概要:
【開講学期】冬学期週4時間
物理学における最重要概念である「エネルギー」を俯瞰し,これを用いて物理現象を記述できるようになることが目標である。2年生の物理の総まとめと位置づけ,エネルギー物理学I,力学IIの知識を集約して,エネルギーの伝播の基本である波動と,熱力学の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
2年生の総まとめとして,また,3年生以降の応用物理を見据え,微分や積分の概念を紹介しつつエネルギーの正体を解説する。エネルギー物理学IIで取り扱う内容は視覚化が難しく,概念でとらえる必要性が高い分野である。演習問題などを適宜行いつつ,日常生活に現れる現象とリンクさせながら議論を進める。
注意点:
1,2年生で学んだ物理と数学を理解できていることが,エネルギー物理学IIを履修する上での前提条件である。習得が不十分であれば,秋学期を利用してよく復習しておくこと。また,一度分からなくなると,理解が追いつくまでに非常に長い時間を要するため,分からなくなりかけたら,できるだけ速やかに質問したり,調査したりするスキルが要求される。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 2 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 2 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 2 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 2 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 2 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 2 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 2 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 2 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 2 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 2 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 2 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 2 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 2 | |
波の独立性について説明できる。 | 2 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 2 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 2 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 2 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 2 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 2 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 2 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 2 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 2 | |