電気情報システム工学演習Ⅱ(7008)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気情報システム工学演習Ⅱ(7008)
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 産業システム工学専攻電気情報システム工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教員作成資料
担当教員 中村 嘉孝

到達目標

真空および物質中の電磁界と電磁波、物質の電気的・磁気的・光学的・熱的性質について、理論とその応用を深く理解し、想像力溢れる高度な研究開発能力を有する実践的技術者を養成することを目標とする。また、専攻科及び本科の講義で学んだ知識を、演習及びゼミナールにより欠く科目の理解を深め、さらに理解不足の部分を自ら認識し、自分で解決していく能力を身につける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
4つのMaxwell方程式が表現する物理について説明できる4つのMaxwell方程式の物理的意味が説明でき、電流連続の式、波動方程式を導出できるMaxwell方程式が書け、それぞれの式の意味が説明できるMaxwell方程式が書けない
波動方程式を解くことができる。波動方程式を変数分離法で解くことができて、一般解についても説明できる波動方程式を変数分離法で解くことができる波動方程式が解けない
金属自由電子モデルから金属の電子密度、フェルミエネルギー、移動度、散乱時間、ドリフト速度をほぼ完全に計算出来る。自由電子モデルから金属の電子密度、フェルミエネルギー、移動度、散乱時間、ドリフト速度を計算出来る。自由電子モデルから金属の電子密度、フェルミエネルギー、移動度、散乱時間、ドリフト速度をほとんど計算出来ない。
半導体半導体のキャリア密度、エネルギーギャップを、ホール効果からキャリア密度、ホール移動度をほぼ完全に計算出来る。半導体のキャリア密度、エネルギーギャップを、ホール効果からキャリア密度、ホール移動度を計算出来る。半導体のキャリア密度、エネルギーギャップを、ホール効果からキャリア密度、ホール移動度をほとんど計算出来ない。
光、磁性体、超伝導体光吸収、磁性の機構をほぼ完全に説明出来、また、超伝導の磁場侵入長をほぼ完全に計算出来る。光吸収、磁性の機構を説明出来、また、超伝導の磁場侵入長を計算出来る。光吸収、磁性の機構をほとんど説明出来ない、また、超伝導の磁場侵入長をほとんど計算出来ない。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP1 〇 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP2 〇 説明 閉じる
ディプロマポリシー DP3 ◎ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
<前期週2時間>

機械・電気システム工学専攻の教育目標の一つは、基礎工学に関する知識を身に付け、問題解決に応用できることである。本科目は、真空および物質中の電磁界と電磁波、物質の電気的・磁気的・工学的・熱的性質について理論とその応用を深く理解し、想像力溢れる高度な研究開発能力を有する実践的技術者を養成することを目標とする。【開講学期】前期週2時間
授業の進め方・方法:
電磁気学特論、電子物性の2科目の演習とゼミナールを行う。1科目あたり2時間x7.5回の計15時間を1サイクルとし、合計30時間を用いて演習とゼミナールを行う。演習問題を解くことにより各自の理解を深め、実際問題に直面した時に自ら考え、解決する手法を身につけることに充填をおく方針で授業を展開する。課題・レポート等により総合評価を行う。課題・レポート等は採点後返却し、達成度を伝達する。総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
この科目では、電磁気学、電子物性の範囲を超えた物理・工学の広範囲な問題を扱います。普段から、さまざまな分野に興味を持ち、疑問に思ったことは少し立ち止まって考えるよう努めてください。自学自習は到達度試験にて評価します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル解析~ベクトル場の微分と積分 Maxwell方程式を理解するために必要なベクトル解析に習熟し、ベクトルの微分、積分を含む式を自在に計算できる
2週 Maxwell方程式 4つのMaxwell方程式が書け、それぞれの式が表現する物理を説明できる
3週 電磁ポテンシャル 電磁ポテンシャルと電場・磁場との関係について説明できる
4週 物質中のMaxwell方程式 物質中のMaxwell方程式と真空中のMaxwell方程式の違いについて説明できる
5週 波動方程式 Maxwell方程式から、波動方程式を導出でき、変数分離法により、その階を求めることができる
6週 電磁場の境界条件 互いに異なる物質の境界を含む電磁場について、構成する物質に応じた境界条件を書くことができる
7週 平面波とその吸収・反射・屈折 平面波が互いに異なる物質の境界に入射するときそこでの反射率、透過率が計算できる
8週 Maxwell方程式の一般解 Maxwell方程式の一般解(遅延ポテンシャル)を導出できる
2ndQ
9週 無限井戸型ポテンシャル中の粒子 無限井戸型ポテンシャル中の粒子について説明でき、計算に用いることができる。
10週 有限井戸型ポテンシャル中の粒子 有限井戸型ポテンシャル中の粒子について説明でき、計算に用いることができる。
11週 金属 金属について説明でき、計算に用いることができる。
12週 半導体Ⅰ(真性半導体、不純物半導体) 半導体Ⅰ (真性半導体、不純物半導体)について説明でき、計算に用いることができる。
13週 半導体Ⅱ(ホール効果) 半導体Ⅱ(ホール効果)について説明でき、計算に用いることができる。
14週 固体の光学的性質 固体の光学的性質について説明でき、計算に用いることができる。
15週 磁性体 磁性体について説明でき、計算に用いることができる。
16週 超伝導体 超伝導体について説明でき、計算に用いることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4前8
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。5
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。5
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。5
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。5
静電エネルギーを説明できる。5
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。5
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。5
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。5
原子の構造を説明できる。5
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5

評価割合

レポート/試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000