制御工学Ⅰ(2130)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 制御工学Ⅰ(2130)
科目番号 4E35 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 4
開設期 秋学期(3rd-Q),冬学期(4th-Q) 週時間数 3rd-Q:2 4th-Q:2
教科書/教材 制御工学,西村正太郎編著,森北出版,教員作成プリント
担当教員 菅谷 純一,釜谷 博行

到達目標

・伝達関数を用いてシステムの動特性を記述できること。
・ブロック線図で表現されたシステムを等価変換できること。
・逆ラプラス変換を用いて,システムの出力を正しく求めることができること。
・安定判別法を使って、制御系の安定判別を正しく行うことができること。
・システムの周波数特性を正しく表現できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
伝達関数伝達関数を用いてシステムの動特性を正しく記述できる。伝達関数を用いてシステムの動特性を一部記述できる。伝達関数を用いてシステムの動特性を全く記述できない。
ブロック線図ブロック線図で表現されたシステムを完全に等価変換できる。ブロック線図で表現されたシステムを一部等価変換できる。ブロック線図で表現されたシステムを全く等価変換できない。
システムの出力逆ラプラス変換を用いて,システムの出力を正しく求めることができる。逆ラプラス変換を用いて,システムの出力を部分的に求めることができる。逆ラプラス変換を用いて,システムの出力を全く求めることができない。
安定判別法安定判別法を使って、制御系の安定判別を正しく行うことができる。安定判別法を使って、制御系の安定判別を一部行うことができる。安定判別法を使って、制御系の安定判別を全く行うことができない。
周波数特性の表現伝達関数から周波数特性を正しく表現できる。伝達関数から周波数特性を一部表現できる。伝達関数から周波数特性を全く表現できない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 〇 説明 閉じる
 ディプロマポリシー DP3◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本コースの教育目標の1つは「エネルギー・エレクトロニクス・情報通信の3分野に関する専門的知識と技術を問題解決に利用できること」である。本科目はこれら3分野に共通する専門工学のひとつである。
 世の中で自分の思い通りにしたいということはたくさんある。バスケットボールをうまくシュートする,車を運転する,クーラやヒータを調整して好ましい室温にするなどである。思いどおりにするためにどのようにすべきかを我々は日常頻繁に意識して,あるいは無意識に考え行動している。それが「制御」である。人間が行っているようなことを機械を用いて実現する,それが「制御工学」という学問である。本科目では,初等的な微分・積分の知識を用いて,主として周波数領域で考える古典制御理論を用いた1入力1出力システム(連続時間系)の解析手法について理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
・授業は講義を中心に行い,理解を深めるために適宜演習を取り入れる。
・基礎となるフィードバックの概念を古典制御理論に基づいて学習する。伝達関数によるシステムの動特性,線図によるシステム構造の表現,1次遅れ系のパラメータ同定、安定判別法,周波数特性の表現方法に焦点を絞り講義する。
・試験80%,レポート課題20%として評価を行う。総合評価は100点満点として,60点以上を合格とする。答案は採点後返却し,達成度を伝達する。なお、補充試験を実施する場合には、試験100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
・演習では電卓を使用する。
・授業時間の制約から演習に充分な時間をかけられない。自発的に問題を解く姿勢が大切である。
・ラプラス変換,フーリエ変換,行列,複素関数について復習しておくこと。
・自学自習の成果は、レポート課題および到達度試験によって評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,フィードバック制御系の基礎 フィードバック制御系の構成を説明できる。
2週 微分方程式によるシステムの動特性の表現 微分方程式を用いてシステムの動特性を表現できる。
3週 伝達関数によるシステムの動特性の記述 伝達関数を用いてシステムの動特性を表現できる。
4週 伝達関数によるシステムの動特性の記述(1・2次遅れ要素,むだ時間要素),演習 基本要素について説明できる。
5週 たたみ込み積分によるシステムの記述,因果性,演習 たたみ込み積分の考え方を説明できる。
6週 ブロック線図によるシステム構造の表現,等価変換 ブロック線図の等価変換ができる。
7週 過渡応答,インパルス応答,ステップ応答 インパルス応答,ステップ応答を計算できる。
8週 到達度試験 (答案返却とまとめ) 問題を解くことができる。
4thQ
9週 安定性とその解析 システムの安定性について説明できる。
10週 安定判別法 ラウスの安定判別を使うことができる。
11週 周波数応答と周波数伝達関数 周波数伝達関数を用いて、システムの出力を計算できる。
12週 周波数特性の表現 ベクトル軌跡を作図できる。
13週 周波数特性の表現、ナイキストの安定判別法 ボード線図を作図できる。ナイキストの安定判別法を使うことができる。
14週 制御系設計ソフトウェアを用いた演習 制御系設計ソフトウェアを用いて、教科書の演習問題を解くことができる。
15週 演習問題 演習問題を解くことができる。
16週 到達度試験 (答案返却とまとめ) 問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4後3,後4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4後6
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後7
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後12
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後9,後10,後13

評価割合

到達度試験レポート課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000