原子力基盤技術概論(0952)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 原子力基盤技術概論(0952)
科目番号 5E14 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教員作成プリント
担当教員 古谷 一幸,武尾 文雄,庭瀬 一仁

到達目標

①原子炉内構造材に要求される材料特性について理解できること。
②原子力施設に用いられているコンクリート材料の要求性能と特性について理解できること。
③主な非破壊検査法の原理と特徴を理解し、検査対象に応じた手法を選択できること。
④放射化分析など放射線や放射性同位体を利用した分離分析法の原理が理解できること。
⑤原子力発電システムに使用される計測制御技術の基本が理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1核融合炉に用いられる低放射化材料の特性について理解し,その応用について考察できる。核融合炉に用いられる低放射化材料の特性について理解できる。核融合炉に用いられる低放射化材料の特性について理解できない。
評価項目2原子力施設に用いられているコンクリート材料の要求性能と特性について理解し,その応用について考察できる。原子力施設に用いられているコンクリート材料の要求性能と特性について理解できている。原子力施設に用いられているコンクリート材料の要求性能と特性について理解できていない。
評価項目3主な非破壊検査法の原理と特徴を説明でき、専門分野の具体的な検査対象に応じて適切な手法を選択できる。主な非破壊検査法の原理と特徴を理解でき、検査対象に応じて適用可能な手法を選択できる。主な非破壊検査法について原理を理解できず、特徴を挙げられない。
評価項目4放射化分析など放射線や放射性同位体を利用した分離分析法の原理が理解でき、実際の分析方法の概略を説明でき、定量計算ができる。放射化分析など放射線や放射性同位体を利用した分離分析法の原理が理解できる。放射線や放射性同位体を利用した分離分析法の原理に対する理解が不十分である。
評価項目5原子力施設における電気的制御の意義と問題点を例を挙げて説明できる原子力施設における電気的制御の重要性について説明できる。原子力施設における電気的制御の重要性について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
【開講学期】春学期週2時間、夏学期週2時間 
原子力発電や原子燃料サイクルなどの原子力産業は,材料技術,測定・検査技術,計測・制御技術など,工学の幅広い分野にまたがる多くの基盤技術によって支えられている。本科目では,これら原子力基盤技術のいくつかについて,そのアウトラインを学習する。分野横断型の授業を通して,自分の得意とする専門分野と原子力との関わりはもちろん,裾野の広い原子力産業について理解することを目標とする。
※実務との関係
この科目の全15週のうち第1週から第3週は、企業等で原子炉用低放射化金属材料や放射性廃棄物処分の設計,評価等の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、低放射化材料の種類、特性、最新の材料設計手法や放射性廃棄物処分に係る材料設計やその評価手法等について講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
低放射化材料(金属),コンクリート技術,非破壊検査技術,分析技術,計測制御技術の5分野について,原子力産業とのつながりを念頭に学ぶ。各分野について3回ずつのオムニバス方式で授業を行う。各教員による試験,またはレポートにより評価する。5分野の評価を100点満点として総合評価し,60点以上を合格とする。
注意点:
本科目は原子力コア人材育成事業の一環として行われる。選択者は原子力に関心を持ち,将来,自分の専門を活かしつつ原子力に携わることを希望する学生(4年次に開講した選択科目「原子力工学概論」を履修した学生)が望ましい。試験の答案は採点後に返却するので未達成部分を自己学習によって解決すること。各分野における具体的な学習項目に対する達成度調査を行うので,自分の達成度を率直に評価し学習に役立てて欲しい。自学自習の成果は小テスト及び課題にて評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料技術(低放射化材料) 低放射化鋼の概要と必要性について説明できる。
2週 材料技術(低放射化材料) 低放射化鋼が用いられる核融合炉の概要について説明できる。
3週 材料技術(低放射化材料) F82H鋼などの具体的な低放射化鋼の材料特性について説明できる。
4週 コンクリート技術 原子力分野のコンクリートについてその特徴を説明できる。
5週 コンクリート技術 放射性廃棄物とその処分方法について説明できる。
6週 コンクリート技術 原子力施設におけるコンクリートのあり方について論述できる。
7週 非破壊検査技術 原子力関連施設に見られる主な欠陥の発生要因について概略を理解できる。
8週 非破壊検査技術 主な非破壊検査法の原理と特徴を理解できる。
2ndQ
9週 非破壊検査技術 主な非破壊検査法の原理と特徴を理解できる。
10週 分析技術 放射性核種や放射線について説明できる。放射化とは何か、またその反応を記述できる。
11週 分析技術 中性子放射化分析における、放射化反応の条件や、放射線測定の方法が記述できる。
12週 分析技術 中性子放射化分析の実際の方法が記述できる。光量子放射化分析等他の放射化分析について理解できる。同位体希釈分析の理論と実際の計算ができる。
13週 計測制御技術 電気制御・計測の要となる電流、特に固体を流れる電流の実体、起源について説明できる。
14週 計測制御技術 原子力プラントにおける電気制御の意義について説明できる。
15週 計測制御技術 電気制御の中枢を担う半導体デバイスの放射線環境下での動作について簡単に説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

金属材料コンクリート非破壊検査技術分析技術計測制御技術合計
総合評価割合20202020200100
基礎的能力0000000
専門的能力20202020200100
分野横断的能力0000000