パワーエレクトロニクス特論(7907)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 パワーエレクトロニクス特論(7907)
科目番号 0067 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業システム工学専攻電気情報システム工学コース 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教員作成資料
担当教員 熊谷 雅美

到達目標

半導体中の電子の振舞、電子分布を理解し、説明できる。
各種パワーデバイスの動作原理を理解し、それぞれの動作について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
Schrodinger方程式無限障壁単一量子井戸構造における1電子Schrodinger方程式を書き下し、固有値、固有関数の計算することができる無限障壁単一量子井戸構造における1電子のSchrodinger方程式を書ける無限障壁単一量子井戸構造における1電子のSchrodinger方程式が書けない
バンド構造と電子分布結晶中電子のバンド構造について説明することが出来て、そこでの有限温度における電子分布を表す式を書くことができる結晶中電子のバンド構造について説明することが出来る結晶中電子のバンド構造について説明することが出来ない
IGBTの特徴バイポーラトランジスタとMOSFETの動作原理を述べ、それに基づいてIGBTの特長について解説できるバイポーラトランジスタとMOSFETの動作原理について説明できるバイポーラトランジスタとMOSFETの動作原理について説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 DP2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
<前期週2時間>

電気・情報システム工学コースの教育目標の一つは、基礎工学に関する知識を身に付け、問題解決に応用できることである。本科目は、現在の電力制御の中心技術であるパワーエレクトロニクスについて、半導体パワーデバイスの動作原理、およびその特性などについて基礎から習得し、その知見を現実の問題に適用できる力をつけさせることを目標とする。
授業の進め方・方法:
パワーエレクトロニクスにおけるデバイスの基本的機能はスイッチである。半導体により構成されたスイッチの特性を知り、その特性がどのようにもたらされるかを意識しながら学習を進め、半導体スイッチに求められる特質やその弱点を克服する方法などについて考えてもらいたい。

・到達度試験により評価を行い、100点満点として60点以上を合格とする。
・答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
自学自習は到達度試験にて評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 Introduction~電子デバイスとパワーエレクトロニクス ・パワーエレクトロニクスの基本と応用についてその概要を説明できる
・パワーエレクトロニクスにおける電子デバイスの働きについて説明できる
2週 量子力学I~量子力学の公理 ・量子力学の基本公理を説明できる
・作用素とc-数について説明できる
3週 量子力学II~時間に依存しないSchrodinger方程式 ・Schrodinger方程式を書き、その語る内容を説明できる
4週 量子力学III~自由粒子と無限井戸中の電子状態 ・無限障壁井戸型ポテンシャル中の電子状態を計算できる
5週 量子力学IV~有限井戸モデルとトンネル効果 ‘・量子力学的トンネル効果について説明でき、矩形ポテンシャルに対するトンネル効果の計算ができる
6週 量子力学V~水素原子モデル ・球対象クーロンポテンシャル中の電子状態を計算できる
7週 バンド構造 ・半導体バンド構造とその起源について説明できる
・金属・半導体・絶縁体の違いについてバンド図から説明できる
8週 量子統計と状態密度 ・Fermi粒子のエネルギー分布について説明できる
・結晶中の電子の状態密度について説明できる
4thQ
9週 半導体中の電流 ・半導体中の電流(伝導電流、拡散電流、再結合電流)についてその物理的内容を説明できる。
10週 不純物半導体とpn接合 ・2種の不純物半導体についてその基本的な性質について説明できる
・pn接合の特性について説明できる
11週 Boltzmann方程式と半導体中電子の連続の式 ・相空間の分布関数について説明できる
・緩和時間近似のBoltzmann方程式が書ける
12週 理想ダイオード ・理想的ダイオードの電流についてその起源を説明でき、それを表す式が書ける
13週 サイリスタとバイポーラトランジスタ ・サイリスタの基本特性について説明できる。
・バイポーラトランジスタの基本特性と4つの動作モードについて説明できる
14週 MOSFETとIGBT ・MOSFETおよびIGBTの動作原理と基本特性について説明できる
15週 答案返却とまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。6
原子の構造を説明できる。5
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。5
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。5
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。5
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000