到達目標
・交流回路における指数関数表示とフェーザ表示を理解し、計算に使うことができる。
・交流回路における並列回路、直列回路およびその複合回路に関する計算ができる。
・交流回路における電力の計算ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
オームの法則・キルヒホッフの法則 | 両法則を理解し、複雑な回路における各部の電圧、電流を計算できる | 両法則を理解し、基本的な回路における各部の電圧、電流を計算できる | 簡単な回路の電圧、電流を計算できない |
テブナンの定理・重ねの理 | テブナンの定理・重ねの理を理解し、複雑な回路に適用して各部の電圧・電流を計算できる | テブナンの定理、重ねの理を理解し、基本的な回路に適用して各部の電圧・電流を計算できる | テブナンの定理、重ねの理を用いた計算ができない |
電力・電力量 | 電力、電力量の意味を理解し、複雑な回路の電力を求めることができる。 | 電力、電力量の意味を理解し、基本的な回路の電力を求めることができる。 | 電力、電力量に関する計算ができない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
<春学期週2時間、夏学期週2時間>
電気回路は電子工学全般に共通する基盤的事象を学習する科目である。電気回路 IAでは、正弦波、複素指数関数からはじめて、初等的な交流回路の解析法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義1回につき、演習を1回行い、講義で得た知識を実際に問題と向き合い、解いていくことで定着させることを目指す。
講義はパワーポイントを主体とし作成した資料をBlackboard上に事前配布する。板書の筆記ではなく、講義に集中してもらいたい。
パワーポイントでは細部の説明が不足する項目、さまざまな例などパワーポイントに含まれない項目は板書を併用して補うものとする。
・到達度試験70%、レポートなど30%として評価を行い、総合評価は100点満点とし、60点以上を合格とする。
・なお、到達度試験は中間の時期にも行う。
・補充試験の最終評価は60点とする。
・答案は採点後返却し達成度を伝達する。
注意点:
・三角関数、複素指数関数に習熟しておくこと。
・電磁気学、直流回路を復習し、それらの基本的な概念を再確認しておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
・物理的基礎 ・講義:三角関数と指数関数 ・講義:周期的現象 |
・電荷と電流、電圧を説明できる。 ・代表的な周期関数である、三角関数と純虚数を指数とする指数関数について計算できる。
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2週 |
第1週の内容の演習 |
第1週に同じ
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3週 |
・講義:複素指数関数による表示 ・講義:電気回路の復習 ・講義:回路部品と逆起電力 ・講義:Kirchhoffの法則 |
・R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。 ・正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 ・正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。
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4週 |
第3週の内容の演習 |
第3週に同じ
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5週 |
・講義:枝電流法と閉路電流法 ・講義:交流の複素数表示とフェーザ |
・網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。 ・正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。
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6週 |
第5週の内容の演習 |
第5週に同じ
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7週 |
・講義:重ね合わせの原理 ・講義:テブナンの定理 |
・重ね合わせの原理やテブナンの定理を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。
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8週 |
第7週の内容の演習 |
第7週に同じ
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2ndQ |
9週 |
・講義:瞬時値、最大値、実効値 ・講義:複素交流電力 ・講義:最大電力の条件 |
・瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 ・平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 ・交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
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10週 |
第9週の内容の演習 |
第9週に同じ
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11週 |
・講義:二端子対回路 |
・簡単な二端子対回路の計算ができる。
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12週 |
第11週の内容の演習 |
第11週に同じ
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13週 |
・講義:ブリッジ回路 ・講義:共振回路 |
・ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 ・直列共振回路と並列共振回路の計算ができる
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14週 |
第13週の内容の演習 |
第13週に同じ
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15週 |
到達度試験(答案返却とまとめ)
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | 前3,前4 |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 4 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | 前1,前2 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前9,前10 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2 |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前1,前2 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前5,前6 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 4 | 前13,前14 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前9,前10 |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |