電磁気学Ⅱ(2066)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電磁気学Ⅱ(2066)
科目番号 4E28 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電磁気学(多田泰芳、柴田尚志共著、コロナ社)、ドリルと演習シリーズ 電磁気学(伊藤 文武著、電気書院)、基礎からわかる電磁気学例題演習 <Ⅰ>
担当教員 中村 嘉孝

到達目標

春夏学期
1.静電界のエネルギーと誘電体に働く力を計算できる
2.ラプラス及びポアソンの方程式を用いて電位を計算できる
3.電流間、電流と磁界の間に働く力を計算できる
4.ビオ・サバールの法則、アンペアの法則から磁界を計算できる

秋冬学期
1、磁性体内の磁界を計算、誘導起電力を計算出来る
2、自己相互インダクタンスを計算、磁界のエネルギーと働く力を計算出来る
3、変位電流による磁界を計算、電磁界のエネルギーの流れを計算出来、波動方程式を導出出来る

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
静電界のエネルギーと誘電体に働く力様々な導体間や誘電体の静電界のエネルギーと働く力を計算できる。基本的な形状の導体間や誘電体の静電界のエネルギーと働く力を計算できる。導体間や誘電体の静電界のエネルギーと働く力を計算できない。
ラプラス及びポアソンの方程式様々な形状において、ラプラス及びポアソンの方程式を用いて電位や電界、電荷を計算できる。基本的な形状において、ラプラス及びポアソンの方程式を用いて電位や電界、電荷を計算できるラプラス及びポアソンの方程式を用いて電位や電界、電荷を計算できない。
電流間、電流と磁界の間に働く力様々な電流間、電流と磁界の間に働く力を計算できる。基本的な電流間、電流と磁界の間に働く力を計算できる。電流間、電流と磁界の間に働く力を計算できない。
ビオ・サバールの法則、アンペアの法則様々な電流において、ビオ・サバールの法則、アンペアの法則から磁界を計算できる。基本的な電流において、ビオ・サバールの法則、アンペアの法則から磁界を計算できる。ビオ・サバールの法則、アンペアの法則から磁界を計算できない。
磁性体中の磁界さまざまな条件における磁性体内の磁界をほぼ完全に計算出来、誘導起電力を計算出来る基本的な磁性体内の磁界を計算出来、誘導起電力を計算出来る基本的な磁性体内の磁界を計算、誘導起電力を計算出来ない
インダクタンスさまざまな条件における自己相互インダクタンス、磁界のエネルギーと働く力をほぼ完全に計算出来る基本的な自己相互インダクタンス、磁界のエネルギーと働く力を計算出来る基本的な自己相互インダクタンス、磁界のエネルギーと働く力を計算出来ない
マクスウェルの方程式さまざまな条件における変位電流による磁界の計算、電磁界のエネルギーの流れの計算、波動方程式を導出、をほぼ完全に出来る変位電流による磁界の計算、電磁界のエネルギーの流れの計算、波動方程式の導出出来る変位電流による磁界の計算、電磁界のエネルギーの流れの計算、波動方程式の導出が出来ない

学科の到達目標項目との関係

 ディプロマポリシー DP3◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春夏秋冬学期60時間
春夏学期
電気電子工学、情報通信工学を学ぶ上で最も重要な基礎専門科目のひとつである。電気磁気現象を物理的側面から理解し、数学的に解釈できることが目標である。3年の電磁気学Ⅰで学んだことを基礎に,誘電体中の電気的性質、ビオ・サバールの法則等の電流と磁界における電磁気現象を理解することを目標にする。
秋冬学期
電場や磁場の発散や回転(渦)と言う概念を理解し統一的に見通す事が出来る様になりましょう。また、電場が変化すると渦状の磁場が生じ、磁場が変化すると渦状の電場が生じると言うことを数式で表したものがマクスウェル方程式であることを理解しましょう。また、今まで学んできた、例えばビオ・サバールの法則であれば、ある場所の電流が、他の場所にどの様な磁場を作るか、つまり、“離れた位置(非局所的)”での2つの量の関係を表しています。本科目では、空間各点での電場や磁場の変化率と、その位置での電荷や電流の量との関係を求めます。つまり、非局所的なビオ・サバールの法則に変わる、新しい“局所的”な電場、磁場の基本法則を理解しましょう。【開講学期】冬学期週4時間
授業の進め方・方法:
春夏学期
前半はラプラス及びポアソンの方程式、静電エネルギーと誘電体に働く力など、導体がある場合や誘電体がある場合の静電界について学習する。後半は、定常電流、ビオ・サバールの法則やアンペールの法則など電流と磁界について学習する。講義と合わせて、演習を通して理解と確認を行います。
秋冬学期
前半は、なぜ物質は磁石になるのか?磁性体中の磁界は?電磁誘導とは?インダクタンスとは?など.後半は、変位電流とは?マクスウェルの方程式って何を意味する?電磁波って何?など。なぜ?から学んでいく様に進めます。

