電子工学Ⅰ(2080)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子工学Ⅰ(2080)
科目番号 3E31 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 3
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q),秋学期(3rd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2 3rd-Q:4
教科書/教材 改定電子工学/西村信雄・落山謙三/コロナ社
担当教員 松橋 信明

到達目標

1.基礎知識と基礎工学力を身につけるべく、用語を理解し、基礎的事項を習得できること。
2.理論と現象を対応づけて理解できること。
3・専門工学力を身につけるべく、理論を用いた物性や現象の説明ができること。
4.理論を利用・応用した例題や演習等の具体的な計算問題の解答ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:用語の理解、基礎的事項の習得用語を理解し、基礎的事項を習得できる。用語を理解し、基礎的事項をある程度習得できる。用語を理解し、基礎的事項を習得できない。
評価項目2:理論と現象の理解理論と現象を対応づけて理解できる。理論と現象を対応づけてある程度理解できる。理論と現象を対応づけて理解できない。
評価項目3:理論を用いた物性や現象の説明理論を用いた物性や現象の説明ができる。理論を用いた物性や現象の説明がある程度できる。理論を用いた物性や現象の説明ができるない。
評価項目4:例題や演習等の計算問題の解答理論を利用・応用した例題や演習等の具体的な計算問題の解答ができる。理論を利用・応用した例題や演習等の具体的な計算問題の解答がある程度できる。理論を利用・応用した例題や演習等の具体的な計算問題の解答ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本コースの教育目標の1つは、エレクトロニクスに関する専門知識と技術を問題解決に利用できることである。そこで、電子工学に関する基礎を習得することを目標とする。さらに、半導体素子の物性を理解するのに必要な半導体工学の基礎を習得し、半導体素子の物性を理解するのに必要な不純物半導体やpn接合の特性等の半導体工学の基礎を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
◎前期は、半導体工学以外の電子工学について授業を行い、電子のふるまいに関する様々な現象、レーザーに関する基礎について学習する。後期は、半導体工学の基礎について授業を行い、エネルギ-バンドモデルを用いて真性半導体や不純物半導体の物理的性質や特性、エネルギ-バンドモデルを用いた不純物半導体やpn接合の物理的性質や特性について学習する。理論と現象を対応づけながら授業を進め、演習を多く取り入れ、計算力を高めると同時に講義内容をしっかりと理解させる方針である。
◎到達度試験70%、課題30%の割合で評価する。総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。答案及び課題は採点後返却し、達成度を確認させる。
◎補充試験を実施した場合は、補充試験の点数のみで評価する。60点以上を合格とし、その場合の評価を60点とする。
注意点:
1.講義内容をより深く理解するために、予習・復習をしっかりやること。
2.授業中に演習を行うため電卓を必ず持参すること。演習を多く取り入れ学習意欲を増進させる授業を展開する。
3.授業以外にも自主的に例題や演習を行い、計算力を高める努力をすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、電子工学について 1年間の授業の流れを理解し、電子工学とはどういうものか、理解できる。
2週 物質と電子、電子の電荷、質量、波動性 物質と電子、電子の電荷、質量、波動性について理論を理解し、計算問題を解くことができる。
3週 電子と電流、電子の運動エネルギ- 電子と電流、電子の運動エネルギ-について理論を理解し、計算問題を解くことができる。
4週 原子の構造、エネルギ-準位 原子の構造、エネルギ-準位について理解し、説明できる。
5週 熱電子放出 熱電子放出について現象と理論を理解し、計算問題を解くことができる。
6週 電界放出 電界放出について現象と理論を理解し、計算問題を解くことができる。
7週 光電子放出、二次電子放出 光電子放出について現象と理論を理解し、計算問題を解くことができる。また二次電子放出について現象を理解し、説明できる。
8週 気体分子の熱運動 気体分子の熱運動について理論を理解し、計算問題を解くことができる。
2ndQ
9週 平均自由行程、移動度、拡散 平均自由行程、移動度、拡散について現象と理論を理解し、計算問題を解くことができる。
10週 圧力について(単位換算、気圧) 圧力について単位換算ができる。また気圧について理解し、説明できる。
11週 励起と電離、低圧気体中の放電特性 励起と電離現象について理論を理解し、計算問題を解くことができる。また低圧気体中の放電特性について現象を理解し、説明できる。
12週 テレビ放送規格、ディスプレイ、CCDカメラ テレビ放送規格、ディスプレイ、CCDカメラについて理解し、説明できる。
13週 レーザー、自然放出と誘導放出 レーザー全般について理解し、自然放出と誘導放出の違いを理解し、説明できる。
14週 光ポンピングと反転分布状態 光ポンピングと反転分布状態について現象を理解し、理論式と対応付けながら説明できる。
15週 前期到達度試験、答案返却とまとめ
16週
後期
3rdQ
1週 半導体の種類と特質、真性半導体 半導体の種類と特質、真性半導体について理解し、説明できる。
2週 ・エネルギ-帯、導体・絶縁体・半導体
・フェルミディラックの分布関数
・エネルギ-帯について理解し、導体・絶縁体・半導体のバンドモデルの違いを理解し、説明できる。
・フェルミディラックの分布関数について理解し、説明できる。
3週 ・不純物半導体、半導体の分類と性質
・不純物半導体のエネルギ-準位
・不純物半導体、半導体の分類と性質について理解し、説明できる。
・不純物半導体のエネルギ-準位について理解し、説明できる。
4週 ・不純物半導体のキャリヤ密度、半導体内の電気伝導
・少数キャリヤの注入、拡散電流、ホール効果
・不純物半導体のキャリヤ密度、半導体内の電気伝導について理論を理解し、計算問題を解くことができる。
・少数キャリヤの注入、拡散電流、ホール効果について現象と理論を理解し、計算問題を解くことができる。
5週 ・pn接合とその熱的平衡状態
・電位障壁
・pn接合とその熱的平衡状態について現象を理解し、説明できる。
・電位障壁について理論を理解し、計算問題を解くことができる。
6週 pn接合の電圧-電流特性 pn接合の電圧-電流特性について理論を理解し、説明できる。
7週 ・pn接合の降伏現象
・pn接合の静電容量、半導体と金属の接触
・pn接合の降伏現象について理解し、説明できる。
・pn接合の静電容量、半導体と金属の接触について理解し、説明できる。
8週 後期到達度試験
答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前7
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000