到達目標
以下の事が出来るようになりましょう。自由電子モデルから金属の電子密度、フェルミエネルギー、移動度、散乱時間、ドリフト速度を計算出来る。半導体のキャリア密度、エネルギーギャップを計算出来る。ホール効果からキャリア密度、ホール移動度を計算出来る。光吸収、磁性の機構を説明出来る。超伝導の磁場侵入長を計算出来る。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
金属 | 自由電子モデルから金属の電子密度、フェルミエネルギー、移動度、散乱時間、ドリフト速度をほぼ完全に計算出来る。 | 自由電子モデルから金属の電子密度、フェルミエネルギー、移動度、散乱時間、ドリフト速度を計算出来る。 | 自由電子モデルから金属の電子密度、フェルミエネルギー、移動度、散乱時間、ドリフト速度をほとんど計算出来ない。 |
半導体 | 半導体のキャリア密度、エネルギーギャップを、ホール効果からキャリア密度、ホール移動度をほぼ完全に計算出来る。 | 半導体のキャリア密度、エネルギーギャップを、ホール効果からキャリア密度、ホール移動度を計算出来る。 | 半導体のキャリア密度、エネルギーギャップを、ホール効果からキャリア密度、ホール移動度をほとんど計算出来ない。 |
光、磁性体、超伝導体 | 光吸収、磁性の機構をほぼ完全に説明出来、また、超伝導の磁場侵入長をほぼ完全に計算出来る。 | 光吸収、磁性の機構を説明出来、また、超伝導の磁場侵入長を計算出来る。 | 光吸収、磁性の機構をほとんど説明出来ない、また、超伝導の磁場侵入長をほとんど計算出来ない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本専攻科の教育目標の1つは、既存の方法・材料の特徴を理解し、それらの効率的な実現法を考察し、他に説明できる事である。その中で本講義は固体材料に関する科目である。物性論とは物の性質を論ずる事を目的とする物理学の1つである。つまり物を原子に分け、原子(atom)を原子核(atomic nucleus)と電子(electron)に分ける等、構成要素とそれを支配する法則を探り出す事を目的とし、それを元に物質の複雑な振る舞いを理解しようとする。これが物性論である。本講義では固体の性質を理解する事を目標とする。【開講学期】前期週2時間
授業の進め方・方法:
固体材料の電気的、磁気的性質について理論的・現象論的に講義する。また、物性論は量子力学(quantum mechanics)と統計力学(statistical mechanics)を土台として築かれており、随所で補足説明しながら理解できるように講義を進める方針である。また、演習や最近の新しい個体の物性やデバイスを紹介し学生の興味をそそる講義になるように心がける方針である。定期試験70%、課題・小テスト等30%として評価を行う。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。補充試験は基本的に行わないが、試験する場合は、試験の点数のみで合格となる。
注意点:
本専攻科の教育目標の1つは、既存の方法・材料の特徴を理解し、それらの効率的な実現法を考察し、他に説明できる事である。その中で本講義は固体材料に関する科目である。物性論とは物の性質を論ずる事を目的とする物理学の1つである。つまり物を原子に分け、原子(atom)を原子核(atomic nucleus)と電子(electron)に分ける等、構成要素とそれを支配する法則を探り出す事を目的とし、それを元に物質の複雑な振る舞いを理解しようとする。これが物性論である。本講義では固体の性質を理解する事を目標とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
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2週 |
金属Ⅰ(自由電子モデル) |
金属Ⅰ(自由電子モデル)について説明でき、計算に用いることができる。
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3週 |
金属Ⅱ(エネルギーバンド理論) |
金属Ⅱ(エネルギーバンド理論)について説明でき、計算に用いることができる。
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4週 |
金属Ⅲ(群速度、有効質量、金属と絶縁体) |
金属Ⅲ(群速度、有効質量、金属と絶縁体)について説明でき、計算に用いることができる。
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5週 |
半導体Ⅰ(真性半導体、キャリア密度、有効状態密度、フェルミ準位) |
半導体Ⅰ(真性半導体、キャリア密度、有効状態密度、フェルミ準位)について説明でき、計算に用いることができる。
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6週 |
半導体Ⅱ(不純物半導体、ドナーとアクセプタ、n形半導体の電子統計) |
半導体Ⅱ(不純物半導体、ドナーとアクセプタ、n形半導体の電子統計)について説明でき、計算に用いることができる。
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7週 |
半導体Ⅲ(ホール効果、移動度、拡散) |
半導体Ⅲ(ホール効果、移動度、拡散)について説明でき、計算に用いることができる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
固体の光学的性質Ⅰ(光の吸収機構) |
固体の光学的性質Ⅰ(光の吸収機構)について説明でき、計算に用いることができる。
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10週 |
固体の光学的性質Ⅱ(光デバイス) |
固体の光学的性質Ⅱ(光デバイス)について説明でき、計算に用いることができる。
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11週 |
磁性体Ⅰ(磁気モーメント、ボーア磁子、反磁性) |
磁性体Ⅰ(磁気モーメント、ボーア磁子、反磁性)について説明でき、計算に用いることができる。
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12週 |
磁性体Ⅱ(磁性体の分類) |
磁性体Ⅱ(磁性体の分類)について説明でき、計算に用いることができる。
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13週 |
超伝導体Ⅰ (超伝導現象) |
超伝導体Ⅰ (超伝導現象)について説明でき、計算に用いることができる。
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14週 |
超伝導体Ⅱ(ロンドンの方程式、磁場侵入長) |
超伝導体Ⅱ(ロンドンの方程式、磁場侵入長)について説明でき、計算に用いることができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の答案返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 4 | |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 4 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 4 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 4 | |
電場・電位について説明できる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 5 | |
電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 5 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 5 | |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 5 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 5 | |
静電エネルギーを説明できる。 | 5 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 5 | |
電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 5 | |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 5 | |
原子の構造を説明できる。 | 5 | |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 5 | |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 5 | |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |