電子物性基礎(2136)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子物性基礎(2136)
科目番号 5E23 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学科電気情報工学コース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 グラフィック講義 量子力学の基礎/和田純夫著/サイエンス社
担当教員 中村 嘉孝

到達目標

原子の質量、原子の大きさ、電子の粒子性と波動性、を説明できる。
ポテンシャル中の粒子の波動関数とエネルギー固有値や透過率を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
原子の質量、原子の大きさ、電子の粒子性と波動性、原子の質量、原子の大きさ、電子の粒子性と波動性、をほぼ完全に説明でき、実際の現象とほぼ完全に関連づけることができる原子の質量、原子の大きさ、電子の粒子性と波動性、を説明できる原子の質量、原子の大きさ、電子の粒子性と波動性、を説明できない
ポテンシャル中の粒子の波動関数とエネルギー固有値や透過率ポテンシャル中の粒子の波動関数とエネルギー固有値や透過率をほぼ完全に計算でき、実際の現象とほぼ完全に関連づけることができるポテンシャル中の粒子の波動関数とエネルギー固有値や透過率を計算できるポテンシャル中の粒子の波動関数とエネルギー固有値や透過率を計算できない

学科の到達目標項目との関係

 ディプロマポリシー DP3◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】春学期週2時間
 本コースの教育目標は電気現象を物理的側面から理解し、さらに数学的に解釈できる事を目標にしています。本科目は、電気電子情報分野でかかせない電子、原子などを理解する事が目標。電子は粒子であり波でもある。波とはどういう事かと言うと、電子は同時に場所Aにも場所Bにも存在する状態がある。つまり、複数の状態が共存している(状態の重ね合わせと言う)。この共存の様子を表すものが波(波動関数)である。この原理を応用した例として量子計算機がある。古典計算機は1あるいは0の状態を使って計算。量子計算機は1の状態も0の状態も同時に共存している状態(1でもあり0でもある状態)、つまり、状態の重ね合わせを使って計算する。量子計算の為には量子力学は必須。
【開講学期】夏学期週2時間
授業の進め方・方法:
 電子物性基礎とは何か?何を学ぶのか?我々の住む宇宙とは?並行宇宙は存在するか?光の波動性から粒子性への歴史的展開、電子の粒子性から波動性への歴史的展開、電子の波の性質を表す波動関数の求め方を解説。定期試験80%、課題・小テスト等20%として評価を行う。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。補充試験は基本的に行わないが、試験する場合は、試験の点数のみで合格となる。
注意点:
 本学科の教育目標は電気現象を物理的側面から理解し、さらに数学的に解釈できる事を目標にしています。本科目は、電気電子情報分野でかかせない電子、原子などを理解する事が目標。自学自習の成果は課題および到達度試験によって評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス (なぜ電子物性基礎を学ぶのか?原子の質量、大きさを決めているものは?) ガイダンス (なぜ電子物性基礎を学ぶのか?原子の質量、大きさを決めているものは?)について説明でき、計算に用いることができる。
2週 物理学の歴史、光の波動性と粒子性 (光とは何?どのように理解されてきたのか?) 物理学の歴史、光の波動性と粒子性 (光とは何?どのように理解されてきたのか?)について説明でき、計算に用いることができる。
3週 ド・ブロイ波 (電子は複数の場所に共存する?電子は粒子であり波でもある?) ド・ブロイ波 (電子は複数の場所に共存する?電子は粒子であり波でもある?)について説明でき、計算に用いることができる。
4週 ボルンの規則 (電子の二重スリットの実験(外村氏の実験)とは?発見確率とは?) ボルンの規則 (電子の二重スリットの実験(外村氏の実験)とは?発見確率とは?)について説明でき、計算に用いることができる。
5週 シュレーディンガー方程式 (電子は波、その波を表す波動方程式とは?) シュレーディンガー方程式 (電子は波、その波を表す波動方程式とは?)について説明でき、計算に用いることができる。
6週 無限井戸型ポテンシャル中の電子 (電子のエネルギーは、なぜ離散的に?) 無限井戸型ポテンシャル中の電子 (電子のエネルギーは、なぜ離散的に?)について説明でき、計算に用いることができる。
7週 トンネル効果(電子がポテンシャルの壁を透過する確率は?) トンネル効果(電子がポテンシャルの壁を透過する確率は?)について説明でき、計算に用いることができる。
8週 到達度試験
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000