冬学期週2時間(電気基礎実験実習)
◎前半は機械実習である。機械加工の基礎的な旋盤加工、NC加工、溶接作業、塑性加工にお ける入門的加工技術の体得である。これらの実習を真剣に受講することによって、各教科の実験知識がさらに深められる。さらには、座学で学んだ知識と有機的に結びつけて理論と実際を習得する。
◎後半は電気基礎実験実習である。本コースの教育目標の1つは、電気情報工学に関する実験技術を有することである。そこで、1学年で学んだ電気情報基礎Ⅰ・Ⅱ、そして2学年で学ぶ電気 情報基礎・演習Ⅲ~Ⅴの理論を、各テーマに基づき実際に実験を行い、検証して、理解を深めることを授業の目的とし、上記講義と対応付けながら実験を展開する方針である。
授業の進め方・方法:
◎前半の機械実習は12名程度/班で4 班に分かれて、1.5 週(6 時間)で1つのテーマを実習する。レポートおよび課題製品はテーマ毎に提出および完成させる。各機械工作に関しては、工作機器類の基本操作および実際の加工技術を丁寧に指導する。
◎後半の電気基礎実験実習はクラスをA~Hまでの8班に分け、ローテーション方式で班ごとに電気基礎実験と電子工作に関して実験及び実習を行う。レポートの書き方や内容の理解に重点を置いて授業を展開する。電気基礎実験は、ホイートストンブリッジ法、電圧降下法、直流電位差計、分圧器と分流器の構成、各種ダイオード、電位分布について実験を行う。電子工作は前期に実習で作成したアルミケースに、はんだ付けで電子回路を作成し、組み込んで動作確認を行う。
◎前半の機械実習は、製作品評価40%,レポート60%で、総合得点として100点満点のうち60点以上を合格とする。ただし、レポートが不提出の場合は不可である。学生一人一人にその都度達成度を確認させる。
◎後半の電気基礎実験実習は、レポ-ト(内容、提出状況)を70%、実験・実習・工作への取り組み(準備、実験、デ-タ処理、実習・工作の進行状況、後始末、など)を30%の割合で評価する。総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。毎回レポート内容のチェックや質疑応答を行い、合格するまで返却し、学生一人一人にその都度達成度を確認させる。
注意点:
◎前半:機械実習
工作実習の単位が取得できないと進級できない。よって、欠席することなく真剣な態度で受講して加工技術の向上を常に心がけるとともに、レポートの提出期限は厳守のこと。病気などの理由でやむを得ず欠席した場合については、申し出て補講を受けるとともにレポートも提出のこと。その際は実習担当者の説明・注意をよく聴いて安全作業に徹すること。なお、「ものづくり」に有効な現場の知恵についてもしっかりと実地見聞すること。
◎後半:電気基礎実験実習
1.実験をスム-スに効率よく実施するために、予習をしっかりやること。
2.実験の時は必ず作業服を着用し、電卓、グラフ用紙等、持参すること。
3.講義で学んだ理論との関連を実験で検証し、学習意欲を増進させる授業を展開する。
4.不可の場合は学年の課程修了の際に審議の対象となり、再試験を実施しない。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 4 | |
電磁気 | 電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 4 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 4 | |
計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 4 | |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 4 | |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 4 | |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 4 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 4 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 3 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 4 | |
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。 | 4 | |
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。 | 4 | |