電子回路設計Ⅰ(2103)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子回路設計Ⅰ(2103)
科目番号 4E34 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電子回路[第2版](桜庭他著 森北出版)、教員作成プリント
担当教員 工藤 憲昌

到達目標

(1)バイアス回路の目的の理解や増幅回路の動作量が算出できること。
(2)負帰還や正帰還 増幅回路の動作量が算出できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1バイアス回路の目的の理解や増幅回路の動作量が算出できることバイアス回路の目的の理解や増幅回路の動作量が算出でき、応用できるバイアス回路の目的の理解や増幅回路の動作量が算出できるバイアス回路の目的の理解や増幅回路の動作量が算出できない
評価項目2負帰還や正帰還 増幅回路の動作量が算出できること負帰還や正帰還 増幅回路の動作量が算出でき、応用できる負帰還や正帰還 増幅回路の動作量が算出できる負帰還や正帰還 増幅回路の動作量が算出できない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】夏学期週4時間
電子通信・交換、情報処理に用いられている装置は、いずれも電子回路とそれを制御するソフトウエアから構成される。本コースの目標の1つに、エネルギー、エレクトロニクス、情報通信の専門知識と問題解決に利用できるとある。前述の装置を理解するために、上述の両方の知識が必要であり、学科の目標を受けて、本科目では、電子回路部分について理解を深めてもらう。この科目では、増幅回路、負帰還回路、発振回路などの回路に線形等価回路等の基礎を適用し解析(回路計算)できることを目標とする。
※実務との関係
この科目は、企業で高速動作の電子回路の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、トランジスタやFETの線形等価回路、帰還の理論を基礎として、主として、増幅回路、負帰還回路、発振回路などの代表的な回路の動作量(増幅率やインピーダンスなど)の解析についての講義を行うものである。
授業の進め方・方法:
電子部品の線形等価回路をはじめに学ぶ。これを利用して基本的な増幅回路の動作量(増幅率、入出力インピーダンス等)を求める。次に、帰還回路の利点、解析法を学び、これを応用して正帰還回路である発振回路について取り組む。内容毎に,演習を行うことで定着に努める。評価は、試験80%,レポート20%、合計100点満点として、60点以上合格。
注意点:
以下の科目と関連が深い。従って,復習もかねて演習を行なうので積極的に取り組んでもらいたい。1)電子工学における電子部品に関する知識 2)電気回路演習における回路計算法に関する知識 3)応用数学におけるラプラス変換やフーリエ変換などの周波数領域における解釈。また、自ら進んで課題に取り組むことが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 トランジスタ(Tr)の特性、接地方式 トランジスタ(Tr)の特性、接地方式(バイアス方法)を理解する
2週 FETの特性、接地方式 FETの特性、接地方式(バイアス方法)を理解する
3週 Trの小信号等価回路、FETの小信号等価回路、演習 Trの小信号等価回路、FETの小信号等価回路の意味を特性から説明できる
4週 増幅回路(A、B、C級)の原理、動作量の図的解法、負荷線 増幅回路(A、B、C級)の原理、負荷線を用いた動作量の図的解法が理解できる
5週 固定、自己バイアス回路と動作点
固定、自己バイアス回路の動作点(電圧と電流)を求めることができる
6週 電流帰還バイアス回路と動作点
電流帰還バイアス回路の動作量を求める方法を理解できる
7週 安定度、線形位相、演習
コレクタ電流の変動特性(安定度)を導出する方法を理解できる
8週 (理解度確認試験)
1週から7週目までの内容の基本的なことを理解できる
2ndQ
9週 帯域増幅回路(RC結合、変成器結合)、遮断周波数 結合回路から遮断周波数を求めることができる
10週 RC結合の周波数特性、動作量、ミラー効果とその応用、GB積、演習 RC結合増幅回路の周波数特性を求めることができる
11週 多段増幅器、インピ-ダンス整合法 GB積ならびに変成器を用いたインピーダンス整合法を理解できる
12週 周波数選択回路、負帰還増幅回路とその利点、入出力インピーダンスの解析、演習 種々の受動回路の周波数特性を説明できる
13週 帰還信号の注入、抽出法、帰還回路の特性計算、演習 簡単な負帰還回路の増幅率,入出力インピーダンスを説明できる
14週 発振の原理、LC発振回路の動作解析、演習 発振の基本原理と条件を説明できる.LC発振回路の発振条件を説明できる.
15週 到達度試験 9週から14週までの内容の基本的なことを理解できる
16週 (答案返却とまとめ)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
演算増幅器の特性を説明できる。4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000