物理学要論(5005)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理学要論(5005)
科目番号 0006 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学専攻電気情報システム工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「工科系のための 解析力学」 (河辺哲次著、裳華房)
担当教員 舘野 安夫

到達目標

1.古典力学の原理の復習と解析力学の成り立ちの理解。
2.解析力学の手法を力学の問題に適用する方法を学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1  ニュートンの運動方程式の成立過程の理解。座標変換の考え方と計算方法の理解。ベクトル微分方程式としてのニュートンの運動方程式の理解。座標変換による加速度の表現方法が理解できない。
評価項目2  ニュートンの運動方程式の一般化。ニュートンの運動方程式の一般化からラグランジュの運動方程式が導かれる課程を理解できている。一般化座標、一般化運動量という考え方の理解。一般化座標、一般化運動量という考え方が理解できていない。
評価項目3  変分原理、最小作用の原理の理解。ラグランジュの運動方程式を適用して力学問題を解くことができる。変分原理の手法を理解できる。変分原理の考え方が飲み込めない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 「物理学要論」では、まずニュートン力学の復習を行ない、ついで解析力学を学ぶ。ニュートン力学における変数や座標系の意味を確認し、変分原理等の数学的手法によりニュートン力学が一般化され、より普遍的な力学の体系である解析力学が構築される過程を学ぶ。この解析力学が量子力学の原理に関わっていること、また、ニュートン力学が相対性理論により修正を受けることにも触れる。
後半は、工学においてその重要性を増している統計解析や信頼性工学についての説明を行う。
この授業では、自然現象を数学で表現する手法に慣れることを目標とする。
授業の進め方・方法:
 微分積分、微分方程式、フーリエ解析、確率・統計等、物理現象の数学的な表現方法の説明が中心となる。従って、これらの基礎となる数学を充分に復習しておくことが重要となる。
注意点:
 ここで扱う物理現象は、可能な限り各専攻に共通する項目を選んでいるので、一見すると専門外の様な話題であっても興味を持って臨んでほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 ニュートン力学の復習 (位置ベクトルと変位ベクトル、座標系と変数)
3週 ニュートン力学の復習 (運動方程式、運動量、運動エネルギー)
4週 ニュートン力学の復習 (座標軸の変換、直交変換)
5週 解析力学 (一般化座標、一般化力、一般化運動量)
6週 解析力学 (ラグランジュ方程式)
7週 解析力学 (力学系の微小振動)
8週 解析力学 (変分原理)
2ndQ
9週 解析力学 (ハミルトンの正準方程式)
10週 解析力学と量子力学 (ハミルトニアン)
11週 確率統計の復習
12週 統計解析の基礎
13週 品質管理と信頼性工学
14週 確率過程の基礎
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。4
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。4
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。2
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。4
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。1
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。1
測定と測定値の取り扱いができる。4
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。4
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。4
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
複数の情報を整理・構造化できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000