電気回路Ⅱ(2075)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気回路Ⅱ(2075)
科目番号 4E29 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 4
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2
教科書/教材 続 電気回路の基礎(西巻正郎他著、森北出版)
担当教員 菅谷 純一,野中 崇

到達目標

・Laplace変換を用いて、定数係数線形微分方程式が解ける。
・Laplace変換を利用して、交流回路の過渡現象解析ができる。
・周期関数(矩形波、三角波など)のFourier展開形を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
Laplace変換・逆変換Laplace変換・逆変換を用いて、斉次・非斉次定数係数線型微分方程式の解を求めることができるLaplace変換・逆変換を用いて、斉次定数係数線型微分方程式の解を求めることができるLaplace変換・逆変換を用いて、斉次定数係数線型微分方程式の解を求めることができない
電気回路のs-空間表示表示複雑な電気回路をs-空間表示表示で書き直し、その解をLaplace逆変換を用いて時間関数で求めることができる簡単な電気回路をs-空間表示表示で書き直し、その解をLaplace逆変換を用いて時間関数で求めることができる簡単な電気回路をs-空間表示表示で書き直し、その解をLaplace逆変換を用いて時間関数で求めることができない
Fourier級数展開Fourier級数展開を用いて、各種の周期的電圧(電流)波形を正弦波の線型結合で表すことができるFourier級数展開を用いて、簡単な周期的電圧(電流)波形を正弦波の線型結合で表すことができるFourier級数展開を用いて、簡単な周期的電圧(電流)波形を正弦波の線型結合で表すことができない

学科の到達目標項目との関係

 ディプロマポリシー DP3◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
<春学期週2時間、夏学期週2時間>
電気回路は電子工学全般に共通する基盤的事象を学習する科目である。電気回路 IIで学習する内容は以下の2項目である。
・定数係数常微分方程式の解法について特にLaplace変換を用いた方法を学習する。更にそれを電気回路の過渡応答問題に適用し、電気回路の過渡現象について理解する。
・電気回路においてFourier展開は非正弦波交流の解析において重要な手法であるが、Fourier展開はそれ以外に、電磁気学、量子力学などの固有値問題においても非常に重要な役割をする。ここでは、非正弦波交流の解析を主要な主題としてFourier展開の概要について学習する。
授業の進め方・方法:
授業は講義1回につき、演習を1回行い、講義で得た知識を実際に問題と向き合い、解いていくことで定着させることを目指す。
講義はパワーポイントを主体とし作成した資料をもとに進める。板書の筆記ではなく、講義に集中してもらいたい。
パワーポイントでは細部の説明が不足する項目、さまざまな例などパワーポイントに含まれない項目は板書を併用して補うものとする。

・到達度試験70%、小テスト・演習など30%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
・答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
・三角関数、複素指数関数の各種の性質および、それらを含む関数の微積分に習熟しておくこと。
・電磁気学、電子工学など、Fourier展開が応用される各種分野について復習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義:定数係数線型微分方程式 Laplace変換を用いないやり方で、定数係数線型微分方程式の解を求めることができる
2週 演習:定数係数線型微分方程式 Laplace変換を用いないやり方で、定数係数線型微分方程式の解を求めることができる
3週 講義:Laplace変換~定数係数線型微分方程式の解法 Laplace変換を用いて、定数係数線型微分方程式の解を求めることができる
4週 演習:Laplace変換~定数係数線型微分方程式の解法 Laplace変換を用いて、定数係数線型微分方程式の解を求めることができる
5週 講義:s-空間の電気回路、直流回路の過渡現象解析 初期条件を含む直流電気回路を直接s-空間表示に書き、逆変換を用いて回路解析ができる
6週 演習:s-空間の電気回路、直流回路の過渡現象解析 初期条件を含む直流電気回路を直接s-空間表示に書き、逆変換を用いて回路解析ができる
7週 講義・演習:交流回路の過渡現象解析
RL直列回路、RC直列回路、RLC直列回路を直接s-空間表示に書き、逆変換を用いて回路解析ができる
8週 到達度試験(答案返却とまとめ)
2ndQ
9週 講義:周期関数とFourier展開 ~Fourier展開のイメージ Fourier級数展開がどのような分野に利用されているか、それにより何がわかるかについて説明できる
10週 演習:周期関数とFourier展開 ~Fourier展開のイメージ Fourier級数展開がどのような分野に利用されているか、それにより何がわかるかについて説明できる
11週 講義:非正弦波交流 正弦波以外の交流がどのように表現できるか説明できる。
正弦波以外の交流をFourier級数展開できる。
12週 演習:非正弦波交流 正弦波以外の交流がどのように表現できるか説明できる。
正弦波以外の交流をFourier級数展開できる。
13週 講義:交流回路における非正弦波交流 正弦波以外の交流回路について電流、電圧、電力の計算ができる
14週 演習:交流回路における非正弦波交流 正弦波以外の交流回路について電流、電圧、電力の計算ができる
15週 小テスト:CBTー電気回路分野
16週 到達度試験(答案返却とまとめ)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前8
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前8
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前8
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前11,前12,前13,前14,前15
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前11,前12,前13,前14,前15
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4前11,前12,前13,前14,前15
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前5,前6,前7,前8
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前5,前6,前7,前8

評価割合

到達度試験小テスト・演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000