到達度試験70%、小テスト・演習など30%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
総合評価で60点未満の場合、到達度試験の補充試験を行い、補充試験70%、小テスト・演習など30%として評価をし、60点以上を合格とする。ただし、最大60点とする。
注意点:
講義で習得した知識を深めるために、進んで演習問題を解くことが大切です。授業も演習を通して理解を深め、確認していく形式を行います。積極的に取り組むように心がけてください。ただし、授業内の演習だけでは不十分ですので、自学自習による演習も不可欠です。自学自習ができるように授業ごとに授業内容とつながる教科書の例題・演習、問題集の例題等を提示します。1、2年の物理や電気情報基礎、3年の電磁気学、微分積分、4年のベクトル解析と関連が深いので、復習をしておきましょう。
自学自習の成果は授業で行う演習及び到達度試験によって評価します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電磁気学とは。
2週 復習(電界、電位、静電容量) 電界、電位、静電容量について説明でき、計算により求めることができる。
3週 復習(電界、電位、静電容量) 電界、電位、静電容量について説明でき、計算により求めることができる。
4週 静電エネルギー、導体・誘電体に働く力 導体間の静電エネルギー、導体・誘電体に働く力について説明でき、計算により求めることができる。
5週 静電エネルギー、導体・誘電体に働く力 導体間の静電エネルギー、導体・誘電体に働く力について説明でき、計算により求めることができる。
6週 ラプラス及びポアソンの方程式 ラプラス及びポアソンの方程式について説明できる。
7週 ラプラス及びポアソンの方程式 ラプラス及びポアソンの方程式について説明できる。
8週 演習
2ndQ
9週 導体中の電流、オームの法則、定常電流の分布 導体中の電流、オームの法則、定常電流の分布について説明できる。
10週 導体中の電流、オームの法則、定常電流の分布 導体中の電流、オームの法則、定常電流の分布について説明できる。
11週 ビオ・サバールの法則、磁界の強さ、電流に働く力 ビオ・サバールの法則、磁界の強さ、電流に働く力について説明でき、磁界、磁束密度、働く力を計算により求めることができる。
12週 ビオ・サバールの法則、磁界の強さ、電流に働く力 ビオ・サバールの法則、磁界の強さ、電流に働く力について説明でき、磁界、磁束密度、働く力を計算により求めることができる。
13週 アンペアの法則、磁界の強さ、電流に働く力 アンペアの法則、磁界の強さ、電流に働く力について説明でき、磁界、磁束密度、働く力を計算により求めることができる。
14週 アンペアの法則、磁界の強さ、電流に働く力 アンペアの法則、磁界の強さ、電流に働く力について説明でき、磁界、磁束密度、働く力を計算により求めることができる。
15週 演習
16週 到達度試験、答案返却とまとめ
後期
3rdQ
1週 磁性体を含む静磁界(物質の磁化、磁性体中の磁界)
磁性体を含む静磁界(物質の磁化、磁性体中の磁界)について説明でき、計算に用いることができる。
2週 磁性体を含む静磁界(物質の磁化、磁性体中の磁界)
磁性体を含む静磁界(物質の磁化、磁性体中の磁界)について説明でき、計算に用いることができる。
3週 電磁誘導(ファラデーの法則)、インダクタンス(自己及び相互インダクタンス) 電磁誘導(ファラデーの法則)、インダクタンス(自己及び相互インダクタンス)について説明でき、計算に用いることができる。
4週 電磁誘導(ファラデーの法則)、インダクタンス(自己及び相互インダクタンス) 電磁誘導(ファラデーの法則)、インダクタンス(自己及び相互インダクタンス)について説明でき、計算に用いることができる。
5週 磁界のエネルギーと力、電荷の保存則 磁界のエネルギーと力、電荷の保存則について説明でき、計算に用いることができる。
6週 磁界のエネルギーと力、電荷の保存則 磁界のエネルギーと力、電荷の保存則について説明でき、計算に用いることができる。
7週 マクスウェルの方程式Ⅰ(変位電流、アンペア・マクスウェルの法則) マクスウェルの方程式Ⅰ(変位電流、アンペア・マクスウェルの法則)について説明でき、計算に用いることができる。
8週 演習
4thQ
9週 マクスウェルの方程式Ⅰ(変位電流、アンペア・マクスウェルの法則) マクスウェルの方程式Ⅰ(変位電流、アンペア・マクスウェルの法則)について説明でき、計算に用いることができる。
10週 マクスウェルの方程式Ⅱ(微分系のマクスウェル方程式)
マクスウェルの方程式Ⅱ(微分系のマクスウェル方程式)について説明でき、計算に用いることができる。
11週 マクスウェルの方程式Ⅱ(微分系のマクスウェル方程式)
マクスウェルの方程式Ⅱ(微分系のマクスウェル方程式)について説明でき、計算に用いることができる。
12週 電磁波(波動方程式)の導出 電磁波(波動方程式)をマクスウェルの方て式から導き出し、計算に用いることができる。
13週 ベクトルポテンシャル ベクトルポテンシャルから磁場を計算できる。
14週 電磁界のエネルギー、ポインティングベクトル 電磁界のエネルギー、ポインティングベクトルについて説明でき、計算に用いることができる。
15週 演習
16週 到達度試験、答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学仕事と仕事率に関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
波動波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前9
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前9
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前9,前10
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前9,前10
静電エネルギーを説明できる。4前10
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4

評価割合

到達度試験課題・小テストなど合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000