到達目標
1.ひずみ波及び過渡現象の理論を理解し、計算できるようになること。
2.様々なRLC回路の総合問題を解けるようになること。
3.電子回路の構成要素と回路システム構成を理解し、実際に回路解析・設計できるようになること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1:ひずみ波、過渡現象 | ひずみ波及び過渡現象の理論を理解し、計算できる。 | ひずみ波及び過渡現象の理論を理解し、ある程度計算できる。 | ひずみ波及び過渡現象の理論を理解し、計算できない。 |
評価項目2:RLC回路総合問題 | 様々なRLC回路の総合問題を解くことができる。 | 様々なRLC回路の総合問題をある程度解くことができる。 | 様々なRLC回路の総合問題を解くことができない。 |
評価項目3:電子回路の構成要素、回路システム構成、回路解析・設計 | 電子回路の構成要素と回路システム構成を理解し、実際に回路解析・設計できる。 | 電子回路の構成要素と回路システム構成を理解し、実際に回路解析・設計がある程度できる。 | 電子回路の構成要素と回路システム構成を理解し、実際に回路解析・設計できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本コースの教育目標の1つは、電気工学とそれを利用した専門知識を身につけ、問題解決に応用できることである。システム・回路工学は、様々な専門科目と関連があり、重要な基礎科目と位置付けられる。様々な電気回路に関する理論説明と演習を行って、専門科目に適用できる能力を育成することを目標とする。また、電子回路システムの一連の構成要素及びそのつながりを理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
◎ひずみ波及び過渡現象の理論解析と演習を行う。また、RLC回路に関する総合問題の演習を行う。演習を多く取り入れることにより、計算力の向上を図る方針である。そして、電子回路工学に関し、センサ・信号変換回路、演算・処理回路、電子デバイス応用回路、回路設計法を講義し、演習を行う。電子回路に関する実用的な知識を習得し、設計できる力を養成する方針で授業を展開する。
◎中間達成度確認試験及び期末試験70%、課題・小テスト30%の割合で評価する。総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。答案及びレポートは採点後返却し、達成度を確認させる。
◎補充試験を実施した場合は、補充試験の点数のみで評価する。60点以上を合格とし、その場合の評価を60点とする。
注意点:
1.授業内容をより深く理解するために、予習・復習をしっかりやること。
2.授業中に演習を行うため、電卓を必ず持参すること。
3.演習を多く取り入れ、学習意欲を増進させる授業を展開する。
4.自学自習の成果は、課題・小テスト及び到達度・期末試験によって評価する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、ひずみ波1 |
ひずみ波において、フーリエ級数展開の理論を理解し、各種波形をフーリエ級数展開して直流分や交流分を計算できる。
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2週 |
ひずみ波2 |
ひずみ波回路において、重ねの理を利用した基本波成分と高調波成分の理論的な求め方を理解し、インピーダンス、電流、電力、等を計算できる。
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3週 |
過渡現象1 |
過渡現象について、直流回路における充電特性と放電特性の理論を理解し、様々な回路に適用して計算できる。
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4週 |
過渡現象2 |
過渡現象について、交流回路における充電特性と放電特性の理論を理解し、様々な回路に適用して計算できる。
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5週 |
RLC総合問題演習1 |
RLC 直並列回路に関する様々な計算問題の演習を行い、解く力を養う。
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6週 |
RLC総合問題演習2 |
RLC 直並列回路に関する様々な計算問題の演習を行い、解く力を養う。
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7週 |
中間達成度確認試験 |
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8週 |
中間達成度確認試験解答、 センサ、トランスデューサ、信号変換回路、信号の検出 |
センサ、トランスデューサ、信号変換回路について理解し、測定系の信号の流れを説明できる。また、ブリッジ回路を用いた信号の検出の理論を理解し、計算できる。
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2ndQ |
9週 |
電子回路の解析法 |
電子回路の解析法において、F行列の理論を理解し、様々な回路に適用して、電圧伝送比や周波数特性を計算できる。
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10週 |
半導体デバイスの等価回路 |
半導体デバイスであるダイオード、バイポーラトランジスタ、ユニポーラトランジスタの等価回路の求め方を理解し、説明できる。
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11週 |
バイポーラトランジスタの電流増幅率の周波数特性 |
バイポーラトランジスタの電流増幅率の周波数特性について理論を理解し、遮断周波数やトランジション周波数を計算できる。また電流増幅率の周波数特性をグラフ化できる。
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12週 |
アナログ電子回路 |
演算増幅器を用いた反転増幅回路、非反転増幅回路、差動増幅回路について、簡単な解析と厳密な解析の両方を理解し、理論計算できる。また、F行列を用いたCR位相発振回路を理解し、発振条件と周波数条件を求めることができる。
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13週 |
ディジタル電子回路 |
NAND論理回路とNOR論理回路の原理構成を理解し、回路動作を説明できる。また、外部駆動部のオープンコレクタ、エミッタ接地、エミッタフォロワを理解し、回路動作を説明できる。
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14週 |
電子回路シミュレ-ション、電子回路システム設計 |
電子回路シミュレ-ション及びSPICEとElectronics Workbenchについて理解し、説明できる。また、電子回路システム設計に関し、回路設計、基板設計、LSI化について理解し、説明できる。
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15週 |
期末試験の答案返却とまとめ |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 5 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 5 | |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 5 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 5 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 5 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 5 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 5 | |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 5 | |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 5 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 5 | |
制御 | システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 5 | |
評価割合
| 試験 | 課題・小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |