電子回路設計Ⅱ(2104)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子回路設計Ⅱ(2104)
科目番号 5E17 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 5
開設期 春学期(1st-Q),夏学期(2nd-Q) 週時間数 1st-Q:2 2nd-Q:2
教科書/教材 電子回路[第2版](桜庭他著 森北出版),制御工学(北村編 森北出版)[4年で使用したもの]
ディジタル信号処理[第2版](萩原将文著 森北出版)
担当教員 工藤 憲昌

到達目標

電子回路に関しては以下のことを理解していることが挙げられる。
(1)トランジスタやFET、演算増幅器を用いた増幅回路の動作量を計算でき、設計法の基本が理解できること。
(2)発振回路の動作量を計算でき、設計法の基本が理解できること。
(3)回路の間のインタフェースの特質を理解できること。
信号処理に関しては以下のことを理解していることが挙げられる。
(1)所定の周波数特性をもつディジタルフィルタを設計できること。
(2)パラメータを決めてフィルタリングができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 増幅回路の動作量を計算でき、設計法の基本が理解できること増幅回路の動作量を計算でき、設計法本が理解できる増幅回路の動作量を計算でき、設計法の基本が理解できる増幅回路の動作量を計算でき、設計法の基本が理解できない
評価項目2 発振回路の動作量を計算でき、設計法のの基本が理解できること発振回路の動作量を計算でき、設計法が理解できる発振回路の動作量を計算でき、設計法の基本が理解できる発振回路の動作量を計算でき、設計法の基本が理解できない
評価項目3 回路の間のインタフェースの特質を理解できること回路の間のインタフェースの特質を理解でき、応用ができる回路の間のインタフェースの特質を理解できる回路の間のインタフェースの特質を理解できない
評価項目4 所定の周波数特性をもつディジタルフィルタを設計できること所定の周波数特性をもつディジタルフィルタを設計でき、応用できる 所定の周波数特性をもつディジタルフィルタを設計できる 所定の周波数特性をもつディジタルフィルタを設計できない
評価項目5 パラメータを決めてフィルタリングができること パラメータを決めてフィルタリングができ、応用できる パラメータを決めてフィルタリングができる パラメータを決めてフィルタリングができない

学科の到達目標項目との関係

 ディプロマポリシー DP3◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春学期と夏学期各週2時間
情報通信・交換、情報処理に用いられている装置は、いずれも電子回路とそれを制御するソフトウエアから構成される。本コースの目標の1つに、エネルギー、エレクトロニクス、情報通信の専門知識と問題解決に利用できるとある。前述の装置を理解するために、上述の両方の知識が必要であり、学科の目標を受けて、本科目では、電子回路部分と信号処理について理解を深めてもらう。
※実務との関係
本科目は企業で高速動作の電子回路の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、電子回路設計Ⅰで学んだ内容から、主に知能情報システム・電気電子システム実験Ⅱで使用する回路(制御系の補償、増幅回路、発振回路等)をピックアップし設計法の基本について講義する。また、信号処理に関する部分では、フィルタリングやフィルタの設計法について講義する。
授業の進め方・方法:
春学期には、電子回路設計Ⅰで学んだ内容の中で、実用上大切であり、主に知能情報システム・電気電子システム実験Ⅱで使用する回路(制御系の補償、増幅回路、発振回路、インタフェース等)をピックアップし設計法の基本について学ぶ。夏学期には、信号処理に関する部分、フィルタリングやフィルタの設計法について制御工学との関連も含めて講義する。全体としての評価は、試験80%,レポート20%、合計100点満点として、60点以上合格。
注意点:
以下の科目と関連が深い。1)電子工学における電子部品に関する知識 2)電気回路における回路計算法に関する知識 3)応用数学におけるラプラス変換やフーリエ変換などの周波数領域における解釈。 また、自ら進んで課題に取り組むことが重要である。なお、自学自習の成果は宿題によって評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 回路による制御性の補償法 位相遅れ等の回路を用いた制御性の補償法を理解できること
2週 増幅回路の動作量・測定法 増幅回路の動作量・測定法を理解できること
3週 増幅回路の設計法 増幅回路の設計法の基本を理解できること
4週 演算増幅器を用いた回路の設計法 演算増幅器を用いた種々の回路の設計法を理解できること
5週 発振回路の動作量 発振回路の動作量を理解できること
6週 振幅変調の変復調回路 振幅変調の変復調回路の原理を理解できること
7週 波形整形、インターフェース、順序回路の設計法 波形整形、インターフェース、順序回路の設計法について理解できること
8週 到達度試験 1週目から7週目までの内容の基本を理解できること。
2ndQ
9週 春学期の答案返却とまとめ
ガイダンス、ディジタル信号処理の概要と特徴
アナログシステムとディジタルシステムの応答の関係
ディジタル信号処理の特徴を理解し,アナログシステムの応答の関係を説明できる
10週 離散時間信号とその表現、Z変換、Z変換の性質
離散時間信号の表現法を理解し、Z変換の意味を説明できる
11週 逆Z変換、安定性、演習
離散フーリエ変換、窓関数、離散畳み込みと循環畳み込み、演習
簡単な関数の逆Z変換を行なうことができる.
12週 離散フーリエ変換、窓関数、畳み込みに関する実習 離散フーリエ変換を理解し、畳み込み演算を行なうことができる
13週 標本化定理とディジタルフィルタに関する実習
離散時不変システム、差分方程式とシステム関数
標本化定理と標本化後の周波数分布を説明できる
14週 FIR/IIRフィルタと等価変換
離散時間システムの周波数特性、線形位相システム、極と零点の配置
FIR/IIRフィルタの種々の実現方法,線形位相システム,極と零について理解できる
15週 極と零点の配置によるフィルタの設計法
センサの信号処理、ディジタルフィルタの設計と線形位相システムに関する実習
極と零点の意味を理解し,試行錯誤により大まかな周波数特性を設計できる
16週 到達度試験 9週目から15週目までの内容の基本的なことを理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
演算増幅器の特性を説明できる。4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000